87歳のゲームアプリ開発者の定年後の学び方を学ぼう!-「とにかく バッターボックスに立ってみる。バットを振ったら、当たるかもしれないじゃないですか。」若宮正子さん

・定年をターニングポイントにして、これまでの人生で経験したことのない「お金」、「働き方」、「生き方」、「家族関係」、「人間関係」など様々な課題や難題が起きてきます。

・これらをリアルタイムで経験し、研究してきた同世代の筆者が発信しています。

・noteの投稿はこれまでに100本を超えました。

・今回は、87歳の現役ゲームアプリ開発者、若宮正子さんを取り上げます。

・定年世代の幸せづくりのヒントになれば嬉しいです。

目次

  1. 1.日曜朝刊、驚きの「広告のページ」
  2. 2.定年後からパソコンに興味を持ち、大きく人生が変わった
  3. 3.なんでも「卒業」はもったいない!60歳を過ぎても絶えず自分を「バージョンアップ」!

1.日曜朝刊、驚きの「広告のページ」

・わたしの読んでいる新聞は、北海道の地方紙だが、7月10日、日曜日の朝刊を開いたら、ある広告が目を引いた。

・23頁の「広告のページ」に、全面広告で、品の良さそうなショートカットのおばあちゃまがこちらを見ている写真が載っていた。

・はじめは、「何これ?」

・その直ぐあとに、目が行った先にあったコピーがタイトルの文章です。

・「まさか、このおばあちゃまの発言?むむむ!」と感動を覚え、一瞬で目が覚めました(笑)

・中央右端に目を向けると、そこに「若宮正子 87歳」とありました。

・広告主は「AC JAPAN」さん。

・この広告のほかにテレビCMも流れています(わたしはCMの方は未だ見たことがありません)。ご覧になった方も多いと思います。

・さらに「自分の未来にフタをしないこと。何歳からでも 人は変わることができるから。」とありました。

・「なるほど、これが先の「バッターボックスの法則」(勝手に筆者がつけました)の真意か!」と思った次第です。

・87歳のおばあちゃまがこのような言葉を発言できるとは、一体全体どういう人物で、どのような人生を歩んできたのか俄然興味が湧きました。

・そこで若宮正子さんを調べてみました。

2.定年後からパソコンに興味を持ち、大きく人生が変わった

・ここからは、『独学のススメ-頑張らない! 「定年後」の学び方10か条』(若宮 正子:著/中央公論新社)を参考にして書き進めます。

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・若宮正子さんとは、どのような功績を上げた人物なのか、わたしは、恥ずかしながら、AC JAPANの広告を見るまでは存じ上げませんでした。

・本から要約すると、彼女は、82歳の時につくったゲームアプリ「hinadan」が米マイクロソフトや米アップルの目にとまり、2017年2月、そのアプリをアップル社に申請して公開した途端、「世界最年長のプログラマー」と、海外でも注目されるようになりました。

・その後、世界のアプリ開発者が集まるイベント「WWDC」に招待されたり、国連で英語のスピーチも行いました。

・WWDCの会場で、アップル社CEOのティム・クックさんから、「あなたから大きな刺激をもらった」と言って、ハグされた経験もお持ちです。

・今や、政府の「人生100年時代構想会議」の最年長有識者メンバーに選ばれたりしている方なのです。

・1935年東京生まれ。高校卒業後、銀行に勤務。60歳で定年を迎えます。ここまでの彼女のプロフィールからは、プログラマーの経歴は全く見て取れません。

・パソコンを始めたのが、定年間近の58歳のときだったそうです。1990年代の前半ですから、当時40万円くらいです。

・パソコンを購入した理由が、とても前向きです。

・若宮さんは、定年後に90代の母を自宅介護することが決まっていたそうです。当然、自宅にいなければなりません。でもパソコンがあれば、家の中にいても世界の人と繋がることができると聞いて、興味を持ちました。

・「介護が必要なおばあちゃんの横にいても、家という狭い空間から広い世界へと連れて行ってもらえる。パソコンのおかげで私は翼をもらったみたいな気がしたものです。」と当時を振り返っています。

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3.なんでも「卒業」はもったいない!60歳を過ぎても絶えず自分を「バージョンアップ」!

・スマホが普及し始めた頃、「お年寄りにはスマホは使いにくい。ガラケーのほうが使いやすい」といったような感想がほうぼうで聞かれました。

・若宮さんは、若い人たちに「誰か年寄りに面白いゲームをつくってよ」とお願いしてみた。お年寄り向けのゲームがあれば、スマホを手に取る人も増えるのではないかと考えたからです。

・ところが、「僕たちはお年寄りがどんなことが面白いのかわかりません。若宮さん、ご自分でつくってみたらどうですか」と言われてしまいました。

・それでゲームアプリを自分でつくることになりました。独学でプログラミングを勉強したのは80歳を過ぎてからだそうです。82歳で開発そたこのアプリが世界中から注目されたわけです。

・ゲームアプリ「hinadan」をつくった際に、多くの人から「コードを作るのは大変だったでしょう」と言われたそうですが、技術が進んでいて、プログラミング自体は10年前より格段に簡単になっていました。

・しかし、「大事なポイントはそこではないのです。要は、どう作るか、ではなく、何を作るかを考えることだと思います。」と強調しています。

・周囲の困っている人を助けたいとか、周りの人と喜ばせたいという気持ちが有用なプログラムを生み出す「創造力」を育むのだそうです。

・最近、「周りの方で「もう70歳だから」といって、なんでも「卒業」とおっしゃる方も多く、それはもったいない」と述べます。

・「『諦め』は人を殺してしまいます」とも。説得力がある言葉です。

<名言集(わたしが名言と思う文章を集めてみました)>
・人生は60歳を過ぎると面白くなります。それまでの蓄積が花を咲かせます。70代、80代は伸び盛りです。絶えず自分を「バージョンアップ」しましょう。
・与えられた人生を、持てるものを活かして使い切りましょう。
・年を取るとお友達が亡くなったり、歯が抜けたり、髪の毛が少なくなったり、どうしても失うものが多くなります。けれど、失ったものを嘆くのではなく、何が残されているかを確認しましょう。
・失ったもの以上の、新しい知識・技能を身につけましょう。そうすれば年を重ねることは怖いことではありません。

・若宮さんは、定年世代の全く新しいタイプのロールモデルの一つだと思いました。

・わたしたち定年世代は、社会の進歩、変化を一緒に楽しんでいく生き方を選択したいものです!