ほそだ宮の森事務所通信「終活と相続をトータルサポート」 =高齢者等終身サポート事業特集号= 2026年9月号

いつもお世話になっております。
終活と相続のトータルサポートで認知症対策、終身サポート事業にも対応の行政書士ほそだ宮の森事務所&一般社団法人いきいきライフ協会札幌宮の森代表の細田健一です。当事務所通信では、終活と相続にまつわる「今知っておきたい」最新情報を、法令解説や身近な話題を交えながらわかりやすくレポートします。お仕事や家事の合間にぜひお読みください。
九月に入り、朝晩には少しずつ秋の気配も感じられるようになってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。今号は「高齢者等終身サポート事業特集号」として、おひとり身の方や頼れるご親族が身近にいない方の「もしも」を支える仕組みについて特集します。
おひとり身、お一人暮らしの方、ご夫婦だけの世帯、親子離ればなれでお暮しの方、また、高齢者福祉、障害者福祉、医療・看護、葬祭業、高齢者施設、不動産関係など各分野の専門家の皆様、「前向き終活!」「失敗しない相続!」を考えるきっかけにしていただければ幸いです。
<今号の目次>
1 【終活の窓】「高齢者等終身サポート事業」って何? ~頼れる身寄りがない方の「もしも」を支える仕組み~
2 【注目トピックス】業界の健全化へ ~全国高齢者等終身サポート事業者協会(全終協)設立~
3 【活動報告】終身サポート事業の輪を広げています
あとがき

1 【終活の窓】「高齢者等終身サポート事業」って何? ~頼れる身寄りがない方の「もしも」を支える仕組み~

☆おひとり身で頼れるご親族がいない方にとって、入院や施設入居の際の身元保証、ご逝去後の葬儀や片付けなど、「誰に頼めばいいのか」は切実な悩みです。今号は、そうした場面を支える「高齢者等終身サポート事業」を特集します。

3つのサービスで人生の終盤を支える

①身元保証等サービス 入院・施設入居時の身元保証・連帯保証の引受けのほか、介護施設や病院への入退所・入退院時の手続き代行、各種費用の精算対応、退所・退院後の居所選定支援まで担います。2緊急連絡先の役割を果たし、医師や看護師、医療ソーシャルワーカーとのやり取り、医療に関わる意向表明文書の提示を通じて、本人に寄り添った意思決定支援を行います。ご逝去時には身元引受人としての対応まで一貫して担当します。

②死後事務サービス ご逝去後に必要となる葬儀・火葬の手配や費用の支払い、納骨・散骨等の手配、ご遺体の引き取りや死亡届の提出、遺品整理や居室の片付け、行政機関・年金・保険等の手続き、医療・介護施設等の精算、公共サービス等の解約・精算まで、死後に発生する一連の事務を責任を持って整えます。生前に託された「最期の意思」を尊重した対応が求められます。

③日常生活支援サービス 病院への送迎・付き添い、買物への同行や生活必需品の購入、介護保険等のサービス受給手続きといった生活のサポートに加え、生活費の管理、公共料金・税金の支払いに関する手続き、家賃・年金等の定期収入の受領、不動産や金融商品などの財産の保存・管理、郵便物の管理、マイナンバーカードや印鑑・通帳等の重要書類の保管まで、日々の「困りごと」をきめ細かく支援します。

介護保険サービスとは異なり、終身サポート事業は一般事業のため、サービス内容に応じて1時間あたり4,000〜5,000円程度の費用がかかります(介護保険の1割負担などは適用されません)。契約にあたっては、これら3つのサービスをそれぞれ別の契約として締結するのが基本で、複数回の面談を通じて本人の意思や意思能力を丁寧に確認するとともに、適正な手続きが求められます。契約書・重要事項説明書を用い、契約締結前に本人へしっかり説明することが健全な事業者の目安になります。

切れ目のない対応、判断能力が低下したときの備え

利用者の緊急事態は、夜間や休日を問わず突然やってきます。施設管理者やケアマネジャー、医療機関の看護師など、やり取りする相手はさまざまですが、途切れることのない対応が求められます。また、判断能力の低下が疑われる場合は、地域福祉とも連携しながら定期的に本人と連絡を取り、状況や成年後見制度の利用意向を確認し、必要と判断されれば速やかに制度の活用へとつなげる体制も重要です。延命治療などの終末期医療については、本人の意思が最も尊重されるべき権利であるため、あらかじめ「医療に関する意向表明文書」として書面に残しておくことが大切です。

預託金の管理と、万が一の解約

死後事務にかかる費用をあらかじめ預かる「預託金」は、信託口座など安全な方法で分別管理されることが望まれます。万が一契約を解約する場合、預託金は原則として全額返金されるべきものであり、必要経費を除いて事業者の運営資金と混同されていないかも、事業者選びの大切な確認ポイントです。

本人の意思を支援する立場

医療の同意・判断の代行はできません。あくまで本人が作成した意向表明文書をもとに、意思をお伝えする立場です。契約締結や法律行為などを無資格で代理することもできず、必要に応じて弁護士や行政書士など専門家と連携する形になります。本人との適切な契約(後見・信託等)がない状態で財産を自由に管理・処分することも、本人の意思に反する対応をすることもできません。あくまで「本人の意思表示を支援する立場」であることを理解しておきましょう。

<細田からのアドバイス> 「もし自分に何かあったら」という不安は、頼れる家族がいてもいなくても誰にでも起こり得ます。当事務所も終身サポート事業(身元保証・死後事務・日常生活支援)に対応しております。まずはどんな備えが必要か、一緒に整理するところから始めてみませんか。

2 【注目トピックス】業界の健全化へ ~全国高齢者等終身サポート事業者協会(全終協)設立~

☆終身サポート事業は、法規制や監督官庁を持たないまま30年以上にわたり事業者数を増やし、全国で400以上といわれています。中には不適切な事業者も報告されており、2024年6月、国は「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(以下、ガイドライン)を策定しました。

利益相反にも要注意

たとえば、本人に代わって葬儀を発注する立場と、葬儀を受注する立場を同じ事業者(担当者)が兼ねてしまうと、本来25万円程度でできる直葬であっても、搬送代や遺体保管料を不適切に上乗せして請求できてしまい、その金額が適正かどうか誰にも指摘されません。高齢者施設の施設長などが入所者の身元保証人を兼任し、自由な意思決定を妨げて全財産を施設に寄附するよう誘導してしまった、といった不適切な事例も報告されています。こうした不適切な利益相反が起こらない体制を組んでいるかも、事業者を見極める大切な視点です。

寄附・遺贈の勧誘は原則禁止

終身サポート事業者は、利用者との信頼関係や生活・財産への依存度の高さから、寄附等の依頼・推奨・提案や、寄附を条件とする契約、遺言による遺贈を前提とした身元保証契約は禁止されるべきとされています。役員等による寄附の直接受領や、別法人・家族を経由した迂回受領も同様です。遺贈を行う場合は、公正証書の作成など第三者の立会いのもとで本人の意思確認を行うことが求められます。

事業者選びで確認したいポイント

契約前に確認しておきたい点として、身元保証やサービス内容・費用が明確になっているか、入退院・入退所時の対応が具体的か、緊急時の連絡体制(夜間や土日祝日も含むか)、預託金の内訳や管理方法・管理口座が明らかになっているか、解約時の返金基準が不当でないか、判断能力低下時の対応が定められているか、事業者の情報がホームページ等で公表されているか、などが挙げられます。「契約を締結するまで帰さない」「契約しないと生活が維持できなくなる」などと不安をあおる勧誘にも注意が必要です。

2025年、日本初の業界団体が発足

ガイドラインを受け、2025年8月、日本初の業界団体「一般社団法人全国高齢者等終身サポート事業者協会(全終協)」が設立されました(同年11月本格始動)。会員制度があり、外部の有識者(弁護士等)による厳格な審査を経て健全な運営体制と認められた事業者を「正会員」、ガイドラインを遵守し身元保証等・死後事務・日常生活支援の各サービスを提供する事業者を「準会員」などと区分し、利用者が安心して事業者を選べる環境づくりを目指しています。所管窓口は厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課です。

<細田からのアドバイス> 「安いから」「近いから」だけで選ぶと、後々のトラブルにつながりかねません。契約前に重要事項説明書の内容をじっくり確認し、国のガイドラインを遵守しているかヒアリングするのも有効です。迷ったときは第三者の専門家に相談することをおすすめします。

3 【活動報告】終身サポートの輪を広げています

☆終身サポートやおひとり身の終活をテーマに、この夏も講演活動を行いました。

全終協「準会員」に認定されました 2026年7月、当事務所(一般社団法人いきいきライフ協会札幌宮の森)は、全国高齢者等終身サポート事業者協会(全終協)の準会員として認定されました。今後も業界のガイドラインを遵守し、安心してご利用いただける終身サポート事業の提供に努めてまいります。

7月30日 エンカーサ様(訪問診療グループ)にて講演(写真あり) 「単身高齢者の『終活』を取り巻く最新の動き~終身サポートと医療・介護現場との関係づくりに向けて~」と題し、訪問診療を中心とした医療・介護・薬局等の異業種交流会でお話しさせていただきました。55名の皆さまにお集まりいただきました。シャドーワークを減らしていくためには、現場での多職種の連携が大切であることを確認しました。

8月5日 すこやか倶楽部琴似会館にて講演(写真あり) 琴似会館で開催された、すこやか倶楽部琴似会館(介護予防センター山の手・琴似様主催)の講座で、おひとり身の方の終活基礎講座をテーマにお話しさせていただきました。30名の方が参加されました。

★引き続き、一般向け、専門家向けに関らず、介護予防センターや老人クラブ、社会福祉協議会、医療・介護関係の団体様などでの講座・セミナーの講師依頼も承っております。終活や相続の勉強会をご希望の団体様は、お気軽にお問合せください。

<あとがき>

九月に入り、朝晩は少しずつ涼しさを感じられるようになってきました。とはいえ日中はまだ汗ばむ陽気の日もあり、季節の変わり目で体調を崩しやすい時期です。皆さまどうぞご自愛ください。

今号でご紹介した「終身サポート事業」は、頼れるご家族がいる方にとっても、決して無縁の話ではありません。「まさか自分が」というときに困らないよう、今のうちに知っておいていただければ幸いです。当事務所は引き続き、2024年6月、国が定めた「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を遵守し、適切な業務遂行と高品質のサービス提供に努めてまいります。

次回も、皆さまが安心して未来を迎えるためのヒントをお届けいたします。

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