✅現場の一線から外れていく50代!✅会社以外の世界を知らないままでいいのか!🌈会社を辞めるか残るかは早めに決めておく?

・最近、転職や独立について、40代、50代から意見を求められることが増えてきました。2023.2.28の東洋経済オンラインの記事「『ほとんど仕事がない』-50代部下なし管理職が語った“大企業ぬるま湯”と“前進への葛藤”」を題材に、中高年の転職について改めて考えてみました。

1.会社での仕事のやりがいを見い出せない中高年!

・今の会社にとどまるか、転職や独立で別の世界に飛び込むか。40、50代で自分のキャリアの先行きに悩む人は少なくありません。わたしもそんな一人でした。

・この記事の主人公は、「大手メーカーの研究職、高橋賢一さん(50代後半、仮名)もその1人だ。企業の研究者として技術の製品化に取り組み、実績を上げてきた。しかし40代後半で研究の一線から外れ、今は部下を持たない「部下なし管理職」」として工場での監査業務に就いています。

・入社式で登壇した社長は、高橋さんら新入社員を前に、「皆さん頑張って部長になってください。頑張ればなれます」と呼び掛けました。ありがちな昭和世代の光景です。

・高橋さんは順調にキャリアを重ねていきます。大学で学んだバイオ分野の基礎研究を行い、開発した技術が製品化されます。「自分で言うのもなんですが、企業の研究者としては素敵なストーリーを歩んでいたと思います」と高橋さんは言います。

・わたしたちの世代は、会社は辞めないでずっと働き続けるものだ、転職なんてありえないという暗示にかかった年代ではないでしょうか。

・副業やリスキリング(学び直し)という言葉が定着してきましたが、会社から「頑張れば部長になれる」と刷り込まれ続けた自分たちと同世代のうち、いったいどのぐらいの人が副業に挑戦できているのでしょうか。そんな時間とお金があるのでしょうか。

・高橋さんは最近、会社の外の世界と接点を持ちました。セカンドキャリアを支援する会社を通じ、地方企業へのインターンシップに参加したのだそうです。5社を受け3社は書類選考で落ちましたが、西日本で自転車のシェアリング事業を手掛けるベンチャーで採用が決まりました。

・研究者として当たり前にやってきて、特段のスキルではないと思ったことが評価されたことに驚きました。「もう化学の研究はできないですけれど、違う分野でも努力する人たちと新しいものを作りだすことができると感じました」

・会社以外の世界で思ってもみなかった自分のスキルを評価されたことが自信になることがあります。

・「自分が納得するような新しいことまでは、まだできていません。僕は今の時点で転職や起業を考えているわけではなく、(社内で新しいことができるなら)どちらかというと安全に移行したいです。大企業のぬるま湯につかっていると言われればそうなのかもしれない。でも、それでも外の世界に出たことで、前の自分よりはずっと前進していると感じています」(高橋さん)。

・先入観にとらわれず社内外で「価値あるもの」を見つけたいと思っているそうです。

・もう一人の登場人物の川田さん(仮称)は、インターンシップをきっかけに会社を退職し、ウェブマーケターとして独立しました。会社員を続けたほうが安定していましたが「これから10年先を考えた時に、自分が面白いと思う仕事に舵を切りたい」と決断したのだそうです。

・年齢を重ねると決断する勇気がなくなっていく気がするので、このタイミングで独立して良かった」と語っています。

・高橋さん、川田さんともに会社の外に踏み出すことで、思っていなかった自分の仕事のスキルを再発見できています。会社に残るにしても、転職や独立するにしても、外の世界とのつながりが、長く勤める会社で染みついた価値観をいい意味で壊してくれるのではないでしょうか。

・「外の空気を吸う」といいますが、マインドセットの転換には、大変に有効な方法だと思います。

・次に、転職までにやるべきことについて考えてみます。

2.会社を辞めますか?残りますか?いつ決めますか?

・2021年4月から、従業員が望めば70歳まで働ける会社が出てきています(改正高年齢者雇用安定法)。
現在は、本人が希望したら、会社は65歳まで雇わなくてはならない義務があります。ですから、会社員の場合には、希望すれば65歳までは働けることが保証されています。

・ただし、給料に関しての規定はないので、多くの会社では60歳になると給料がかなり下がることは覚悟しておかなくてはならないでしょう。実際、わたしも2割カットされました。これは大きい!

・会社が従業員を65歳まで雇うというのは義務ですが、2021年4月から、ここにさらに努力義務として70歳まで雇用、というのが加わりました。

・高齢者になっても働き続けられる環境が整いつつあるということです。つまり、働けるだけ働きましょうということです。

・今、会社にこのまま残って働いたほうがいいか、それとも会社を辞めて新しいことを始めたほうがいいか、迷っている人は多いのではないでしょうか。

・多くの人は、60歳が近づくと慌てて「会社に残るか辞めるか」を考えはじめますが、時間がないとより良い選択ができなくなる可能性があります。ですから、早めに決めて、第二の人生の準備をしておきましょう。

・わたしもその口で、会社員を辞めようと思ったのは、55歳のときでしたが、もう少し早く決断していたら、違った道もあったかもしれないと、今更ながら思っています。

・現実的な観点から、この会社にいたほうがトクなのか、辞めて新しいことを始めたほうがトクなのかということを考えるときには、メリットとデメリットをリストアップするのが効果的です。。

・《会社に残るメリット例》
・仕事を失うリスクがなくなり、収入が確保できる
・「厚生年金」「健康保険」に加入できるので、社会保障が手厚い
・有給休暇や各種休暇など、勤続年数で取れる休みがたくさんある
・慣れた仕事の延長で、今のスキルでやっていけるので楽だ


・《会社に残るデメリット例》
・役職定年などで、先付け給料が下がる
・役職定年で、かつての部下の下で働かなくてはならなくなるかもしれない
・嫌いな同僚が、自分よりも出世していくのがたまらなく嫌だ
・50代なら転職できても、60代になると転職も起業もできなくなりそうだ

中途採用する側は、即戦力となる高い技術を身に付けた人を求めています。ですから、会社勤めの人は、会社を辞める前にしっかりとスキルを身に付け、採用されやすい人材になっておかなくてはいけません。

・スキルを身に付ける時に考えなくてはいけないのは、今まで自分はどんなことをしてきて、何が得意かということ。

・得意なことをバージョンアップし、身に付けた技術を鍛え直すほうが、新しいことを一から始めるよりも、短時間で高いスキルを身に付けられるからです。つまり、会社にいるうちに得意なスキルを鍛え直しておくのが良いです。

・長い間会社に勤めているという人なら、有給休暇もかなり利用できるのではないでしょうか。こうしたものをフル活用しながら、ゆくゆくは専門家としての技術をしっかり身に付け、会社を離れても大丈夫なようにしておきましょう。

・まずは、現在の自分が持っている技術を見直し、プランを練ってみましょう。