定年退職で「失業給付」はいくらもらえるの?
1.65歳未満で定年退職、失業給付はどれくらい?
前回みたように、条件は大きく3つあり、すべて満たす必要がありましたね。
簡単におさらいすると。その1つ目は、離職の日以前2年間に12カ月以上雇用保険に加入していること。
2つ目は、失業後も働く意欲や就職できる能力があり、「求職活動」を行っていることです。
3つ目。定年退職の年齢が65歳未満であること。
定年退職の場合、基本手当は、ハローワークで求職申込みをした日(受給資格が決定した日)から通算して7日間の待機期間を経て、支給が開始されます。
ちなみに、定年前に自己都合で退職した場合には、この待機期間に加えて3カ月の給付制限期間があります。会社の「辞め方」で差が出ます。
所定給付日数は、自己都合退職および定年退職の場合、被保険者期間が20年以上であれば、150日分になります。
被保険者期間が 1年未満:所定給付日数なし
〃 1年以上10年未満:所定給付日数90日
〃 10年以上20年未満:所定給付日数120日
〃 20年以上:所定給付日数150日
また、日額は、「賃金日額×所定の給付率」で算定されます。「賃金日額」とは、離職した日の直前の6カ月に毎月決まって支払われた賃金合計を180で割って算出した金額のことで、ボーナスや退職金等は含まれません。
給付率は、60歳未満の人が50~80%、60歳以上65歳未満の人が45~80%です。複雑な計算方法に基づいて算出するため、正確な給付額を知りたい場合は、ハローワークに問い合わせるのが確実です。
通常は、賃金が低いほど給付率が高くなるように定められています。したがって、基本手当の金額は人それぞれに異なります。
また、年齢区分ごとに基本手当日額の上限額が定められています。
基本手当日額上限額(2020年3月1日現在)
年齢区分60歳以上65歳未満:基本手当日額上限額7150円
仮に63歳で定年退職するとして、雇用保険加入期間が20年以上、基本手当日額が7000円だとした場合、基本手当は最大で105万円(7000円×150日)を受給できることになります。
ただし、あくまで失業期間中、4週ごとにハローワークで失業認定を受けて支給されますので、再就職が決まったりした後は支給されなくなります。
2.アルバイトしてもいいの?
そこで注意したいのが、失業期間中のアルバイト。
基本手当は退職前の5~8割であるため、不足分を補おうとパートやアルバイトを検討する人もいますよね。
給付期間中でも、「定職に就いたとみなされない程度の日数」であればアルバイトも可能です。その日数については、明確な基準がありません。
アルバイトをする場合には、ハローワークと1日の労働時間や賃金について事前に確認しておきます。
求職活動を行っていないにもかかわらず、基本手当をもらうために虚偽の申告をするのは不正受給になります。アルバイトや内職も同様です。
不正が発覚した場合は、基本手当の支給停止なもとより、全額返金や2倍の納付命令がされるなどの重いペナルティが課せられることもあります。
十分に注意しましょう!
3.まとめ
今回は、65歳未満で定年退職したとき、失業給付の基本手当がいくらくらいもらえるのかをみてみました。
所定給付日数は、自己都合退職および定年退職の場合、被保険者期間が20年以上であれば、150日分になります。
また、年齢区分ごとに基本手当日額の上限額が定められています。2020年3月1日現在では、年齢区分60歳以上65歳未満で基本手当日額上限額7150円。
複雑な計算方法に基づいて算出するため、正確な給付額を知りたい場合は、ハローワークに問い合わせるのが確実です。
求職活動を行っていないにもかかわらず、基本手当をもらうために虚偽の申告をするのは不正受給になります。アルバイトや内職も同様です。注意しましょう!