公的年金額を確認するにはどうすればいいの?「ねんきん定期便」とは?

1.公的年金の受給額を確認するには?

実際に自分はいくら年金をもらえるのか?はとても気になるところですよね。

確認する方法は大きく二つあります。

「ねんきん定期便」:日本年金機構から年に一度、誕生月に送付されるハガキ・封書。封書版にはこれまでの全期間の公的年金にかんする記録が、ハガキ版には直近1年の記録が記載されています。

「ねんきんネット」:こちらも日本年金機構が運営するウェブサイト。自分の年金にかんする記録や将来の年金額の見込みなどが確認できます。

以下で少し詳しくみていきます。

2.「ねんきん定期便」でわかること

毎年誕生月に送られてきます。年齢によって形式や記載される内容が異なります。概要は下図。  

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ここでは、50歳以上の場合の見るポイントについてまとめてみました。

実際の「ねんきん定期便」のハガキの見本はこちら

日本年金機構の「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和3年度送付分)

まずは表面です。

左側上段から中段まで棒グラフ状に「①②老齢年金の見込額」があります。裏面でも確認できますが、棒グラフで70歳まで受給開始時期を遅らせた場合の見込額と比較できるように表示されていますので、ひと目でわかります。

以前、述べたとおり、年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、60歳~70歳まで選択できます(令和4年4月からは75歳まで選択可能)。70歳まで5年間受給開始を遅らせると42%年金額が増える計算。実際に70歳受給に遅らせた場合の見込額が記載されています。

その下部には、「2.これまでの保険料納付額(累計額)」があります。これまで納めた厚生年金の保険料の累計額が記載されています。なお厚生年金は、会社とあなたが折半で支払っており、ここに記載されているのはご自身で支払った分(折半後)の金額です。

右側に大きくスペースを取っているのが「最近の月別状況」です。直近1年の厚生年金の保険料の納付状況が記載されています。厚生年金の保険料計算のもとになる「標準報酬月額(千円)」も確認できます。加入区分は加入制度をカッコ書きで表示しています。

主なものは(厚生):厚生年金保険、(公共):公務員共済制度(国家公務員共済組合または地方公務員共済組合)、(私学):私立学校教職員共済制度。

次に裏面。

上段に「2.これまでの年金加入期間」があります。年金に加入した月数が記載されています。それそれ第1号保険者、第2号保険者、第3号保険者に分けられています。「月数」は実際に保険料を支払った月数に加え、免除が認められている場合には免除期間の月数も加わります。

年金の受取りには原則として120月(10年)以上の受給資格期間が必要ですよ、とハガキに記載されていますので注意してください。

中央にど~んとあるのが「3.老齢年金の種類と見込額(年金)」。50歳以上60歳未満の方は60歳まで納めた場合の見込額が、60歳以上65歳未満の方は作成時点での加入実績に応じた見込額が載っています。

左の最下部には「お客様のアクセスキー」があります。これは何かというと、次に説明する「ねんきんネット」への登録に利用するコードです。

「ねんきん定期便」は適切に保管しておきましょうね!

3.「ねんきんネット」はシミュレーションができる

「ねんきんネット」の登録は、年金手帳に記載の「基礎年金番号」と、「ねんきん定期便」に記載のアクセスキーがあると簡単にできますが、アクセスキーの有効期限がありますので注意してください。(およそ3ヵ月です)

一度「ねんきんネット」に登録すると翌年以降の手続きは必要ありませんので、一度登録してみましょう。

ねんきんネットでは、受給額をシミュレーションできますので、現在の職業を継続する場合、働き方を変えた場合などを設定できます。

受給開始年齢の繰上げや繰下げのシミュレーションも可能ですので、定年後、老後資金のベースとなる公的年金を確認できますので大いに参考になります。

4.まとめ

公的年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)の受給額を確認する方法は、「ねんきん定期便」と「ねんきんネット」の二つ。いずれも日本年金機構が運営しています。

「ねんきん定期便」は誕生月にハガキか封書で郵送されます。見方はそれほど難しくありませんでした。定年前にはじっくりみておきたいです!

「ねんきんネット」には年金手帳に記載の「基礎年金番号」と、「ねんきん定期便」に記載のアクセスキーがあると簡単にできます。登録しておくと便利なシミュレーション機能を利用することができます。