『時代のカナリア』湯川れい子著-86歳音楽評論家の幸福な人生を送るための「あいうえおの法則」、定年世代は自分なりの「あいうえおの法則」を持とう!
・定年をターニングポイントにして、これまでの人生で経験したことのない「お金」「働き方」「生き方」「家族関係」「人間関係」など様々な課題や難題が起きてきます。
・これらをリアルタイムで経験し、研究してきた同世代の筆者が発信しています。
・noteの投稿はこれまでに100本を超えました。
・定年世代の幸せづくりのヒントになればうれしいです。
・今回は、86歳の音楽評論家で、作詞家でもいらっしゃる湯川れい子さんを取り上げます。
目次
- 1. 「洋楽の神」のひとり
- 2.9歳のときに太平洋戦争の敗戦を迎える
- 3.定年世代は自分なりの「あいうえおの法則」を持とう!
1. 「洋楽の神」のひとり
・わたしたちの年代で、10代から20代にかけて洋楽好きだった方は、「湯川れい子」さんの名前を知らない人はいないでしょう。
・エルビス・プレスリーの熱烈なファンであり、ライナーノーツも数多く書いています。
・また、作詞もされていて、安西マリアの『涙の太陽』、アン・ルイスの『あゝ無情』『六本木心中』などの作品を世に送り出しています。
・そして、なんといっても、1966年6月29日(水)にビートルズが来日した際に、彼女はビートルズが泊まっている東京ヒルトンホテルの客室に7月2日(土)夜に行き、ビートルズに面会しています。これは非公式なものではありましたが。
・このとき、応対したジョン・レノンが彼女を無視。後に、ソロになったジョンにインタヴューした際に「あの時なぜ私を無視したんですか?」と質問するとジョンは、彼女を売名目的のつまらない連中と一緒だと疑っていたということがわかりました。
・雑誌「スイングジャーナル」や「ミュージックライフ」などにも記事を書いてくれました。
・彼女は、わたしを洋楽に導いてくれた大切な「神」のひとりでした。
2.9歳のときに太平洋戦争の敗戦を迎える
・その彼女も、今年1936年(昭和11年)生まれの86歳。わたしの母親と同世代です。
・今年に入ってから、新型コロナに感染したこともあったようですが、無事に回復され、いまは元気でお過ごしのようです。
・雑誌『プレジデントオンライン 2022年7月4日配信』に載った彼女の記事に出会いました。タイトルは「幸せはお金や肩書からは生まれない…86歳の音楽評論家が考える人生で後悔しないための『5つの原則』」
・それから『時代のカナリア』湯川れい子著(集英社)を拝読しました。
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・ここで、エピソードを一つ、本から引用してみます。
・正に戦中派の彼女は、太平洋戦争が敗戦を迎えたときにはまだ9歳でした。
・「玉音放送」(昭和天皇が肉声で敗戦降伏を国民に伝えたラジオ放送)があった昭和20年8月15日から一夜明けてのこと。
・疎開先の山形県米沢市の祖母の家で、軍人であった母が彼女を畳の上に正座させると、膝を動かないように腰ひもで結び、父の形見の短刀を置いて、アメリカ兵がやってきたらこれで死になさい、と自害の仕方を教えられたそうです。
・当時の時代背景が偲ばれます。
・結局、アメリカ兵は口笛を吹きながらニコニコやってきたから、短刀は使わずにすんだそうです。
・そんな彼女が、大人に成長し、アメリカ人のエルビス・プレスリーの熱狂的なファンになっていきますから、時代とは言え、わからないものですね。
3.定年世代は自分なりの「あいうえおの法則」を持とう!
・この本でわたしが注目したのは、彼女が60歳のときに考案した幸福を導く「あいうえお」の法則です。
・簡単にそれに至った経緯を説明すると、「生き方の原則」のようなものを、「老後」という形に限定せず、生涯にわたって通用するイメージでつくれないものか、ずっと考えていたそうです。
・この「生き方の原則」とは、「人生は生涯、教育と教養が大切なのよ」とおっしゃった尊敬する先生のお話しから、「違うのよ。キョウイクは『今日、行くところ』、キョウヨウは『今日の用事』という意味」と聞かされ納得します。
・他に、「老後の三原則」というでは、「行くところがある」「会う人がいる」「することがある」という三原則が老後をいきいきとするという意味です。この三原則が、定年退職を機に、ある日から突然三つとも「ない」となったら、男性はぞっとするのも無理はないと述べています。
・そこで、60歳のときにできあがったのが、ご自身の幸福な生涯を導くための「あいうえお」の法則でした
・「あ」=会いたい人に会いたい
「い」=行きたいところに行きたい
「う」=うれしいことがしたい
「え」=選ばせてもらいたい
「お」=おいしいものが食べたい by 湯川れい子
・これは一見すると、とてもワガママに見えてしまいますが、深い理由が隠されています。
・簡単に、エキスだけをちょこっとご紹介すると、
・「あ」。一番、彼女を元気にしてくれたのは、“会いたい人がいる”ということだったと、気づいたからです。
・「い」。「行きたい」が叶ったのは50代になってからだったそうで、「オーロラを見に行きたい」とずっと仕事部屋のボードに貼っていたそうです。
・「う」。いくらうれしいことでも一人ではつまらない。周りの人が喜んでくれないと本当にうれしいことにはならないのです。社会が受け入れてくれないと、本当の意味で喜べないということです。
・「え」。人生は選択の連続だけど、大事なことは自分の意志で選択することです。
・「お」。湯川さんは、人生最後の一食に選ぶものは決まっているそうです。それが「炊きたてのご飯で握ったごま塩のおにぎりが食べたい」のだそうです。戦争中、まったく食べるものがなくて、小学2年生のとき、毎日毎日お芋のつるを入れたうどん粉の雑炊、「すいとん」を食べさせられて、「お米のご飯がたべたい!食べたい!」と大泣きした、記憶が鮮明に残っているからです。
・続きは、本でお読みください(笑)。
・素敵な86歳です。人生の達人のお一人です。勇気をもらいました。道しるべはたくさんあった方がいいですね。
・そこで、わたしも湯川さんを見習って、自分にとっての幸福の「あいうえお」の法則を捻ってみました。湯川さんのも一部、採用していますが。時間が経てば、熟成していくと思います。
・「あ」=朝、気持ちよく目覚めたい(一日の始まりは気分良く!)
「い」=行きたいところに行きたい(湯川さんと同じ)
「う」=嬉しいと思われることをしたい(周りの人に喜んでもらいたい!)
「え」=選ばせてもらいたい(いくつになっても!)
「お」=おいしいものを気の置けない人と食べたい by ほそけん
・皆さんもひとつ考えてみてはいかがでしょう?自分が大切にしているものが明確になること請け合いですよ。