✅心が弱っている中高年は月曜日の朝に要注意!✅人生の扉を閉じるのは今じゃない!🌈人生というものは99.9%思うようにならない?🌈生き方を軌道修正するチャンスだよ!
・40代、50代の中高年男性の自殺が増えているそうです。しかも、月曜に命を絶つ。男女ともに「月曜日」に最も多く自殺者が発見されていると、健康社会学者(Ph.D)の河合薫さんは指摘しています。
・今回は、河合薫さんの2022年11月9日『日経ビジネスオンライン』に掲載された記事をもとに、「50代の自殺」について考えてみます。
1.中高年の自殺が月曜日の朝に集中している現実!
・近年、若者やコロナ禍で倍増した女性の自殺者問題が度々注目を集めています。厚生労働省が公表した「令和4年版自殺対策白書」をもとに河合さんは、「一時期減少傾向に転じていた40代、50代の中高年男性も増えた。しかも、月曜日。そう、男女ともに「月曜日」に最も多く自殺者が発見されていたのである」と分析しています。
・2018年に国際精神医学誌に掲載された早稲田大学と大阪大学の研究グループの自殺に関する論文において、1974年の高度成長期からバブル崩壊までには、いわゆる「ブルーマンデー」が認められなかったものの、バブル崩壊後の1995年以降、40~65歳までの中高年男性の自殺者が、月曜日の「朝4時から7時59分まで」に集中していることが認められ、欧米と同様の傾向が確認されました。
・月曜日の自殺件数は、土曜日の1.55倍。時間帯別では出勤前が、午後8時以降に比べて1.57倍で、最も少ない土曜夜(午後8~午前0時)の2.5倍だった。しかも、中高年の自殺者が最も多かったのは「朝4時から7時59分まで」。家族が寝静まったあと、命を絶ったケースが最も多いといいます。
・日曜日が終わりに近づくと一旦遠のいた「仕事」という2文字が、まるで呪いの言葉のように心と体に重くのしかかり、「また明日から」「またアイツと」「またあのお客と」「また忙殺される」というテロップが絶え間なく脳内テレビに映し出され、生きるのがしんどくなると、河合さんは指摘します。
・明日(月曜日)再び、あの“苦痛に満ちた扉”の向こうに吸い込まれると思うと、逃げたくなるのです。わたしも同じ思いを何度も繰り返し、繰り返し、感じて会社員人生を送ってきました。いったい、月曜日が「好き」という中高年はいるのでしょうか。
・河合氏はその要因について、「「月曜日に増える」という現実を鑑みれば、「仕事」が多くの人を追い込む大きな要因になっていることは明らかであろう」と述べています。
・われわれは幸せになるために働いています。それなのに、幸せになる最良の手段であるはずの「仕事」が、命を脅かす不幸が続いています。命を削りながら働いている人たちが山ほどいるのです。
・「過労死等防止対策白書」(22年版)に目を向けると、勤務問題を原因・動機の1つとする自殺者の数は、近年、ほぼ横ばいの状況にあり、21年は1935人と前年より17人増えていることが分かりました。また、業務における強い心理的負荷による精神障害を発病したとする労災請求件数は、一貫して増加傾向にあります。
・そして、河合さんは我が国のメンタルヘルス対策や産業医制度に疑問を投げます。「一体誰が会社での問題を会社に相談するだろうか。一体誰が、会社で疲弊し切った心を会社が準備した産業医に打ち明けるだろうか。むろん、それで救われる人もいるかもしれない。しかし、問題が複雑で、仕事に前向きで、責任感のある人ほど、人に話さなくなる。」
・メンタルヘルス対策については、日本の経営者が外部の精神科医の診療を中心として「米国」の手法に学ぶべきだと、河合さんは主張して記事を結んでいます。
2.心の中でいったい何がおこっているのか?
・これまで人並み以上に仕事を頑張ってきた人が、突然燃え尽きたようにやる気を失ってしまうことがあります。年代で見ると40代から50代の中高年に多く見られる症状ですが、このような状態に陥る可能性は誰にでもあります。わたしも且つて経験しました。
・そのような人の心の中ではいったい何が起こっているのかについて考えてみます。
・やる気を失うきっかけは千差万別ですが、中高年期になると、何かの壁を感じると、こんな心の声が聞こえてきます。
・「自分の仕事人生、これでいいのだろうか?」
「はたして自分はこういう生活を望んでいたのだろうか?」
「このまま突っ走ってしまっていいのだろうか?」
・「自分の仕事人生はもう限界だ」といった不安に駆られると、これまでの生活を振り返り、目の前の課題に無我夢中で没頭し、充実していた若い頃が懐かしく思い出されます。
・そんな時、ふと我に返って、「自分は何をやっているのだろう?」といった気持ちになります。ノルマに追われる日々に対しても、「こんな毎日にどんな意味があるのだろう?」といった疑問が湧いてきます。
・突然、左遷に近い人事異動を突きつけられ、「これまで何のために頑張ってきたんだろう…」といった思いに駆られ、人生の意味を見失ったかのような心理状況に陥る人もいます。
・組織の中で評価される存在として頑張るというだけでなく、これまでとは違った形で人生を意味づけることがとても重要になってきます。
・成人期の生き方を心理学で展開したレビンソンは、この人生半ばの過渡期(現在では40代後半から50代前半に相当)に自分の生活に疑問を持ち、生活構造を組み替えることが大切であるといいました。それが上手くいくかどうかで、その後の人生の充実度や満足度まで違ってくると指摘しました。
・突然襲われる心の危機も、生き方を軌道修正するチャンスというように前向きにとらえることが大切です。どうしたら人生を自分のカラーに染め上げていけるか。どうしたら自分なりに納得のいく人生にしていけるか。どうしたら自分の人生を意味あるものにしていけるか。そうした人生の問いへの回答を探ることが、この時期のわたしたち中高年の最大の課題だといっても過言ではありません。
・いったん日常の歩みが止まり、能率が落ちるかもしれませんが、将来、後悔するようなことがないように、人生の課題にしっかり向き合って、取り組むしかないのではないでしょうか。
・いろいろな場所に行き、他人に会っては話しを聞き、多くの本を読んで、試行錯誤しましょう。そして、最後は自分で答えを見つけるしかないのです。他人が押し付けた答えで、あなた本来の自分を取り戻すことはできないのです。
・「やり残したことがあるのではないか?」「これまでの人生で、何か忘れ物をしているのではないか?」 といった心の声にフタをして、今の人生軌道をそのまま突っ走ってしまうと、後で大きな後悔に苛まれることになります。
・心の声に耳を傾けながら、今の生活をどのように軌道修正すれば、より自分らしい人生になるか、どんな味付けをするのがよいか、じっくり考えてみる時期なのです。「こんな時もあっていいさ」と思いましょう。
・あるとき、湧き上がってくる感情があります。それは「とかく人生は思い通りにはならないもの」という思いです。ライフネット生命の創業者で現在、立命館アジア太平洋大学APU学長の出口治明さんも、「人生というものは99.9%思うようにならない」と言っています。
・人は、助け合って生きているということさえ、見失っています。渦中にいる時は、わからなかった感情を理解できるようになり、あのときのあの人に向けた自分の選んだ感情や行動、延ばし延ばしにしていたことに決着をつけるように、自らに問いかけます。
・他者とのつながりの大切さにあらためて気づきます。身近にある世界の有難味を知ることになります。それが「半径3メートルの世界」です。
・ここに、わたしたち中高年サラリーマンが幸せになるヒントが隠されています。
・「3メートル」だけでなく、将来も「3日」以内くらいの感覚で今を楽しみ、幸せを感じることができます。
・仕事も若いときのように、マックス、120%の能力で取り組むのではなく、「3割減」くらいの気持ちで取り組めばいいのです。
・そして、焦らなくても大丈夫です。自分が気にするほど周りは「あなた」のことなど見ていないし、気にもしていないのですから。
・後ろを振り向けば、きっと「あなた」に励まされている人々の笑顔が見えるはずです。「未来の扉」は誰にも等しく開かれています、自分で閉じてはいけませんよ。