✅50代にこそチャレンジ精神が求められる!✅社外コミュニティに出て定年後の「お試し」の旅!🌈「新しい仕事にチャレンジしようという人だけが仕事に就ける?」🌈失敗したら少しずつ軌道修正すればいいのです
・東京千代田区に高齢者専門の人材派遣会社「高齢社」があります。
・「高齢社」の社長のお話しから、定年後に仕事が見つかる人、見つからない人の違いがみえてきます。
・定年後をじっと待つのではなく、どんどん社外のコミュニティに顔を出して、50代で「お試し」をしておくことをお勧めします。
1.高齢社社長:「新しい仕事にチャレンジしようという気概のある人だけが仕事に就ける!」
・緒形高齢社社長は、1949年生まれ。72年に東京ガスに入社し、2002年群馬支社長。06年7月から栃木ガスの代表取締役社長を務める。高齢社を立ち上げた上田研二氏に誘われ15年に高齢社に入社し、16年6月から現職です。
・その緒形氏が『日経ビジネス オンライン』の2021年3月16日の記事で、インタビューに答えていらっしゃいました。
・「高齢社」は、2000年に創業し、今年で創業22年目を迎えるシニア専門の派遣会社です。
・登録できる年齢は60歳以上。年齢の上限は設けていません。現在働いている最高年齢の方は81歳です。登録者の平均年齢は70.5歳で、登録者の年齢分布では70~74歳がボリュームゾーンになっています。
・説明会に参加される方は、再雇用にこだわる人が依然多いというのが実態のようです。多くの高齢者が定年後も同じ会社で働きたいと考えるのは、「一度社外で仕事を探そうとすると労働市場で厳しい評価にさらされる点が関係している」からだと、緒形氏は指摘します。実際、転職しようとすると、賃金水準が大きく下がるうえ、仕事がなかなか見つからない厳しい状況が待ち受けています。
・緒形社長は、企業の高齢者雇用の現状について、「景気が必ずしも良くない状況の中で、多くの社員を抱えなければならない定年延長のあり方は、果たして持続性があるのでしょうか。職務内容や労働時間を無限定にすることと引き換えに、社員の面倒を最後まで見る「メンバーシップ型雇用」は崩れつつあります。
・今後、働く高齢者が今まで以上に増えてくれば、個々人の働く目的に応じて職務内容やワークスタイルをはっきり定めて欲しいとするニーズはむしろ高まるのではないでしょうか。」と、将来に警鐘を鳴らしています。
・何故かというと、ジョブ型の派遣社員の方が、雇う側も、仕事の範囲を明確にすれば高齢者は雇いやすくなると徐々に気づいてくるからです。
・かつては企業で部長などの高い職位に就いていた人が、モチベーションを維持できるのかという問題もあります。
・今までの経験の延長上で仕事を探そうとすると、いつまでたっても仕事は見つかりません。「新しい仕事にチャレンジしようという気概のある人だけが仕事に就けるのです」と、述べます。
・過去の肩書にこだわる人や、プライドの高い人も続かないそうです。厳しい口調で、「こういったものは一度捨てていただきたい。「私は部長ができる」と言われても、そんな仕事はありません」
・高齢社では「あいさつは必ず自分からする」「過去の職位の話や自慢話はしない」「頭は下げるためにある」といったことを就労時のお願い事項として挙げています。
・定年後、今の会社を出てしまったら、結局は、平場の人間関係のコミュニティの中で自分の人間性が試されます。いつまでも「偉ぶって」いられるのは、会社があなたを守ってくれていたからだと気づくことが大切です。
・会社というバリアの及ばない「世界」では、もう一度、新人として謙虚にやっていかなければ、名もなくあなたに、誰も優しく接してはくれませんね。
2.「会社」という安住の地から出て社外コミュニティに武者修行の旅!
・ここまでの話しを、「定年後なんてまだ遠い先の話だから…」と思って読んだ50代はいないでしょうか。
・『THE21』2022.11.04に、「おじさん」専門のキャリアコンサルティングを手がけるプロティアン(株) 代表取締役の金澤美冬氏の記事が載っていました。その趣旨は、「充実した第2の人生を歩むには、退職する5~10年前からの準備やリサーチが不可欠だ」というものです。
・金澤氏の意見は、高齢社の尾形社長の発言と繋がってると思うのです。
・退職後の自由な時間を心から楽しみ、充実させられる人は、なんと10人に1人とも言われているそうです。
・数カ月続けて、ようやく「長期にわたってやりたいこと」がないのに気づく人が後を絶ちません。ですが、そこで「一体これから何をやって生きていけば...」と嘆いても、それは後の祭りですね。
・会社どっぷり人生の「延長」のような感覚で定年後の人生を「のほほん」と生きようとしている人は、間違いなく「9人」の側になってしまうと思うのです。
・今の若い世代は、組織はあくまで個人が活躍する「舞台」と捉え、一人ひとりが会社に頼らない自律的なキャリアを歩むという考え方の人も少なくありません。
・一方、50代、60代の会社員は、入社以来、会社にキャリアを預けっぱなしでした。会社が用意したキャリアプランや人材育成計画に沿って、敷かれたレールをただ進んでいけば良かったのです。わたしは、その人材開発の企画を作る側で、プロジェクトリーダーをやっていました。型に嵌めるタイプの人材育成だったと思います。
・しかし、定年後の人生を主体的に築くには、今さら会社にお世話になる必要はないのですから、自分がいかにしたら社会で活躍できるのか、「自律的」という価値観が必須です。むしろ、定年という明確なリミットがあるからこそ、急いで慣れておく必要があると言えるのです。
・新たな仕事への挑戦が楽しい人もいれば、現在の延長線上の仕事を続けるのが楽しい人もいます。色々なことを少しずつやるのがいい、という人もいるでしょう。
・「充実した定年後を過ごすには、自分に合った生き方を自分で見つけるしかありません」と、金澤氏は述べます。
・その共通点は、大きく分けて4つあると言います。
・まず1つ目は「社外ネットワーク」があること。会社人間で仕事一筋の人ほど、社外での人づきあいがありません。定年前から様々なコミュニティに参加し、豊かな社外ネットワークを築いていれば、社外の情報がたくさん入ってきます。実際に足を運んで主催者や参加者と交流し、気が合うコミュニティを見つけるのが一番です。気になるテーマの「講座」に通うことだそうです。
・2つ目の共通点は、「傾聴スキル」があること。社外では、問題解決策やアドバイスを提示するのではなく、相手の話を聞き、共感を示すことのほうが大切なことが多いです。話を聞くときには、相手を否定するようなことはもちろん、すぐに解決策やアドバイスを返すのもNG。相手の言ったことと同じことを繰り返して共感を示す。これは、夫婦間にも使えます。
・3つ目は「影響される力」があることです。「される」のです。会社では「影響を与える」ことが大切でした。一方、他人と交わるためには、他人がやっていることに興味を持ち、影響されて自分もやってみる。新たなことに興味を持てないと、どこまでも会社員時代のまま、定年後の新しい道が拓けてきません。多くの人から「影響されよう」と思うことで、興味関心の幅が大きく広がりると、いいます。
・最後の4つ目は「とにかくやってみる」こと。試してみることが大切です。人間が「幸せになるための4つの因子」の一つがこの「やってみよう因子」です。自己実現を目指している人、成長しようと頑張っている人は、幸福感が高いという研究成果があります。退職後にいきなり挑戦を始めると、大きな失敗をすることが多々あります。失敗を避けるためにも、定年を待つことなく、できることから、とにかくやってみる。自分に合わないと思えば、別のやりたいことに挑戦すればいいだけなのですから。
・副業やボランティアの場を、定年後にやりたいことの実験場にするというのがわたしのお勧めです。すると、社会が何を求めているのか、自分に何ができるのか、どういう人たちと一緒にやりたいのか、といったことがわかってきます。
・色々な実験をしながら、小さな失敗を繰り返しつつ、少しずつ軌道修正していく。これが定年後に本当にやりたいことをやる王道なのではないかと、わたしは考えています。
・定年になってから「もっと色々やっておけば良かった」と後悔しないためにも、早くやりたいことを見つけ、その準備のために限られた時間を有効に活用するのが良いと思うのです。