ほそだ宮の森事務所通信10月号「終活」「生前対策」「相続」に関する最新情報を解説します!

いつもお世話になっております。

行政書士ほそだ宮の森事務所 一般社団法人いきいきライフ協会札幌宮の森代表の細田健一です。

「終活」「生前対策」「相続」に関する最新の情報,ニュースについて,法律面ばかりでなく身近な話題を取り上げて解説いたします。

お仕事や家事の合間にお読みください。親御様,ご自身,ご家族,お友達のために「失敗しない終活!」や「失敗しない相続!」を考えていきましょう。

また,皆さまのそれぞれの業務のお役に立つことができましたら,望外の喜びです。


いかがお過しでしょうか! やっと秋らしくなってきましたね。

自宅の周囲の山の樹々が紅葉に色づき始めました。ですが,ちょうどいい気温,天候の日がなかなか続きません。急に冷え込んだり,雷,突然のゲリラ豪雨のような雨!。地球は,わたしたちに一息付かせてもくれませんね。このまま,雪景色を見ることになるのは寂しいですね。

何はともあれ,食べ物,お出かけ,温泉,芸術などなど短そうな秋を満喫してくださいね(^▽^)/

最近,「オヤ活」という話しを聞くようになってきました。子ども世代は,一定の時期,親の終活を親任せにせず,積極的に関わって一緒に考えていきましょう!ということから「オヤ活」です。賛成できる活動です。

ほそだ宮の森事務所通信2023年10月号をお届けいたします。

=2023年10月号目次=

◇気になる話題 虫の目,鳥の目,魚の目 ~新聞,テレビで話題の「家族信託」について解説

◇セーフティーネットの成年後見市町村長申立て

◇「非該当」の方にもOKなサービスや介護予防教室

◇マイナカードは認知症に厳しい!

◇健康生活のヒント  ~「人生会議」について

◇あとがき   

<(^^)/ 新特典のお知らせ>

北海道行政書士会が新たに発行したばかりの「人生の木を描く 終活ガイドブック」「別冊 あなたの大事な人と一緒に作るエンディングノート」(どちらも非売品。ガイドブック(A4カラー,37ページ),エンディングノート(A4カラー,27ページ)先着5名様に無料でお送りします。

  親御様,ご自身・ご家族の終活,相続について,イラストを使って分かりやすく解説しています。他にはない総合的な資料になっています。この機会に是非,お求めください!!

お電話,e-mail,又はホームページの問い合わせからお申込み下さい。郵便番号,住所,お名前を必ずお申し出下さい。

  行政書士ほそだ宮の森事務所

 📞 090-9529-1272

e-mail  hosoken_2022@dj8.so-net.ne.jp

<気になる話題 虫の目,鳥の目,魚の目

新聞,テレビで話題の「家族信託」について解説!

私たちは日々、さまざまな視点で世界を見つめています。

この記事では、虫の目、鳥の目、魚の目という3つの視点を大切に最近の「終活」「生前対策」「相続」に関わりの深いニュースや話題について解説します。

「鳥の目,虫の目,魚の目」とはどのような視点を比喩しているのでしょうか。「虫の目」は、複眼です。つまり「近づいて」さまざまな角度から物事を見るということです。 「鳥の目」とは、高い位置から「俯轍的に全体を見回して」見るということです。「魚の目」とは、潮の流れや干潮満潮という「流れ」を見失うなという意味です。

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今回は,最近,よく話題になる「家族信託」について解説いたします。これは,信頼できるご家族がいらっしゃる場合,とても有効な仕組みですよ! 

是非,親御様にも検討をお勧めしてはいかがでしょうか?

(1)家族信託(民事信託)の誕生

「信託」と聞いて真っ先にイメージするのは,「投資信託」「〇〇△△信託銀行」といったことではないでしょうか。一般的にはこれらのイメージが強いと思います。これらは「商事信託」の商品とプレーヤーです。「商事信託」とは、受託者が、信託報酬を得る目的で「業」として行う信託のことです。具体的に言えば、信託銀行や信託会社といった、信託業法に基づき金融庁に認可を受けた事業者が受託者として行う信託のことを指します。 現在、日本で行われている信託の大半は、この「商事信託」となっています。

しかし,80年以上,商事信託しか認められてこなかった我が国において,平成18(2006)年12月に改正信託法が成立し,世の中のニーズに応える形で大幅な法律の改正が行われました。

法改正により,信託の使い勝手が改善されたため,家族信託(民事信託)が柔軟に活用しやすくなりました。時間を経て,最近,マスコミでも取り上げられることが多くなってきていますね。また,金融機関でも家族信託に対応したサービスを提供するところも増えてきています。

家族信託とは法律で定義された概念ではありません。講学上,実務上の民事信託のなかの一つの概念です。一般社団法人家族信託普及協会の登録商標ですが,「信頼できる家族に財産の管理処分を任せる信託」という趣旨で使用する限り、用語の使用の制限をすることはないとのことです。

(2)認知症患者数の増加

9/18「敬老の日」にちなみ,総務省が公表した人口推計によると,65歳以上の高齢者人口は3,623万人と総人口の29.1%を占め,世界トップ。80歳以上の割合が10.1%と初めて10%超え!単身で暮らす人も多く,生活サポートの充実が課題です。

家族信託への関心が高まってきている背景の一つに,認知症患者数の増加があります。内閣府の「平成29年版高齢社会白書」において,65歳以上の認知症高齢者数と有病率の将来推計についてみると、2012年は認知症高齢者数が462万人と、65歳以上の高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)でしたが、2025年には約5人に1人になるとの推計が出されています。

認知症が何故,法的な問題になるかというと,認知症になって判断能力を喪失した後は,自己の財産であっても自由に処分等をすることができなくなるからです。次にそのリスクをみていきましょう。

(3)認知症による資産凍結!

ではなぜ、認知症などにより意思能力が低下・喪失すると、資産が凍結するのでしょうか。

認知症になると、もの忘れが増えたり、物事を正しく判断できなくなったりします。その状態で、本人が自由に預金口座からの引き出しや振込・不動産の売買などができてしまうと、不利な契約を結ばされたり、悪徳業者に狙われて振り込め詐欺に巻き込まれるなどの可能性があります。

そのため、認知症により意思能力が低下または喪失すると、本人のために銀行が取引を制限し、預金の引き出しや窓口手続きができなくなるのです。

また、意思能力がなければ契約は無効となることが民法で定められている(民法3条の2)ため、不動産売買や贈与などの契約行為もできません。

<ポイント>

親が重度の認知症になると資産凍結に陥り、財産が動かせなくなります!!

具体的には…
• 預金口座からお金を引き出せなくなる
• 所有する不動産の売却や処分ができなくなる
• 生前贈与などの相続対策ができなくなる

認知症等によって判断能力を失った場合,今までは「成年後見制度」を利用し,財産管理や身上監護をするというのが選択肢の中心でした。成年後見制度を利用できるのは判断能力が減退してからであって,元気なうちから利用することはできません。

しかし,「元気なうちに財産管理について将来に備えておきたい!」という希望やニーズは多くあります。また,寿命が延びれば,資産凍結される期間(相続までの存命期間)が大幅に長期化することでそのような希望を持つ人は増えています。

対策として考えられる代表的な手段は「遺言」ですが,遺言の効力は自らの相続が発生(死亡)してからの仕組みであるため,いわゆる生前対策には活用できないのです。

そこで、認知症になる前に(成年後見制度を使わなくて済むように)、資産凍結をあらかじめ防ぐ「家族信託」に注目が集まっています。

(4)家族信託の仕組み

家族信託は、委託者(親)が所有する財産を受託者(子)へ託し、受託者(子)は受益者(親)のために、託された財産の管理・運用を行うという仕組みです。これを「信託契約書」にまとめ,公正証書で作成しておきます。

一般的な家族信託に登場する人物はおよそ以下の通りです。

  • 委託者:財産の所有者で信託する人(親)
  • 受託者:財産の管理運用処分を任される人(子)
  • 受益者:財産権を持ち、財産から利益を受ける人(親)

例えば、委託者(親)の金銭の管理を受託者(子)に託す場合、受託者(子)が委託者(親)の代わりに生活費・医療費・介護費などの金銭を預金口座から引き出し、受益者(親)のために支払いなどを行います。

また、賃貸アパートなどの収益不動産を信託する場合は、委託者(親)が所有していた収益不動産の管理・運用は受託者(子)が行い、入居者からの賃料収入など、信託財産から発生する利益は受益者(親)が受け取る形となります。

親が所有する不動産を売却する場合でも、売却に関する手続きは受託者(子)が行い、売却により得たお金は信託財産から発生した利益として受益者(親)が受け取ることが可能です。

このように、財産から発生する利益を受ける権利と、実際に管理・運用する権利を分けられることは、家族信託の大きなポイントです。

委託者(親)は認知症になったとしても、資産凍結を防ぐことができ、かつ受託者(子)に信託した信託財産から利益を受け続けることが可能です。

(5)家族信託の手続き-7つのステップ

実際に家族信託を行うには,主に次の7つのステップに沿って手続きを進めていきます。

Step1 関係者調査,信託財産調査,金融機関調査,スキーム図作成など事前準備

Step2 家族会議でお話しあい(専門家も加えると話がスムーズにいきます!)

Step3 「信託契約書」の作成,締結

Step4 公正証書作成

Step5 信託口座開設(契約の前段階で金融機関に確認することを忘れずに!)

Step6 不動産の所有権移転および信託登記

Step7 信託財産の管理・運用開始(継続的な専門家のフォローが重要!)

専門家でないと,かなり難しい手続きになりますね。当事務所では,他の関係する仕業と連携し全面的にサポートできますので,お気軽にお問い合わせください。費用についても,リーズナブルな価格でのご相談に応じています。

家族信託は認知症対策のほかにも,「遺言に代わる信託」「「親亡き後問題への対策」「事業承継対策」「共有不動産対策」など活用範囲は広く,どのような対策が必要か当事務所にお気軽にご相談ください。

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<法定後見制度を知ろう!>

~セーフティーネットとしての市町村長申立て~

法定後見制度に「市町村長申立て」という仕組みがあるのをご存じですか? 市町村申立ての「ここだけは知っておきたい!」点を解説します。

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成年後見制度における「法定後見制度」は,判断能力が低下してしまった方が利用できるものです。利用を開始するためには家庭裁判所への申し立てが必要になります。この申立てができる人は法律で決まっています。本人,配偶者,4親等内の親族,任意後見人,任意後見受任者・検察官等が申立人になることができます。通常,既に判断能力が低下した本人が申立てをすることは考え難いですので,ご家族や親族が申し立てるケースが多くなります。

しかし,身寄りがない場合や,周囲にいる家族も認知症や知的障害者などの場合,当事者や家族による申立てが期待できない状況にある人について問題になります。

そこで,「65歳以上の者」(老人福祉法),「知的障害者」(知的障害者福祉法),「精神障害者」(精神障害者福祉法)について,「その福祉を図るため特に必要があると認めるとき」は,市町村長によって審判請求ができるとされています。これがセーフティーネットといえる理由です。

少子高齢化や核家族化,生涯未婚率の上昇などから,単身世帯や身寄りのない方が増えていくことが予想されています。成年後見制度の利用のためには当事者に近い者からの申立てが原則ですが,その事案には身寄りのないケースが多く,市町村長申立ての必要性は高まっていくと思われます。令和4年度の市町村長申立ては9229件で成年後見関係事件の実に23.3%を占めており,既に重要な役割を担っているということが言えますね。

<「非該当」の方にもOKなサービスや介護予防教室>

友人や知り合いに,「介護認定の申請したよ!」「二次審査の結果がでたわ!」「要支援で済んで喜んでいます」といったお話をよく聞きます。

ここでは「非該当」(自立した生活ができるので支援も介護も対象外)と判定された場合,どうすればいいのかをみていきます!

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介護保険サービスを利用しようとして,介護認定を申請しても,日常生活に手助けの必要がない「非該当」と判定される場合がありますね。この場合でも,要支援者向けの訪問や通所のサービスを利用できる可能性があります。一定の項目に該当すると判定されると,利用可能になる仕組みです。各自治体の高齢者福祉課等に確認してみてください。

また,市町村の介護予防教室は,基本的に65歳以上ならどなたでも参加できます。身体機能や認知機能が下がるのを防ぐ運動やレクリエーション,噛んだり飲んだりする口の機能を維持し高める体操,終活や相続の講義など市町村によってさまざまです。

札幌市で介護保険以外に行っている高齢者支援で「非該当」の方も利用可能なものは以下の事業です。さまざまな条件がありますので,「うちの親は大丈夫かな?」「わたしはどれが利用できるかな?」とお思いの方は,札幌市保健福祉局介護保険課にお問合せください。

 ・配食サービス

 ・生活支援型ショートステイ

 ・高齢者あんしんコール事業