ほそだ宮の森事務所通信 「前向き終活!」「失敗しない相続!」をサポート 終活と相続に関する最新情報をレポートします!

🍁ごあいさつ
いつもお世話になっております。行政書士ほそだ宮の森事務所(一般社団法人いきいきライフ協会札幌宮の森)代表の細田健一です。
季節の変わり目、皆様いかがお過ごしでしょうか。 当事務所通信では、終活と相続にまつわる「今知っておきたい」最新情報を、法令解説や身近な話題を交えながらわかりやすくレポートします。お仕事や家事の合間にぜひお読みください。
おひとり身,お一人暮らしの方、ご夫婦あるいは親子でお暮しの方も、「前向き終活!」「失敗しない相続!」を考えるきっかけにしていただければ幸いです。
また、高齢者福祉、障害者福祉、医療・看護、葬祭業、高齢者施設、不動産関係など、各分野の専門家の皆様の業務のお役に立てる情報もお届けします。
<今号の目次>
1 【☆彡注目トピック】 広報さっぽろ11月号やSTVテレビでも周知!札幌市主催「安心終活サロン」に参画決定!
2 【事例で学ぶ】 認知症による財産管理の困難さと無効な「遺言」のトラブル
3 【1分でわかる】知っておきたい「遺言」の基礎知識
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1 【☆彡注目トピック】 広報さっぽろ11月号やSTVテレビでも周知!札幌市主催の「安心終活サロン」に参画決定!
☆このたび当事務所は,札幌市主催の終活関連の事業に仲間たちと応募しました。先ごろ、見事、採択され,情報が解禁となりましたので,一足早く皆さまにご紹介いたします!
☆業務のご縁でお付き合いのある,札幌テレビ放送(STV)さん,ダイヤ書房さん,家財整理PLOWさん,北海道シニアサポートぽぷらさん等とプロジェクトチームで挑んだ事業は,札幌市が主催する「みんなで考えよう 安心終活サロン」全5回の企画運営と,同じく札幌市が発行する「札幌市 終活ガイドブック」の協力・監修です。
☆今回は,特に市民の皆さまがご参加いただける「安心終活サロン」についてお伝えいたします。
☆札幌市民の誰もが気になっている「終活」について,弁護士・行政書士や片付けのプロによる楽しいセミナーと,参加者同士が気軽に意見交換する交流サロンを年末から2月にかけて全5回開催します。
・対象:札幌市民であること
・時間:各回14:00-16:00
(前半:終活セミナー 後半:終活サロン)
・定員:各回40名【先着予約制】
<開催日程>
第1回:12/23(火),第2回:1/17(土),
第3回1/23(金) 細田が「高齢者の財産管理」で登壇決定!
第4回:1/29(木),第5回:2/8(日)
ご家族とでも,お一人でも,札幌市主催の「安心終活サロン」に是非ご参加下さい!
詳細・お申込み方法は「広報さっぽろ11月号」やSTVテレビ等の各媒体で告知・掲載される予定です。
どうぞ,お楽しみに(^^)/


2 【事例で学ぶ】 認知症による財産管理の困難さと無効な「遺言」のトラブル
今回のケースは,認知症の親にまつわる財産管理のトラブルと,遺言の有効性が問われた事例です。
<1.家族構成と資産状況>
①母・Mさん87歳。一人暮らし。
②数年前から認知症の症状が出始めたが,生活に大きな支障はないため,長男家族の生活支援によって一人暮らしを継続。
③子どもは2人(長男N,長女O)。夫はすでに他界。
④主な財産:自宅不動産2000万円,預貯金5000万円
<2.トラブルの内容>
①長男Nさんは母Mさんから,日ごろの財産管理を任されていました。
②長女Oさんは予てから,兄Nが母親の預貯金を私的に流用しているのではないかと疑念を持っていました。
③Mさんが他界後,「全ての財産を長男Nに相続させる」という遺言書が見つかりました。
④長女Oさんは「遺言書作成時,母Mは重度の認知症で有効な遺言を書ける状態ではなかったはず!」と主張し,遺言の無効を訴えました。
⑤兄妹間のトラブルに発展しました。長男Nの財産管理の不透明さも,長女Oの疑念を強める要因となりました。
<3.トラブルを回避するための生前対策>
このような家族間の争いを防ぐためには,親御さんの判断能力のあるうちに,以下のような対策を講じておくのが非常に重要です。
①任意後見契約の締結
母Mさんに判断能力があるうちに,将来に備え,財産管理を任せる人=任意後見人(子ども達や行政書士等の専門家)と任意後見契約を締結しておきます。裁判所の監督の下,財産管理及び身上監護が実施されるため,流用防止に一定の歯止めが掛かり安心です。
②家族信託契約の締結
自宅不動産や現金の管理・運用について,家族(長男Nや長女Oなど)にしてもらうよう,専門家に依頼して信託契約を作成し,権限と責任を明らかにしておきます。公正証書で作成することで,のちのちのトラブルを防げます。
③遺言能力の確保と証拠の保存
遺言は「公正証書遺言」で作成するのが最もお勧めです。公証人が遺言者との面談を通じて意思能力を確認し,保管も確実です。
④成年後見制度の利用:すでに判断能力が低下している場合は,家庭裁判所に申し立てて後見人を付けてもらいます。
◆家族間での情報共有が何より大切です!
認知症になるかどうかにかかわらず,誰に財産を管理してもらうかを家族間で協議し,合意形成することが重要です。管理を引き受けたお子さんは,定期的に通帳や出納帳を他の家族に公開し,オープンに共有するのが,家族間の争いを防ぐために最も効果的な方法です。
3 【1分でわかる】知っておきたい 「遺言」の基礎知識
「遺言」について,特に重要なポイントを1分で学びましょう。
①遺言の法的効果:遺言には法的効果がありますが,エンディングノートにはありません。
②作成の要件:満15歳以上であれば作成可能ですが,判断能力が必要です(認知症の方は困難)。
③遺言の効力:遺言は法定相続に優先します!(よって,遺言がない場合の法定相続分を知っておくことも重要です)
④主な方式(お勧めは公正証書遺言)
・自筆証書遺言:全文・日付・氏名を手書き,押印。
・公正証書遺言(お勧め):公証役場で公証人が作成。証人2人以上の立会い。保管も確実で家庭裁判所の検認が不要。
⑤自筆証書遺言の注意点
・保管が難しい(死後,発見されないリスク) ※R2.7月からスタート:自筆証書遺言書を法務局が保管する制度がある。1通3900円。家庭裁判所での検認が不要
・保管者・発見者は家庭裁判所への検認の請求が必須(怠ると5万円の過料)
⑥作成前の準備:どのような財産があるか(財産目録),相続人・受遺者は誰か(家系図や住所一覧)など,を事前に資料を整理してから書き始めましょう。
⑦遺言書のトラブル例
・夫婦が共同でした遺言➪無効
・遺言書が複数でてきた➪後の遺言が有効
・日付がない➪無効
・遺言でもらう予定の遺産がない➪撤回されたものと見なされる

<あとがき>
暑い夏がようやく終わり,札幌の朝晩はめっきり冷え込むようになりました。
朝刊を見ると,「やっぱり暑かった」とあり,今年,道内の「真夏日」は史上最多の72日だったそうです。どうりで「暑い!」と思った日が多かったわけです。
一方,その右の記事には対比するように,「めっきり冷えてきた」と。
10月9日,北海道の最高峰の旭岳で初冠雪を観測しました。
今朝も上川地方では,軒並みマイナス気温だったようです。
ストーブが恋しい季節ですね。
さらに,インフルエンザが例年よりも早く流行期に入っているようです。油断できません。
皆さまも,健康管理には苦心されていることと思いますが,一層ご自愛くださいませ。
さて,今号から,「ほそだ宮の森事務所通信」は季刊発行(年4回)となります。
毎月発行は,人手不足(私ひとりですが(笑))で厳しい状態になってきました。読者の皆さまにはご迷惑をおかけしますが,どうか,ご理解いただけますと幸いです。
では,今号はこれにて失礼します。
次回は12月 年末年始号として発行の予定です。
次回も安心して未来を迎えるためのヒントをお届けします。
\(^o^)/