ほそだ宮の森事務所通信  2024年末年始拡大号 終活と相続に関する最新情報をレポートします!

いつもお世話になっております。

行政書士ほそだ宮の森事務所((一社)いきいきライフ協会札幌宮の森) 代表の細田健一です。

終活と相続に関する最新の情報について,法律の解説や身近な話題などを取り上げてレポートいたします。お仕事や家事の合間にお読みください。

ご夫婦で,シングルの方はご友人と,親世代がいらっしゃる方はご一緒に,「前向き終活!」「失敗しない相続!」を考えていきましょう。

また,高齢者福祉,障害者福祉,医療看護,行政,葬祭業,施設関係等各分野の業務のお役に立つことができましたら望外の喜びです。

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<今号のもくじ>

1 お正月は「終活」を家族で考えるチャンスですよー

2 終活の窓 ご親族様とチームプレイで支える新しい終活~見守り+任意後見+家族信託+遺言+遺言執行

3 活動報告 東京で開催された「身元保証サミット2024」に登壇,賞もいただきました

<お知らせ> 年末年始休業日 令和6年12月27日(金)~令和7年1月5日(月) 

(緊急の場合は対応しますので,直接お電話でお申し出ください。)

1 お正月は「終活」を家族で考えるチャンスですよー

今年も、残すところわずかになってきました。

実家に住む親と離れて暮らしていれば、直接顔を合わせる機会は限られます。

正月の帰省は、歳を取った親と子がフェイス・ツー・フェイスで話ができる、貴重な時間です。

その際、ぜひ話しておきたいのが、終活と相続のこと。

親と子どもの間で事前の話し合いが行われていた相続は、争いにはなりにくいと言われています。逆に言えば、家族で何も話し合われておらず、突然相続になると、揉め事が起こりやすいのです。

子どもは、親がどんな財産を持っているのか、正確に知らないのが普通です。相続財産が現金だけならまだしも、不動産などが含まれていたら、「これは僕がもらう」「いや、私が」という話になりやすいことは、容易に想像がつきます。

遺言書を残す場合にも、その概要は、親が元気なうちに子どもたちに話しておくのがベター。遺言書がない場合には、なおさらです。

どんなときに話し合えばよいのか。考えたいのが、「みんなが集まる機会」を利用することです。令和と時代が改まった最初のお正月を、家族が相続について真剣に考える時間にしてはいかがでしょう。

次に、具体的にどんなことを話し合えばいいのでしょうか? まず大事なのは、親がその資産を「公開」することです。「あそこに土地を持っている」「株がこれだけある」といったことは、できるだけ正確に子どもに伝えておくことが必要です。そのうえで、親の考える遺産の分け方について、これもできるだけはっきりと、その理由も含めて話します。「自宅は、同居する長男に譲るので、先祖代々の墓守なども含めて頼む」「その代わり、預貯金は弟、妹で分けてほしい」といった具合。

子どもも、この場で、率直に自分の気持ちを話しておきます。相続前ならば、多少の「議論」になっても、余裕を持って着地点を探すことができるはず。子どもの意見を聞いて、親が分割の方法を修正することも可能なのです。

ただ、現実には、「それができたら、苦労はしないのだけど」という人も多いと思います。特に子どもの側には、「親が生きているうちに、相続の話はしにくい」「そんな話を持ち出したら、財産目当てだと思われるのではないか」という意識が強く働いています。

ですから、話し合いは親の側から切り出すのが、スムーズに進めるコツ。「生前に遺産相続の話など、縁起でもない」「子どもたちに好きなように分けてもらって構わない」という姿勢でいたばかりに、親の死後に、遺産をめぐって子どもたちが骨肉の争いを展開する。そんなことにならないように、この際、一歩を踏み出してみては?

もちろん、子どもの側から「相続の話をしよう」と切り出すのはNGだ、というのではありません。その場合には、他の兄弟とも連携しチームプレイで、「私たちは家の財産のことを心配している。まずはお父さんの考えを聞かせてほしい」というスタンスで話を始めるのが、いいのではないでしょうか。

具体的な中身については、「お盆までの宿題」というかたちにするのも、1つの方法だと思います。

相続を円満に終わらせるうえで、親が元気なうちに、子どもとの話し合いを持つことは、決定的に重要です。

今度の正月休みでみんなが集まるのをチャンスと捉えて、将来について語り合ってみてはいかがでしょうか。

家族での話し合いのことについて詳しくお聞きになりたい方,また,話し合いの結果を相談したい方は,お気軽に当事務所にご連絡ください。安心の初回相談無料,出張対応で応じております。

2 終活の窓  ご親族様とチームプレイで支える新しい終活~見守り+任意後見+家族信託+遺言+遺言執行

最近の「終活」の事例をご紹介します。(実際のものに加工を加えています。お名前は仮名です。)

〇ご依頼者:伊藤智子(仮名)。80代女性。飲食店経営。おひとり様。

 〇相談内容:最近,体調が思わしくなく,直ぐ上の姉に「終活」を進めるように説得された。その時期がきたか,と納得。昨年,細田さんの講座を受け,その時がきたら依頼しようと心に決めていた。主人は8年前に他界し,子どもはいない。兄弟姉妹は8人いるが,市内に住む姉ひとり(鈴木光子(仮名))を残して他は亡くなった。姉とその子ども2人が世話してくれている。飲食店をやっているが,引退して従業員に引き継ぎたい。安心して老後の生活を送るため良いアドバイスをお願いいたします。

〇財産内容:自宅土地建物(1階が飲食店で専有部分),預貯金 財産合計 約4千万円

⑴この方のケースでは,はじめに不動産会社を介し,1階の飲食店の経営権譲渡及びテナント契約を従業員との間で行いました。家賃収入が定期的に入るため,自営業を止めた後の生活費の安定化を図る狙いです。

⑵次に,親族会議(伊藤様に鈴木様ご家族3名の計4名)で重要事項を決めていくルールを設定しました。伊藤様の意思決定を親族皆さんで支え,伊藤様が独断で決めない方法を取りました。

⑶続いて推定相続人調査,その後,不動産及び預貯金,その他流動資産の財産調査をおこない事前調査が終了。相続関係図を作成したら,第三順位の法定相続人が姉1名,代襲相続人 甥っ子姪っ子が9名いらっしゃる事がわかりました。

⑷並行して,ご本人および親族の希望を確認していきました。①認知症になっても生活していけるように財産管理,身上監護をやってほしい,②将来は施設に入りたい,③自宅及びテナントを確実に管理してほしい,④遺産は甥っ子姪っ子に分けたい,というものでした。

⑸これを受け,打合せを重ねて,ご親族の支援を受けながら専門家である行政書士とチームを組んで,伊藤様の生前の生活及び亡くなった後の手続きをサポートする総合的な対策を目指すことにしました。その内容が下図▼です。

⑹日常生活は認知症になっても安心なように,行政書士を受任者とする事務委任契約(実質的には見守りサポート)及び任意後見契約で支えます。認知症が重度になった際には,任意後見契約に移行します。ご自宅と葬儀費用等金銭は,姪っ子さんを当初受託者(報酬有り)とする家族信託契約を結び,管理・処分を託します。伊藤様はこれまで通り住み続けることができます。伊藤様が施設に入所した際には受託者が売却できます。さらに,最終的に残った遺産は5人の甥っ子姪っ子に渡す遺言を作成し,葬儀は鈴木家の姪っ子甥っ子に主宰してもらいます。遺言執行者には行政書士が就き,遺言内容が適切に実行されることを担保しました。これら3つの文書は全て公正証書で作成します。

<まとめ>

一人暮らしをされている方で,身近にご親戚がいる場合には,単にその親戚だけに頼るのも気が引けるものです。このように,専門家とご親族様がチームを組むことによって,残された方々に負担や迷惑をかけないようにしておくことができます。

思い当たる方,話を聞いてみたい方は,当事務所にお気軽にご相談下さい。

3 活動報告 東京で開催された「身元保証サミット2024」に登壇,賞もいただきました

☆11月29日(金)、東京神田のカンファレンスセンターにおきまして,所属する一般社団法人身元保証相談士協会(会員は全国に120名程度)主催の「身元保証サミット2024 ~情報交換会&交流会~」が開催されました。

入会2年目になる今年,全国から好事例の紹介メンバー5人の1人に選抜され,招待を受けました。当日は,代表とのインタビューがあり,諸先輩を差し置きトリの大役を任され,無事に役目を果たすことができました。

また,当日のサプライズで表彰式があり,なんと,わたしも受賞の栄誉に浴することになりました。賞のタイトルは「セミナー・勉強会開催 情報発信部門優秀賞」で,賞状と副賞を授かりました。(この歳で賞状を受けとるのは,少し照れます(笑))

これもひとえに,ご依頼いただいたお客様(すでにご他界された方もいらっしゃいます)が導いて下さったものと感謝しております。来年は,終活・相続で困難を抱えている方の身近な存在になれるよう,今年以上に精進してまいります。ありがとうございました!(*^^)v

あとがき>

今年一年は,いかがだったでしょうか?

わたしは,今年一年,新春に北海道神宮で引いたおみくじの一節を胸に仕舞いながら過しました。

何と書いてあったかというと,

「周囲の人への思いやりを忘れずにいれば,…やがて大きな実りになって返ってくるでしょう。

ただし,図に乗り過ぎるとろくな結果にならないので気を付けよ。」

図に乗って,これまでの人生で数々の失敗を引き起こしてきたわたくし(苦笑)。

「言わなくてもいいひと言」「余計な行動」「敵を作ることば」。

あの頃は正に「図に乗っていたぞお前!」と悔いるところがあります。

おみくじの一節の甲斐もあり,今年は気持ちの警戒アラームが作動し,大きな失敗をすることなしに一年を締めくくることができそうです。

やはり,自戒の言葉を密やかに胸に抱くのは一人の大人として大切ですね。来年も継続していきます。

さて,来年は「巳年」(へび年)です。巳年の特徴は,いろいろありますね。

 ・脱皮する蛇のイメージから「復活と再生」の象徴

 ・「巳」を「実」にかけて「実を結ぶ」年とも

 ・白蛇は金運をつかさどる弁財天の化身で金運アップのご利益がある

蛇は嫌われ者というイメージがありますが,このようにみていくと見た目と違い大きなパワーを秘めている生き物のようです。金運アップのパワーまで持っています。

ただし,わたしのようなタイプは,やらなくてもいいことをして,「やぶへびだった!」とはならないように注意したいものですね(笑)

読者の皆さまには一年間,大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

良いお年をお迎えください。

迎春

\(^o^)/