突然やってくる親の介護にどのように備えますか?

1.突然やってくる親の介護

自分の介護は遠い未来の話しですし、親の元気な姿を見たり、話しをしたりしていると、まだまだ先のように感じます。

しかし、定年を迎える時期ともなれば、親は80代や90代になっています。日本人の平均寿命は延び続けていますが、時間とともに身体は衰えていきます。

また、わたしの身の回りの話しを含め、介護が必要になるときは突然やってくるというのも珍しくありません。

そのときになって、右往左往して大慌てにならないように、心得と備えをしっかりしておきたいですね。

誰でも自分の親には元気でいてほしいと思うものですが、高齢となれば、いつ認知症が始まったり、転倒して骨折したりしてもおかしくありません。

政府は「高齢社会白書」などで、介護が必要になった原因を発表しています。

ベースとなるのは厚生労働省が毎年行っている「国民生活基礎調査」のうち、3年に一度行われる大規模調査です。 

最近の調査(2016年)では、 1位:認知症(24.8%)、2位:脳血管疾患(18.4%)、3位:高齢による衰弱(12.1%) 、4位:骨折・転倒(10.8%)、5位:関節疾患(7.0%)、6位:心疾患(3.8%)でした。

なかでも、脳血管疾患と骨折・転倒は、介護が突然始まることが多いといえますね。

2.介護とは?

介護とは「高齢者や介護が必要な方の身の回りをお世話したり自立を支援したりすること」です。

日常生活を送ることが困難な人に対して生活全般を支援し、自立を目指すことです。身体介助だけでなく精神面の援助も含みます。

介助と介護の違い。介助とは、「対象者のそばで動作を手助けすること」です。日常生活のサポートそのものを指します。介護のなかに、日常生活の介助が含まれると考えると分かりやすいです。

看護と介護の違い。看護は、健康状態に回復するまでの支援をすることで、介護との大きな違いは医療行為に対応できる点にあります。

高齢の親の面倒をみることになった場合、まずは「介護認定」を受けて介護保険制度を利用することになります。

そのためにも、介護サービスの種類や内容、予算など高齢者に対する介護の仕組みを知っておくことが大切になります。この点は、追い追い詳しくみていきますね。

3.介護費用はどのくらいかかるのか?

一番はじめに知りたいことは何と言っても、要介護になった場合にいくら介護費用が必要か?ですね。

公的介護保険がありますから、原則1割負担で介護サービスを受けられますので有り難い話しです。自己負担分はそれほど多くはなりません。

しかし、公的介護保険だけでは賄いきれない部分もあります。

公的介護保険の上限を超えた分や対象外のサービスは自己負担になります。

損保ジャパン日本興亜の「介護費用に関するアンケート調査」(2019年)では、介護費用総額平均は787万円です。

在宅で面倒をみるのか、それとも施設に預けてしまうのかによって大きく異なる結果となっていることに注意が必要です。

〇介護期間と介護費用
・介護期間平均は約3年7ヶ月(43.1ヶ月間)
・介護開始時に掛かった初期費用平均は98.1万円
・介護開始以降の月額介護費用平均は12.7万円
・介護費用総額平均は787万円
〇介護方法別介護費用
・「入居型施設利用」と回答した方の平均は1,164万円
・「同居介護(在宅)」は平均655万円
・「別居介護(在宅)」は平均415万円


民間の介護保険もありますが、介護費用は保険より預貯金で備える方が合理的です。実際に、必要になるかどうか微妙な確率ですし、預貯金であれば他のイベントにも活用が可能です。

4.まとめ

「親の介護」初回は、高齢者である親の介護は突然始まることが多いこと。したがって、慌てないように備えていくことが大事。

介護保険制度を利用するので、仕組みを知っておくことが大切。これは追い追い取り上げていきます。

介護保険の自己負担分を含む介護費用総額は平均で800万円くらいだが、入居型施設利用では300~400万円くらい高額になります。