定年後をどう暮らしていけばよいのか?心の問題に答える1冊!-『リタイアの心理学 定年の後をしあわせに生きる』ケネス・S・シュルツ(監修)

・定年後の生き方を考えるにあたり、参考となった書籍をご紹介しています。

・今回は、アメリカで出版され日本語に翻訳された2017年1月出版の一冊。『リタイアの心理学 定年の後をしあわせに生きる』(ケネス・S・シュルツ(監修)、ナショナルジオグラフィック)です。

・定年後のお金や仕事に関するテーマで書かれた本はたくさんありますが、正面から心の問題を取り上げた本は当時、珍しかったです。

・素敵なイラストや図も豊富で、飽きさせない良書です。

・引き続き、お読みいただければ嬉しいです。

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【目次】
はじめに
第1章 仕事と人生 
引退という節目
第2章 引退に向けた計画
円熟と備えのとき
第3章 克服すべき課題
新しい夜明けに向かって
第4章 直面する悩み
引退直後の数年が勝負
第5章 健やかに生きる
自分自身と周囲に気を配る
第6章 新しい自分
アイデンティティを見直す

目次

  1. 1.本書との出会い
  2. 2.本の概要
  3. 3.監修者のプロフィール
  4. 4.本書から得られたもの

1.本書との出会い

・定年後の暮らしを考えるとき、「お金」「健康」「仕事」など一つずつを切り出すのではなく、心理的な不安全般に関するヒントがないか本を探していた時に、書店で本書に出会いました。

・リタイアの心理学という響きも「ピン!」とくるものがありました。

・海外の本ですが、とても共感できて、読みやすかったのを覚えています。

2.本の概要

・誰にとっても「リタイア」は人生の大きな転機。新たなスタートである。半面、どうなるかわからず不安でもあります。

・心理学の研究をもとに、「リタイア」を迎える時期に感じる様々な疑問に答えています。

・現役引退の流れを段階的に区切って解説。イラストや図、データをふんだんに盛り込んでわかりやすく解説しています。

・引退の日が視野に入ってきたとき、仕事の意義や自分の価値観、家族・友人とのコミュニケーションなどを見直し、積極的な気持ちで第二の人生を始めましょう。

・引退の形と引退後の生活を具体的に計画しましょう。

・いざ引退生活が始まったら、一年もしないうちに飽きてしまう。

・引退後のストレスを減らし心の安定を取り戻す必要があります。

・引退後はパートナーとの絆も深まっていく。いずれ老化により介護の世話になったり、世話をすることも想定されます。

・引退生活が安定してくると、自己アイデンティティの見直しが課題になります。自分にとって意義のある活動とは、一生涯続く学習か、ボランティアか、次世代の育成なのか。

・自分の価値観を優先して模索していくことが大切だと説きます。

3.監修者のプロフィール

・ケネス・S・シュルツ。カリフォルニア州立大学サンバナデイーノ校(CSUSB)心理学科教授。
・加齢心理学と職場心理学が専門。学部および大学院で、従業員高齢化問題の講座や産業・組織心理学の講座を担当。
・また同校のエイジング・センターえ暫定センター長を務め、高齢者の抱える問題に取り組み、健やかな老後のための活動を展開している
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです。)


4.本書から得られたもの

・本書からは次のことが得られました。

・欧米では誰もが早くリタイアすることを望んでいると思いきや、リタイア前後の悩みは洋の東西を問わず共通です。
・リタイアを後ろ向きにとらえず、前向きに積極的な気持ちでセカンドライフに向かうのが大切。
・定年退職を意識してから、実際の定年を迎え、定年直後、そして安定期と、時系列でリタイア全体の心理状態が書かれていて参考になりました。
・仕事の面では、定年による退職のほかに、早期退職や、退職延期、段階的退職といった選択肢が選べることもある。定年後に起業したり、コンサルティングを始める可能性も開かれている。自分自身で閉じないこと!
・引退後には精神的な落ち込みが待っている。落ち込み度合いを抑えるため、しっかりと事前の準備をする。
・定年後の有り余る時間、家族との繋がり、新たなアイデンティティなどあまり語られてこなかった心理的な営みへのヒントがあります。
・引退後の生活を左右するのが心身の健康。日頃から運動するなり、親子や友人との付き合いを保つなりして、心身の健康を保つことも大切。

・50代以上の世代なら、何かの発見があり、よりよく生きるヒントが見つかると思います。

・興味のある方は、是非、ご一読ください。