定年後の3大不安とは?それらを払拭する方法は?-『定年後不安 人生100年時代の生き方』大杉潤著(角川新書)
・今回は、年齢がわたしの2歳上で、実際に57歳で会社員を退職した経験をお持ちの著者が伝える「人生の設計図」の作り方を記した1冊です。2018年に刊行されています。
・タイトルには「不安」と書いていますが、不安を煽る類の本ではなく、「不安」をなくす若しくは減らすための指南書です。
・この本に出会った当時、わたしは再就職先にいて、退職時期をいつにするか、退職後何をして生計を立てるかなど、具体的に定年後を見据えて考えを詰めていた時期でした。
・引き続き、お読みいただければ嬉しいです。
定年後不安 人生100年時代の生き方 (角川新書)www.amazon.co.jp
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【目次】
はじめに
~人生100年時代で深刻化する「定年後の3大不安」~
第1章 人生100年を展望した「キャリアプラン」とは?
~三毛作の人生を目指すトリプル・キャリア
第2章 100年時代の「時間術」
~人生を俯瞰して「人生設計図」を作る
第3章 100年時代の「コミュニケーション術」
~「孤独」とは無縁の仲間づくりの秘訣
第4章 100年時代の「情報リテラシー」
~インプットとアウトプットのバランスが大切
第5章 100年時代の「健康法」
~情報過剰の時代にいかに正確な情報を取るか
おわりに
~不安なき「生涯現役」という生き方
目次
- 1.本の概要
- 2.著者のプロフィール
- 3.本書から得られたもの
1.本の概要
・人口統計や平均寿命の数字を詳しく扱ったり、他の定年関連書籍には度々登場する、危機感を煽ったりす記述はあまり出てこない。
・定年後の3大不安とは、「カネ」「孤独」「健康」!
・「人生100年時代」を視野に入れると、60歳で定年した残りの人生は40年、定年後の自由時間は16万時間にもなる。
・とても「余生」という感覚で過ごせる長さではない。
・年金以外のフロー収入がないままで乗り切れる期間ではない。
・著者が定年前に起業してフリーで仕事をすることにした理由は、定年後の長い人生に危機感を抱いたから。
・会社員のまま過ごしていれば安定は得られますが、「定年再雇用」を選択しても65歳までしか会社で働くことはできません。その先の人生の方が長く、65歳以降も仕事を継続して収入を維持していきたいと考えたのです。
・長い「人生の下り坂」をいかに進んでいけばよいか。「下り坂のノウハウは、学校でも教えてくれなかった。そして上るよりは、下りの方がノウハウもスキルもいる」。
・定年後の3大不安を解決する最善の方法は、「85歳まで現役で働くこと」というのが、著者が出した結論!
・現役で働くと、長い老後であっても「カネ」の不安が減っていきます。
・仕事を続ければ、社会との繋がりができて「孤独」の不安も感じない。
・働くことによって、毎日規則正しい生活を送ることができ、心身の健康にもプラス。
・大きな技術革新の真っ只中にある21世紀においては、正確なテクノロジー進化の情報を学ぶことが大切。
・「働き続けること」と「学び続けること」が、いかなる社会の変化にも対応できる「不安」のない生き方になる。
2.著者のプロフィール
・大杉潤。1958年生まれ。
・早稲田大学政治経済学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)入社。新銀行東京の立ち上げなどを担当。人材関連会社およびメーカーの人事責任者を経たのち、2015年に独立。
・ベンチャー企業や定年前起業をおこなう個人に対するコンサルティング業務、研修講師、講演活動などを中心に活動。株式会社HRインスティテュート・アライアンスパートナー。
・ビジネス書年間300冊の多読生活を30年以上にわたって継続、2013年からは毎月1冊の書評をブログに掲載している。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです。)
3.本書から得られたもの
・本書からは次のことが得られました。
・経験者、且つ成功者の視点で語られており、具体的な定年後の姿を考えるポイントが分かりました。
・元会社員の著者に、少し頑張れば自分にも手が届きそうな親近感が湧き、やれそうな気にさせてくれます。
・「長く働くこと」を軸に考えを進めていくと、定年後の3大不安である「カネ」「孤独」「健康」が一挙に解決できる可能性があります。
・50代の早い時期から、準備に取組むべき。
・シニアのどんなスキルやノウハウに市場価値があるのか、新たに求めるスキルはないかなど、深掘りしたくなりました。
・会社に再雇用制度で65歳まで居続けることにどんな意味があるのか。よく考えるキッカケを与えてくれました。「起業」という選択肢がにわかにリアルに感じられました。
・情報リテラシーは重要な人生後半を楽しむノウハウになります。年を重ねてもどんどんアップデートしましょう!
・情報発信(SNS)に対して、チャレンジしようかなと思いました。
・興味のある方は、是非、ご一読ください。