定年前後は親の「相続」が悩ましい問題です!
1.相続トラブルの実態は?
・「相続」とは、被相続人(亡くなった人)が遺した権利や義務などの「財産(遺産)」を、相続人に引き継ぐことを指します。遺産相続ともいわれます。
・亡くなった人のことを「被相続人」、財産を引き継ぐ人のことを「相続人」と呼び、原則として「被相続人の配偶者や子供などの家族関係にある人」が相続人になることができます。
・「うちは資産家でもないし相続なんて関係ない」「家族、兄弟姉妹みんな仲がいいから揉めないよ」と思っている人もいるかもしれませんが、相続のトラブルに遺産の額はあまり関係がありません。
・実際、家庭裁判所に申し立てをした相続トラブル(遺産分割事件といいます)の約34%(令和元年度)が「1000万円以下」という統計結果が出ています。1位は、「5000万円以下1000万円以上」で、約43%です。つまり、5000万円以下が約76%を占めています。
・遺産が少ないから問題は発生しないと考えることはできないようです。遺産が少ないからこそ、相続人同士でどのように分割するのか意見がまとまらないということも考えられます。
・遺産分割事件の総数の推移を平成21年から令和元年の10年間でみてみると、前年より減少している年もありますが、全体的にはおおむね増加傾向にあるといえます。
・具体的には、平成21年の10,741件に対して、令和元年が12,785件となり、約19%の増加となっています。
・相続のトラブルは、わたしたちの身近にも起こり得る問題と理解しておきましょう。
2.わたしたち世代が相続で注意しておきたい事
・しかしながら、年間1万3千件近くもある遺産分割事件ですが、年間の死亡者数約140万人からみたら、全体の0.9%にしか過ぎません。
・また、相続といえば気になる「相続税」。死亡者数に対する相続税の課税件数の割合がどれくらいかをみると、令和2年は8.8%となっています。つまり、実際に課税があった被相続人(死亡者)の数は100人のうち約9人ということになります。
・課税があった被相続人1人に対する相続税額の平均は、1,737万円となっています(こちらは、高額です!)。
・過度に恐れることはありませんが、親の相続が大仕事であることに変わりはありません。
・大切な人を失い、精神的に落ち込んでいるときに、葬儀の事や、家財道具をはじめとした片付けで煩雑な中に持ってきて、相続手続きとなると途方に暮れてもしかたありません。
・家族円満に、過不足なく、無事に手続きを進めていくことだけでも大変なのに、そこにトラブルが発生するとお手上げになりかねません。
・そのためにも、相続に関する正しい知識と、わたしたち世代ならではの、注意する勘所を認識しておくと単なるトラブル回避だけでなく、ご自身ならびに家族みんなの役に立つと思われます。
・そうしたうえで、困ったときは専門家に相談するということも可能になります。
・相続で争いが起こりやすいケースは主に5つあると言われています。「相続財産の大半が不動産」、「相続人の関係が複雑」、「配偶者と兄弟姉妹が相続人」、「相続人以外の人が遺産分割を言い出す」、「遺産に詳しい人がいない」。
・これらのケースについては、今後の記事のなかで追い追い、理由に触れていきたいと思います。
・相続を円満に行うためには、親の生前に準備をしておくことが大切です。
・事前に遺言書を作成したり、財産について話し合う機会を持ち、家族や親族全員で情報を共有することが重要です。
・その一つが「終活」です。
・現在は、「エンディングノート」という便利な物もあるため、一つ一つ尋問のように子の側から聞き出さなくてもこのノートに書き留めておきます。
・「お寺さんはどこの宗派?」「葬儀に誰を呼べばいいか?」「知らせて欲しい友人・知人の連絡先」「預金通帳はどこにしまってあるか?」「土地・家屋の権利証は?」「保険証券は?」などを記入できます。ぜひ、親に薦めましょう。
・また、何といっても、わたしたち自身が、相続に関する基本的な知識を持っておくことが、いざというときに右往左往しないためにとても大切です。
3.まとめ
・家庭裁判所に申し立てをした相続トラブル(遺産分割事件といいます)の約34%(令和元年度)が「1000万円以下」という統計結果が出ています。1位は、「5000万円以下1000万円以上」で、約43%です。つまり、5000万円以下が約76%を占めています。
・遺産が少ないから問題は発生しないと考えることはできないようです。相続のトラブルは、わたしたちの身近にも起こり得る問題と理解しておきましょう。
・死亡者数に対する相続税の課税件数の割合がどれくらいかをみると、令和2年は8.8%となっています。
・大切な人を失い、精神的に落ち込んでいるときに、葬儀の事や、家財道具をはじめとした片付けで煩雑な中に持ってきて、相続手続きとなると途方に暮れてもしかたありません。
・相続で争いが起こりやすいケースは主に5つあると言われています。「相続財産の大半が不動産」、「相続人の関係が複雑」、「配偶者と兄弟姉妹が相続人」、「相続人以外の人が遺産分割を言い出す」、「遺産に詳しい人がいない」。
・相続を円満に行うためには、親の生前に準備をしておくことが大切です。その一つが「終活」です。
・また、何といっても、わたしたち自身が、相続に関する基本的な知識を持っておくことが、いざというときに右往左往しないためにとても大切です。