ほそだ宮の森事務所通信  2025年2月号 終活と相続に関する最新情報をレポートします!

いつもお世話になっております。

行政書士ほそだ宮の森事務所((一社)いきいきライフ協会札幌宮の森) 代表の細田健一です。

終活と相続に関する最新の情報について,法律の解説や身近な話題などを取り上げてレポートいたします。お仕事や家事の合間にお読みください。

ご夫婦で,シングルの方はご友人と,親世代がいらっしゃる方はご一緒に,「前向き終活!」「失敗しない相続!」を考えていきましょう。

また,高齢者福祉,障害者福祉,医療・看護,葬祭業,施設関係等各分野の業務のお役に立つことができましたら望外の喜びです。

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<今号のもくじ>

1 安心コラム 公正証書遺言の作成が増加しています!

2 終活の窓 身寄りのない認知症女性の成年後見人に就任~市長申請はセーフティネット

3 活動報告 西区介護予防センター主催 すこやか俱楽部平和第一会館に登壇しました!今年も積極的に講座・セミナーの開催,講師をやっていきます!!

1 安心コラム 公正証書遺言の作成が増加!

★遺言は「終活」の王道といっても過言ではありません。

その遺言ですが,主な方式には,『公正証書遺言』と『自筆証書遺言』があります。

当事務所では,ご高齢者の方に向けては『公正証書遺言』をお勧めしています。その理由は,ペンを持って文字を書く体力が不十分でも作ることができる,歩行等が困難な場合でも作ることができる,からご高齢者に寄り添う形だからです。ただし,意思能力(認知能力)が求められますので,重い認知症の方は難しいです(終活は早めの対応が鉄則ですね!)。

日本公証人連合会の発表によると,2023年に作成された公正証書遺言は,118,981件でした。また,法務省が発表した自筆証書遺言書保管制度の2023年1年間で保管申請された件数は,19,336件。いずれも概ね増加傾向にあります。

公正証書遺言や自筆証書遺言書保管制度を利用すると,遺言を紛失するリスクをなくすことができるため,安心です。

こうした遺言制度の利用が増加している背景には,相続トラブルを未然に防ぐため,誰に何を相続させるのかを明確にしておくなど生前の「終活≒相続対策」への関心が高まっていることが大きな要因と考えられます。

遺言ってどんなもの?遺言を作成したいけど誰に相談したらいいの?とお困り,お悩みの方は,お気軽に当事務所にご連絡ください。安心の初回相談無料,出張対応しております。

2 終活の窓  身寄りのない認知症女性の成年後見人に就任~市長申請はセーフティネット

★最近の「終活」の事例をご紹介します。(実際のものに加工を加えています。お名前は仮名です。)

〇申立人:札幌市長(実質的な窓口は札幌市介護保険課及び地域包括支援センター)

〇申立て内容:本人~90歳,女性,M子さん

趣旨~成年後見の開始申し立て

理由~アルツハイマー型認知症により判断能力が不十分 預貯金の管理,不動産の管理・処分,介護保険契約,身上保護の必要がある。要介護4。

〇審 判:本人の成年後見人として家庭裁判所から小職が選定された

〇財産内容:預貯金残高300円,自宅建物(借地上にある),施設預り金8万円 流動資産合計約8万円

⑴M子さんの申立てのいきさつ。令和●年●月に雪の中を裸足で徘徊しているところを警察に保護されました。名前も住所も言えない状態でしたがその後,ご近所で名前と住所がわかり,生活支援のため地域包括支援センターが関わり介護施設に入所。訪問診療でアルツハイマー型認知症と診断されました。

⑵急に判断能力が低下したことで,自宅をはじめ,財産の管理の判断ができない状態。子どもがいないなか,ご主人に先立たれ,更に唯一の肉親で同居していた実弟も令和●年ごろ死亡。その他,札幌市内に交流ある親族はおらず支援も困難なため,札幌市長による申立てとなった。

⑶対応状況。審判の数日前に,北海道行政書士会の下部機関である 一般社団法人 北海道成年後見支援センターから受任の意向について小職に確認の連絡が入り,即座に受任の旨回答しました。そして,1週間後に家庭裁判所から呼び出しの電話があり,「審判」書類を受け取りに窓口に伺いました。ここで初めて,申立て内容の詳しい状況を知ることになります。審判から2週間後に審判確定となり,ここから本格的な成年後見人の業務が開始します。

⑷成年後見人就任時の業務について。はじめに,本人の心身・生活状況と身上保護面での課題を把握します。具体的には,事件記録の読み込み,本人や関係者からの情報収集です。次に財産の引き渡しを受けます。今回,財産と言っても施設で保管していた預金通帳一冊と現金8万円でした。受領証を施設側に渡し間違いの無いように確認します。通帳の残高は僅か300円でした!次には,財産・負債の調査を行い,家計の収支が安定するように収支計画を策定します。

⑸今回,最もたいへんな作業が収支の安定です。負債があることがわかり,地代の未払いが発覚しました。このため,収入を(年金のみ)支出が大幅に上回っており,年間で100万円以上の赤字であることが判明しました。現在,収支を均衡に持っていけるように,不動産の処分等について鋭意対応中です。成年後見人は被後見人様がお亡くなりになるまでの終身の業務であるため,使命感と責任感が強く求められていると感じています。

<まとめ>

成年後見制度は,判断能力が十分でない高齢者らを法的に支援する仕組みで,家裁が選任した後見人ら(家族がなるケースが2割,専門家が8割)本人に代わって財産管理や福祉サービスの契約を担います。後見の申し立ては4親等以内の親族(従兄弟までの範囲)がするのが一般的ですが,身寄りのない場合や家族に頼れない場合は市区町村長が申し立てられます。

成年後見制度の話を聞いてみたい方は,当事務所にお気軽にご相談下さい。

3 活動報告 西区介護予防センター主催 すこやか俱楽部平和第一会館に登壇しました! 今年も積極的に講座・セミナーの開催,講師をやっていきます!!

★2月13日(木)、今年,初回の「すこやか俱楽部」終活講座に登壇しました。

 札幌市西区介護予防センター西野様主催「すこやか俱楽部」。場所は,札幌市西区平和第一会館。テーマは「今からでも遅くない!失敗しない!終活・相続・認知症対策基礎講座」でした。

当日は,視界も遮られるほどの猛吹雪で,外出も憚られる天候の中,予定通り参加者が集まるかどうか心配しておりましたが,センター事務局の予想を上回る12名の参加者がお集まりくださいました。

皆さまの関心が非常に高く,終了後の質疑応答時間では,多くの手があがり時間が足りなくなりそうでした!。この時間がコミュニケーションを取るのに,とても大切です。無料相談へのお申込みも頂戴しました。

アンケートで寄せられた主な感想は次のとおりです。「親が認知症で施設に入っています。定期預金の解約はどうしたらよいでしょう?」「いつかしなくてはと思いつつ先延ばししています。帰って夫と相談します。」「分からないことばかりですが,少し頭の整理がつきました。」

<4月までの予定(2月15日現在)>

※印はどなたでもお申込み可能。ホームページの「お問い合わせ」から連絡先等を記入しお申込みください。

2.17(月) シーアイマンション円山町内会 「元気なうちにやっておきたい!最新の終活・相続対策について」

※3.13(木)10:00-11:30 自主開催 終活・相続無料セミナー&相談会 西区昭和会館 定員20名

4. 2(水) 介護予防C山の手・琴似 山の手会館 「おひとり身の身元保証・財産管理講座」

4.15(火)介護予防C曙・幌西 幌西会館 「今からでも遅くない!失敗しない!終活・相続・認知症対策基礎講座」

※4.19(土) 10:00-11:30 自主開催 終活・相続無料セミナー&相談会 西区西野第一会館 定員20名

4.25(金)  介護予防C山の手・琴似 二十四軒地域会議室 「今からでも遅くない!失敗しない!終活・相続・認知症対策基礎講座」

<あとがき>

今年は,雪の量が全く読めませんね。

1月末までは小雪で,雪掻きもほんの2,3回で済んでいました。歩道も車道もアスファルトが見えていました。

十勝の知り合いは,「積雪ゼロだよー」と驚いていましたし,函館に住む母も「函館は雪ないよー」と。

ところが,一転! 雪まつり開幕を待っていたかのように「反逆のドカ雪!」。

札幌は積雪20センチが一気に62センチまで降り積もりました。連日の雪掻きに辟易(´;ω;`)

ただ,こんな愚痴も吹き飛ぶような帯広,十勝方面のドカ雪⛄⛄⛄⛄⛄

12時間で120センチの積雪。史上最高を更新したとのことでした。

災害ですね。いまだ,バス路線は全面復旧していないようです。

十勝方面の皆さま,たいへんお疲れ様でございます。お見舞い申し上げます。

節分の翌日の2月3日は立春でしたが,見事に裏切られました。

とはいえ,伊豆の早春の一大イベントである「河津桜まつり」が,2月1日(土)~28日(金)で開催しています。しかし,こちらでも長引く冬将軍の影響により開花が遅れているようで,期間を3月1日(土)~9日(日)まで延長したそうです。

昔,仕事中のカーラジオから「節分過ぎればまた陽が昇る!」と聞こえてきたのを思い出します。

読者の皆さまに,日が昇り春が来ますようにお祈りいたしております。

\(^o^)/