定年後,家族に迷惑をかけないためにすることは?

1.夫の在宅でストレスが溜まる!

定年後に「いままで仕事一筋。夫婦水入らずで楽しむ時間がなかったから、明日から妻と一緒に楽しく過ごそう!妻も歓迎してくれるはず!」と考える定年夫が少なくないようですが、これがそもそもの勘違いの始まりです。

妻側に言わせると、もうとっくに日常の「夫無し生活スタイル」が確立しており、定年だからといって自分の世界にしゃしゃり込まれるのは困りものと感じています。「私の世界を尊重してほしい」ということです。

また、一緒にいる時間が長くなるからこそ、お互いの悪いところが目に付きやすくなるという問題も出てきます。

インターネットの相談サイトなどでもよく見られる妻側の意見として「夫が定年後、家にいるのに家事をしてくれない」「家でダラダラしているのに何もしてくれなくてストレスが溜まるいっぽう!」というものがあります。

定年後の夫婦でトラブルの原因となるのは「家事の分担」です。今まであまり気にならなかった夫の生活習慣の違いも加わり、妻のストレスが膨らみます。妻にしてみたら、夫は退職してのんびり過ごしているのに、妻には退職がない。夫が家にいるようになって家事が増える。また、家事に対して無関心、家事に口だけ出して手は出さないなど。

人工知能研究者で随筆家の黒川伊保子『妻のトリセツ』(講談社+α新書)によると、

これらは、妻が長年連れ添った夫と離婚したくなる「夫に見えにくい原因や理由」である。妻にとっては、昨日今日、別れを思い立ったわけではなく、夫の定年、子供の独立,親の介護などをきっかけに引きずり出された、過去のネガティブトリガー総決算の結果なのだ。

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怖いですね「過去のネガティブトリガー」!(笑)

この地雷を踏まないためには、「家事で自立」することによって妻の負担を減らすことが最優先です。

家は男の城ではなく「妻の城」だと割り切り、家事のことは妻に謙虚な態度で教えを請うことが大切です。

2.家事のススメ

経済コラムニストの大江英樹氏は『定年前,しなくていい5つのこと』(光文社新書)で次のように述べています。

仮に明日、奥さんが病気で倒れて入院したとしても、普通に支障なく生活していけるかどうかを考えてみることが大切だ。そして自分が家に居るのであれば、料理でも洗濯でも掃除でも何でもいいので、それらにかかるパートナーの負担を減らすことを考えるべきだろう。

わたしの家事の分担のきっかけの一つも、妻の「ぎっくり腰」だったかな。同じ時期に、定年を考えるタイミングも重なり、少しずつ家事をするようになりました。

今わたしは再雇用者なので平日は会社勤めをしており、妻もフルタイムで働いていますので、お互いにカバーし合いながら家事をこなしています。随分、妻も時間を有効に過ごしているように見え、・ジム通い、・カルチャーセンター、・温泉、・友人とのランチ,・彼女の一人暮らしの母の様子見など活き活きと暮らしています。

現在のわたしの担当家事は、・ゴミ出し、・食器・お鍋洗い・片付け、・お風呂洗い・湯張り、・掃除機掛けの掃除、・トイレ掃除、・たまの洗濯、・洗濯もの干し、・食料・日用品の重量物買出し、・鍋料理(笑)など。はじめは、ゴミ出しくらいからスタートしました。

家事は奥深いものがあります。今の夫婦は、共働きで家事は仲良く分担というのが主流になりつつあるようですが。昭和生まれのわたしたちの世代はなかなか慣れません。

ゴミ出し一つとってみても、ゴミ捨の前後に9つの工程があるということも、徐々に妻に教え込まれた感じです。そしてわかってきたのが、これら多くの「名もなき家事」こそ、妻が最も時間がかかり、本当に大変な仕事だと思うようになりました。

黒川伊保子『妻のトリセツ』(講談社+α新書)
 「夫がしている家事」のゴミ捨て。…ゴミ置き場に移動させることを指す。しかし実際にゴミがゴミ袋に収まり、移動可能な状態になり、次のゴミ袋がセットされるまでに必要な手順は以下の通り。
①分別の仕方を理解し、それぞれのゴミにあったゴミ箱を複数用意し、動線や見た目を考えて設置。
 ②ゴミ袋を分別の種類ごとに用意する。
 ③分別種類ごとの収集曜日を把握する。
 ④分別してゴミ袋に入れる。
 ⑤不快なゴミが外側から見えていないか確認する。
 ⑥袋に破れがないか、持ち手は汚れていないかチェックする。
 ⑦空気が入らないように、または抜きながらゴミ袋の口をしっかり結ぶ。
 ⑧ゴミ捨て場に持って行く。
 ⑨ゴミ箱が汚れていたら洗う。
 ⑩新しいゴミ袋をゴミ箱にセットする。

今は、やっと一人でやれるようになりました(笑)。そして、ゴミ袋もストックを切らさないように買出しのときに購入しています。

洗濯もしかりですね。わたしは「おしゃれ着洗い」は担当外ですが。用途に合せて洗剤を揃えて、白物と色物に分けたり。洗い終わったら、先に乾いたものを取り込んでおいてから、物干しスペースを確保。一つひとつシワを伸ばして干す。

調味料や日用品をチェックして、在庫が切れる前に買い足す。冷蔵庫やストッカーのどこに何が入っているかを覚えておく。詰め替え用のものは詰め替えるといったことも家事です。食器を洗ったら、食器棚のどこに何が入っているかを覚えておいて、スムーズに収納するなどなど。

定年後すぐに、いきなり今までやったこともなかった家事を行うのは負担が大きいです。もし今、夫婦間で家事の分担ができていないようならば、今から時間をかけて少しずつ分担しておくことが大切です。

3.料理へのチャレンジ

妻が体調を崩したり、入院したりして、最も困るのは食事ですね。つまり料理です。

今は、冷凍食品も美味しいものが出回っていますし、レトルト食品もある時代ですから、簡単なものであれば出来ないことはないです。しかし、すぐに飽きてしまいまさす。

単身赴任時代には、ご飯もパック詰めのものばかりを食べていましたが、やはり炊きたてを食べたくなるものです。お米の研ぎ方、ご飯の炊き方から覚えましょう。

食事がおろそかになれば、体力だって衰えます。難しいのは、栄養バランスだと思います。

昨今はシニア男性向けの料理教室もあり、人気を集めているそうです。料理を習うのはお勧めです。

料理教室などを展開している「ベターホーム」の調査では、男性料理教室に来た生徒のうち、最初はほとんど料理をしない人が約75%。料理を習うことで、月に2~3回、家で料理をするようになった人が約50%に増えたそうです。

定年夫が在宅していると、妻は一日3回の食事を用意することになり、現役時代の朝・夕食から負担が増します。妻の負担を減らす意味で料理は大切な夫の嗜みです。

また、同じ調査で、料理教室に通う前は、料理以外の家事をほとんどしなかったという人が約37%だったのに対し、通ったあとは約12%に減ったということでした。料理がきっかけで家事にも意識が向くようになるんですね。

料理をして、食事を楽しんで、食器を洗い、キッチンを片付けてからの一杯は格別な味がするはずです。

わたしは,料理にはまだ腰が引けてますが,在宅するようなったら,是非,「やりたいこと」の一つです。

4.まとめ

定年後の過ごし方で大事なことは、「家事で自立」することではないでしょうか。仮に明日、突然奥さんが倒れても普通に支障なく生活していけるように備える。そして妻の負担を減らして、妻に機嫌の良い状態でいてもらうのがなによりですね。

定年後にいきなり家事をやるのは,難しいものです。定年前からコツコツと時間をかけて,家事の範囲を広げる準備をして、幸せな退職後のおうち時間を送りましょう。

ひょっとするとこれは、妻にとっても夫にとっても一番大切なことかもしれませんよ。かく言うわたしも,日夜,悪戦苦闘していますが「継続は力なり」の心でいきましょう。