定年後を研究するきっかけになった衝撃の1冊!図書館で定年を迎えた人たちが新聞に群がる孤独な情景-『定年後』楠木新著

定年後の生き方を考えるにあたり、参考となった書籍をご紹介します。

今回は、定年を研究するきっかけになった2017年発行の一冊。『定年後 50歳からの生き方、終わり方』(楠木新著、中公新書)です。

引き続き、お読みいただければ嬉しいです。

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【目次】
プロローグ 人生は後半戦が勝負
経済的な余裕だけでは足りない / 終わりよければすべてよし …ほか
第1章 全員が合格点
定年退職日は一大イベント / 定年退職か、雇用延長か / 隠居と定年の相違点 …ほか
第2章 イキイキした人は2割未満?
名前を呼ばれるのは病院だけ / クレーマーは元管理職が多い? / 米国の定年退職者も大変 …ほか
第3章 亭主元気で留守がいい
日本人男性は世界一孤独? / 名刺の重み / 主人在宅ストレス症候群 …ほか
第4章 「黄金の15年」を輝かせるために
会社員人生の2つの通過儀礼 / 8万時間の自由、不自由 / 一区切りつくまで3年 …ほか
第5章 社会とどうつながるか
ハローワークで相談すると / 得意なことに軸足を移す / 100歳を越えても現役 …ほか
第6章 居場所を探す
自ら会合を起ち上げる / 同窓会の効用 / 家族はつらいよ? …ほか
第7章 「死」から逆算してみる
お金だけでは解決できない / 死者を想うエネルギー /「良い顔」で死ぬために生きている …ほか

目次

  1. 1.本書との出会い
  2. 2.本の概要
  3. 3.著者のプロフィール
  4. 4.本書から得られるもの

1.本書との出会い

この本と出合ったのは、今から5年前の2017年。私が57歳のときでした。

その頃の私は、会社での仕事が急激に減って組織での居場所がなく、組織で働くことに展望を持てずにいました。

60歳で定年退職するか、定年再雇用で65歳まで同じ会社で働き続けるのか定年後の進路選択を会社から迫られていて、多いに悩んでいた時期でした。

とある雑誌の記事で楠木新氏のインタヴューを読んだのがきっかけで購入しました。

2.本の概要

日本の平均寿命は延びつづけ、定年後の期間もまた長くなっている。そして、いざ定年を迎えて困惑してしまう人々(ほとんど男性)も増えています。

衝撃的なのは、本の前半に出てくる「孤独な定年後」です。会社員時代は、名前や肩書で呼ばれていたのが、定年後は病院でしか名前を呼ばれなくなる。また、毎日、行くところがないのに時間だけがたっぷり有りすぎて、朝から図書館で老人同士の新聞の奪い合いになる情景!

自分は定年後の人生を豊かに過ごせるのか、多くの男性会社員たちが不安を抱いています。

60歳から74歳までの、楠木が「黄金の15年」と呼ぶ時間を充実したものにするためには、50代からの助走が必要となります。帯に書いてある「人生は後半が勝負」とはこの期間を指しています。

自分の「死」を意識して逆算で考え、子どもの頃にやりたかったことや会社員時代に培った能力を活かすよう設計してみることが重要と説きます。

これは「主体性」の復活に繋がります。長く組織で働く間に身についてしまった「寄らば大樹」姿勢や習慣を払拭し、自分が主役となって生きるためにどうすればいいか考えてみる。会社から心の自立をしてみましょう。

そう遠くない先に死がひかえているのだから、自分に正直に検討し実践してみればいいと述べます。

中高年の会社員が「いい顔」で死ぬためにも、定年後ぐらいは主体的に生きようと背中を押します。

3.著者のプロフィール

著者の楠木新氏は、1979年、京都大学法学部卒業後、保険会社に入社。

人事・労務関係を中心に、経営企画、支社長等を経験。勤務と並行して、「働く意味」をテーマに執筆、講演、セミナーなどに取り組む。

朝日新聞be(土曜版)に、会社から独立した中高年の生きざまを紹介した「こころの定年」を1年余り連載。2016年定年退職後も活動を続ける。

『会社が嫌いになったら読む本』『人事部は見ている。』『サラリーマンは、二度会社を辞める。』(以上、日経プレミアシリーズ)、『就活の勘違い』(朝日新聞出版社)、『ビジネスマン「うつ」からの脱出』(創元社)ほか、書籍多数。

著者が定年を迎えた後この本を出版したものです。

著者の大きな転機は2回ありました。40歳で阪神淡路大震災に遭遇したことと、47歳で体調を崩し長期休職したことだといいます。

4.本書から得られるもの

 本書からは次のことが得られると思います。

・「人生は後半戦が勝負」で面白いのだから、組織に適応していくばかりが人生ではない。生き方を決めるのは自分自身であり、一歩を踏み出してみる。
・サラリーマンから転身し、いきいきと第二の人生を送っている方150人以上の方の生きざまのエキスが書かれていて興味深い。
・自分が本当に好きなことをしている、大事だと思う役割を果たしている、この二つが当てはまる人は「いい顔」をしている。
・「死」から逆算して人生後半を考え生き抜くことが大切。
・定年前の在職中の50歳から人生後半をどう生きるか「助走」を始めてみる。

この本には、中高年サラリーマンが会社頼みで定年まで過ごした場合に待っている苦い現実を教えてもらいました。

誰もが経験したことがないのが「定年退職」です。経験者の知り合いがいても、なかなか多くを語ってくれないものです。

自分と同じように定年前後の生き方に悩んでいる人が多いということも知りました。

私は、この本を入り口に定年後の世界をもっと深く広く研究しようという思ったわけです。

興味のある方は、是非、ご一読ください。