定年女性が定年前に準備しておいたほうがいいことは?

1.働く女性の現状

総務省統計局「労働力調査(基本集計) 2021年(令和3年)6月分結果」によると、女性の2021年6月の労働力人口は3082万人。日本全体の労働力人口の44.7%を占めています。

働く女性の割合も年々上昇していて、2019年時点で女性全体の53.3%、50~54歳では8割、55~59歳でも75%近くに達しています。

子育てと仕事を両立する人が増え、M字カーブのくぼみが平坦になるとともに、近年、働く中高年女性の割合も上昇していますね。この傾向は今後も続き、超高齢社会の日本で労働力としての役割はますます大きくなると考えられています。

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<M字カーブ>
M字カーブとは、年齢層別に見た女性労働率のグラフで特徴的な曲線のことです。結婚や出産を機にいったん離職し、育児が一段落したら再び働きだす女性が多いという日本の特徴を反映したグラフです。このM字カーブを時系列で比較してみると、25~34歳における窪みが浅くなってきていることが傾向的に読み取れます。

1960年代生まれの彼女たちは高度経済成長のさなかに誕生しました。1986年施行の「男女雇用機会均等法」の第一世代であり、社会の変化や行政の女性就労環境に関する各種法律の整備支援が進みました。また進学率も向上しました。これらの環境変化が結婚や出産を経ても働き続ける女性や、キャリアアップを目指す女性たちが増えてきた背景となってきたといえます。

2.定年後も働きますか

ひと昔前までは、「定年」といえば男性のイメージでしたが、働く女性が増え、わたしの周囲にも定年女性もしくは、定年を迎えた女性で、セカンドキャリアに進んだ例が増えています。

エッセイストで『定年女子 60を過ぎて働くということ』(集英社文庫)の著者の岸本裕紀子さんは、定年前後の女性たちを取材したなかで、その後の仕事についても調べています。

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再雇用も含めてそのまま同じ組織に残る人と、そこを出て新たな仕事や役割を探す人の大きく二つのグループに分かれています。

まず、再雇用の女性のケース。再雇用制度が定着していく中で、企業の方針が定年後の人材を積極的に戦力として活用していこうと変わってきています。50代には部長を務めるなどしていましたが、定年後は後輩のサポート役に徹すると決め、後輩育成にあたって活躍しています。

このように、それまでは会社の意向に沿って仕事をしてきたけれど、再雇用では思い切って自分の能力や希望を意思表示することも無駄ではないと述べています。

一方で、新しい会社で働く人、地域のボランティアをする人、実家の商売を継ぐ人、まったく別の分野の仕事に挑戦してみる人、など様々です。

自分で新しいことを始めた女性のケース。定年前に退職し、地元に帰って飲食店を開く予定で、東京のカフェでアルバイトしながら、独立開業の計画をまとめていったそうです。それまで企業などで培った仕事の経験は、全く別の仕事にも活かせるわけです。

もし、女性が60歳を過ぎても働こうと思ったら、定年後は何をしたいのか、できるのか、そのために今何をすればいいのか、を考える。情報を集める。着々と準備する。必要ならそれをアピールしていくことだとします。つまり、自主性が求められています。

また、定年後もずっと働きたい女性は、現場感覚をさらに磨いていっていただきたいと述べています。

3.定年女性のアドバンテージと準備の大切さ

リタイア後は、仕事の忙しさやストレスから解放されて自由を満喫できそうですが、「毎日が日曜」となれば話は別。

会社員として長く働くうちに、組織や職場で期待される自分を演じることに慣れてしまい、いつの間にか本当に自分がやりたかったことや、幸せを感じられることに蓋をする「癖」がついてしまっている人も多いではないでしょうか。これは男性にも女性にも共通するサラリーパーソンのメンタリティーですね。

定年女性も定年後の一番の心配ごとは「お金」です。しかし、以前にも述べたとおり、会社の退職金も国の年金もありますし、企業年金など私的年金もあります。過剰な心配はしなくてもよさそうです。

一方、これまでフルタイムで仕事を続けてきて仕事能力・スキルは非常に高いものがあります。そのポテンシャルを思い切り生かせるよう、お金の不安を解消して前向きに自分の60代、70代の生き方をイメージすることも出来る人たちです。働き方・仕事にも幅ができると思います。

わたしが思う女性が持つアドバンテージは、家事や子育てを自分がメインとなってこなし、その他に自分流の楽しみを手放さないでいるところです。

男性の場合は、単線的な時間の使い方であって、会社や仕事にのめりこんだら、すべての時間をそちらに向ける傾向が強いです。女性は常に細かい時間配分の下に、マルチタスクの動き方をしています。これは尊敬しますね!

また、ほとんどの女性は男性陣の中で働いてきていますので、常に「アウエイ」にいるようなものです。新しい環境に入っても環境への適応の仕方を知っていますね。この面でも、女性は強靭でしなやかな適応能力を備えていると思います。

女性の定年後だからといって、楽しいことばかりではないでしょう。孤独や健康や介護も含めた家族の問題など個々が抱える問題が決して軽くはないはずです。

しかし、これまで多難な人生を乗り切ってきた定年女性なら、友達ネットワークを上手に使いながらクリアして、自分なりの「幸せ」を目指していけると思います。

定年後に手に入れた自由な時間を輝かせるには、本当に自分が幸せを感じられることを見つけておく必要があります。是非、定年前にイメージを広げて、定年後の人生を歩む準備をしていただきたいと思います。

4.まとめ

今回は、働く女性の「定年」をとりあげました。

ひと昔前までは、「定年」といえば男性のイメージでしたが、働く女性が増えセカンドキャリアに進んだ例も増えています。

女性が60歳を過ぎても働こうと思ったら、定年後は何をしたいのか、できるのか、そのために今何をすればいいのか、を考える。情報を集める。着々と準備する。必要ならそれをアピールしていく。つまり、自主性が重要でした。

また、定年後もずっと働きたい女性は、現場感覚をさらに磨くことが大切です。

定年後に手に入れた自由な時間を輝かせるには、本当に自分が「幸せ」を感じられることを、定年前に見つけておくことのようです。