定年夫は勘違いしないで、家事と料理をしましょう!

・結婚していて、定年後に起きる一番の変化ともいえることは、夫婦で「一緒にいる時間が多くなる」ことです。そのときに、定年夫はどのように過ごしたらいいのかという問題について、男女の違いを脳科学の面からも掘り下げてみます。

・定年後の夫婦の衝突を回避するためには、定年夫側の固定観念を打破する準備が大切になってきます。

・定年後に、夫が家で過ごす時間が長くなると、どうしても妻や家族に負担が掛かります。その最たるものは家事です。家事で自立することが妻・パートナーの負担を減らし、妻の機嫌の良い状態を維持するのにとても大切ですよ、というお話しです。

目次

  1. 1.定年後にありがちな夫の勘違い
  2. 2.男性脳と女性脳は違う
  3. 3.夫婦の距離感「ソーシャル・ディスタンス」をとろう
  4. 4.夫の在宅でストレスが溜まる!
  5. 5.家事のススメ
  6. 6.料理へのチャレンジ

1.定年後にありがちな夫の勘違い

・「定年後は奥さんを大事にしよう!」「奥さんと一緒に過ごすようにしよう!」と、気負う人が少なくありません。その結果、何をやるにも妻と一緒という形になります。

・妻が買い物や散歩に出かけようとすると、付いていく。ジムにも、カルチャースクールにも一緒。果ては、友達とのランチにも付いて来る。これでは、妻のほうも、まとわりつかれて鬱陶しくてたまりません。

・また、よくありがちなのは、ずっと家に居るうえに、朝ごはんを食べた先から「お昼ご飯はなにか?」、奥さんが出かける時に「どこへ行くのか?」「いつ帰ってくるのか?」、「晩ご飯はどうするのか?」と何から何まで奥さんに寄りかかりきりになってしまうパターンです。こんな状態が続けば妻もストレスを感じるのは当たり前です。

・妻は定年までは「亭主元気で留守がいい!」で自分自身の世界を作ってきたわけですから、定年夫は突然の乱入者でしかありません。「勝手にやってほしいわ!」といわれるのが落ちです。

・これをずっと続けていると、熟年離婚ということになりかねません。厚生労働省の「人口動態統計月報年計」(令和元年=2019年)を見ると、24年前の1995年と比べ、離婚の総数は4.7%増に留まっていますが、婚姻期間が25年以上のいわゆる熟年世代をみると、同じ比較で60.9%増と最も大きく伸びています。

・夫側は特に何をしなくても会社という居場所があり、それにのめり込んできました。その間、妻は放ったらかされていながら自分の居場所、世界を作り上げて逞しく生きてきたのです。ママ友しかり、趣味の仲間、地域の自治会、旧友などなど交友範囲はとても広いのです。

・つまり、奥さんやパートナーは、自立した世界とネットワークを構築しているのですから、構ってあげようなどと思う必要は全くないわけです。

2.男性脳と女性脳は違う

・男女の脳は間逆ともいえるほど大きく異なる性質を持っています。

・男は遠くの、動く異物に目がいき、女は近くの、愛しいものに意識が行く。男女ともおちついた状態ではどちらの見方もできますが、とっさには真っ二つに分かれます。幼き者に危険が迫れば、男の目線は危険なものに向かい、女は幼き者から目を離さないというふうになります。

・女性は、夫が「自分と同じように、愛する人の所作を察して、手を差し伸べやさしい声をかけられるはず」と思い、それができない夫に絶望します。一方、男性は妻が「自分と同じように、事実を冷静に見極め、最も合理的な答えを出すことを望んでいる」と思い、共感してほしい妻に正論で返してしまって地雷を踏むのです。

・夫である人は、妻が何かを語り始めたら、彼女が今、「心の文脈(共感とねぎらい)」を欲しているのか、「事実の文脈(合理的な正解)」を欲しがっているのか判断する必要があります。わからなかったら「心の文脈(共感とねぎらい)」の方だと思うことでリスク回避しましょう。

・女性脳は共感してもらうとストレス信号がみるみる減衰するという特性を持っています。定年夫は、定年で家に帰る前に「共感力」を見につける必要があるわけです。

・これは、日頃の会話でトライ・アンド・エラーして、妻と言葉が通じるように話して覚えることです。たとえば、妻が「なんだか腰が痛くて」には、まずは心配そうに「腰か、それは辛いなあ」と応えます。「片付け物は俺がするから、座ってて」と申し出るのが一番いい。「医者に言ったのか?」「早く医者に行けば」は、最悪のNGワードです。

3.夫婦の距離感「ソーシャル・ディスタンス」をとろう

・夫による妻へのストレスが高じて罹る病「夫源病」。その発病の仕組みは、夫が威張っていて、思いやりがなく、命令口調でしゃべり、何かにつけ「そんなことして何になる」と言って妻の言動を否定します。

・妻たちは、家族のために人生を捧げたあげく、延々と続く家事労働に労いももらえず、存在価値を貶められ、わずかな自由も封じられて病気になっていくのだそうです。そうして、夫の帰宅時間になると動悸がしたり、めまいがして具合が悪くなるのだといいます。

・こんな事態にならないために大切なことは、ひとつには夫が「妻に共感する」ことだといいます。

・もうひとつの方法は、「距離をとる事」「夫婦のソーシャル・ディスタンス」を取ることです。

・互いの自由時間をいかに「いい間合い」で過ごすか。「一緒に楽しむ」と「一人で楽しむ」のバランスをとることが大切だと思っています。なぜかというと、例えば、二人で共通の趣味を持つことを考えた場合に、夫婦だからといって一緒の趣味に興味があるとは限りません。インドア派、アウトドア派、ジャンルも各種あります。

・本当に興味がないのに、付き合うのは長続きしないからです。無理して相手に付き合うのではなく、それぞれが自分の趣味を楽しみ、相手の邪魔をしない、相手を尊重するようにするのがいいのではないでしょうか。

・大事なことは、何が自分たち夫婦にとって一番適しているのかを考えること。「共通の趣味」は楽しい生活を送るたった一つの手段でしかありません。それを無理して、快適な暮らしができなくなるのなら、やめておきましょう。

・お互いにやりたいことをするようにして、趣味に関する干渉はせず、妻のやりたいことを尊重することが大切ではないでしょうか。やりたいことが一致した場合は一緒にやるくらいのバランス感覚が「夫婦の距離感」に最適かなと思います。

・妻に関する固定観念を変えていくこともが、非常に大切な準備になります。

・それには、定年前から妻の1日、1週間、1ヵ月のスケジュールを共有し、自分の潜在意識に埋め込むことです。そうすることによって、妻は外に出かけるもの、外食するもの、友達とお茶するものということを自然に覚えます。

・家事もできるようになっていれば、妻が出かけるときに、「いってらっしゃい!ゆっくりしてきてね!」と快く送り出すことができるようになるのが理想です。

4.夫の在宅でストレスが溜まる!

・定年後に「いままで仕事一筋。夫婦水入らずで楽しむ時間がなかったから、明日から妻と一緒に楽しく過ごそう!妻も歓迎してくれるはず!」と考える定年夫が少なくないようですが、これがそもそもの勘違いの始まりです。

・妻側に言わせると、もうとっくに日常の「夫無し生活スタイル」が確立しており、定年だからといって自分の世界にしゃしゃり込まれるのは困りものと感じています。「私の世界を尊重してほしい」ということです。また、一緒にいる時間が長くなるからこそ、お互いの悪いところが目に付きやすくなるという問題も出てきます。

・インターネットの相談サイトなどでもよく見られる妻側の意見として「夫が定年後、家にいるのに家事をしてくれない」「家でダラダラしているのに何もしてくれなくてストレスが溜まるいっぽう!」というものがあります。

・定年後の夫婦でトラブルの原因となるのは「家事の分担」です。今まであまり気にならなかった夫の生活習慣の違いも加わり、妻のストレスが膨らみます。妻にしてみたら、夫は退職してのんびり過ごしているのに、妻には退職がない。夫が家にいるようになって家事が増える。また、家事に対して無関心、家事に口だけ出して手は出さないなど。

・これらは、妻が長年連れ添った夫と離婚したくなる「夫に見えにくい原因や理由」である。妻にとっては、昨日今日、別れを思い立ったわけではなく、夫の定年、子供の介護などをきっかけに引きずり出された、過去のネガティブトリガー総決算の結果なのだ。この地雷を踏まないためには、「家事で自立」することによって妻の負担を減らすことが最優先です。

・家は男の城ではなく「妻の城」だと割り切り、家事のことは妻に謙虚な態度で教えを請うことが大切です。

5.家事のススメ

・仮に明日、奥さんが病気で倒れて入院したとしても、普通に支障なく生活していけるかどうかを考えてみることが大切です。そして自分が家に居るのであれば、料理でも洗濯でも掃除でも何でもいいので、それらにかかるパートナーの負担を減らすことを考えるべきです。

・わたしのきっかけも、妻の「ぎっくり腰」だったかな。同じ時期に、定年を考えるタイミングも重なり、少しずつ家事をするようになりました。

・今わたしは再雇用者なので平日は会社勤めをしており、妻もフルタイムで働いていますので、お互いにカバーし合いながら家事をこなしています。

・随分、妻も時間を有効に過ごしているように見え、・ジム通い、・カルチャーセンター、・温泉、・友人とのランチ,・彼女の一人暮らしの母の様子見など活き活きと暮らしています。

・現在のわたしの担当は、・ゴミ出し、・食器・お鍋洗い・片付け、・お風呂洗い・湯張り、・掃除機掛けの掃除、・トイレ掃除、・たまの洗濯、・洗濯もの干し、・食料・日用品の重量物買出し、・鍋料理(笑)など。

・はじめは、ゴミ出しくらいからスタートしました。家事は奥深いものがあります。今の夫婦は、共働きで家事は仲良く分担というのが主流になりつつあるようですが。昭和世代のわたしたちの世代はなかなか慣れません。

・ゴミ出し一つとってみても、ゴミ捨の前後の工程があるということを徐々に妻に教え込まれた感じです。そしてわかってきたのが、これら多くの名もなき家事こそ、妻が最も時間がかかり、本当に大変な仕事だと思うようになりました。今は、やっと一人でやれるようになりました。ゴミ袋もストックを切らさないように買出しのときに購入しています。

・洗濯もしかりです。わたしは「おしゃれ着洗い」は担当外ですが。用途に合せて洗剤を揃えて、白物と色物に分けたり。洗い終わったら、先に乾いたものを取り込んでおいてから、物干しスペースを確保。一つひとつシワを伸ばして干す。

・調味料や日用品をチェックして、在庫が切れる前に買い足す。冷蔵庫やストッカーのどこに何が入っているかを覚えておく。詰め替え用のものは詰め替えるといったことも家事です。食器を洗ったら、食器棚のどこに何が入っているかを覚えておいて、スムーズに収納するなどなど。

・定年後いきなり、今までやったこともなかった家事を行うのは負担が大きいです。もし今、夫婦間で家事の分担ができていないようならば、今から時間をかけて少しずつ分担しておくことが大切です。

6.料理へのチャレンジ

・妻が体調を崩したり、入院したりして、最も困るのは食事です。つまり料理です。

・今は、冷凍食品も美味しいものが出回っていますし、レトルト食品もある時代ですから、簡単なものであれば出来ないことはないです。しかし、すぐに飽きてしまいます。

・単身赴任時代には、ご飯もパック詰めのものばかりを食べていましたが、やはり炊きたてを食べたくなるものです。お米の研ぎ方、ご飯の炊き方から覚えましょう。

・食事がおろそかになれば、体力だって衰えます。難しいのは、栄養バランスだと思います。

・昨今はシニア男性向けの料理教室もあり、人気を集めているそうです。料理を習うのはお勧めです。

・料理教室などを展開している「ベターホーム」の調査では、男性料理教室に来た生徒のうち、最初はほとんど料理をしない人が約75%。料理を習うことで、月に2~3回、家で料理をするようになった人が約50%に増えたそうです。

・定年夫が在宅していると、妻は一日3回の食事を用意することになり、現役時代の朝・夕食から負担が増します。妻の負担を減らす意味で料理は大切な夫の嗜みです。

・また、同じ調査で、料理教室に通う前は、料理以外の家事をほとんどしなかったという人が約37%だったのに対し、通ったあとは約12%に減ったということでした。料理がきっかけで家事にも意識が向くようになる結果が出ています。

・料理をして、食事を楽しんで、食器を洗い、キッチンを片付けてからの一杯は格別な味がするはずです。

・わたしは,料理にはまだ腰が引けてますが,在宅するようなったら,是非,「やりたいこと」の一つです。