公的年金額を増やす方法はないですか?

1.公的年金は2階建て

年金は3階建てです。「いきなりタイトルと違うこと言って!」(笑)

いえいえ,間違いではありません。そのわけは2階建ての公的年金のうえに,3階部分が私的年金ということです。

1階部分は国民年金(基礎年金),2階部分は厚生年金。これらが公的年金(老齢年金)です。その上の3階部分が前回でも述べた企業年金や個人年金(貯蓄,投資信託,iDeCoなど)です。

以下の図の「会社員・公務員など」の列をご覧ください。

210905_年金3階建てimg_sec1-1_01_sp

今回は,私的年金は別の機会に書くことにして,公的年金の基本となる部分を簡単におさらいしてみます。

公的年金は,2つあります。一つは1階部分で,20歳から59歳までの人が全員加入して保険料を払う国民年金。もう一つは,わたしのような会社員が加入して勤務先と半分ずつ保険料を払う厚生年金です。

国民年金から受け取る年金の額は,国民年金に加入していた月数に応じて決まります。最長480ヵ月で,480ヵ月分保険料を払った人が65歳から受け取れる年金額は約78万円(2020年度価格)です。

会社員などで厚生年金に加入している人は,国民年金に上乗せして厚生年金からも年金が受け取れます。厚生年金から受け取る年金額は,厚生年金に加入していた月数と,その間に受け取った給料・ボーナスの額によって決まります。

長く加入していたほど,また加入期間中の給料・ボーナスが多いほど,受け取れる年金額が多くなります。

2.加入者との関係

加入者は1号,2号,3号の3つのグループに分かれています。

1号は自営業,フリーランス,個人事業主,学生,失業者等々です。国民年金保険料は年間20万円くらいです。支払わない場合には,原則として老齢基礎年金が受け取れません。失業者等には免除等の制度はあるが,その場合には受け取れる年金額が少なくなってしまいます。

2号は会社員,公務員等です。厚生年金保険料は給与から天引きされます。そして,老後は老齢基礎年金とともに老齢厚生年金が受け取れます。

1号が支払う国民年金保険料が全員同額であるのに対し,2号が支払う厚生年金保険料は原則として収入に応じた金額になります。これは,所得が高いほど老後の生活費がかさむ傾向にあるので,現役時代に多くの保険料を払う一方で老後には多くの年金を受け取れるというものです。

3号というのがあります。会社員などの専業主婦(男女を問わない)です。配偶者が厚生年金保険料を支払っていることで,自分も国民年金保険料を支払ったものとみなしてもらえるので,何も払わなくても老後に年金が受け取れます。安心してください!

公的年金は,自営業者夫婦で月額13万円,標準的なサラリーマン夫婦で月額22万円程度受け取れます。老後の生活資金としては十分とはいえませんが,大きな収入源であることに間違いありません。ましてや終身保険です。

公的年金で不足する分だけを自分で稼ぐという方法も選べます。そうすれば,働くことに対するプレッシャーも減らせますね。

3.公的年金額を増やす方法は3つ

公的年金は増やすことができます。その方法は次の3とおりです。

パートタイマーなどは国民年金からしか年金が受け取れず,老後資金の面でかなり厳しいものがあります。厚生年金に加入する働き方の方が望ましいです。正社員ならもちろんよいですが,簡単なことではありません。

パートタイマーでも厚生年金に加入できる条件がだんだん下がっていますので,働く時間を長くするなどして厚生年金に加入すれば,年金額が増えるだけでなく,収入がアップして家計にゆとりができます。

収入をあげる工夫。厚生年金は給料・ボーナスが高いほど保険料が高く,払った保険料が多いほど受け取れる年金額が多くなります。したがって,勤め先の昇給基準を調べ,それに応じた資格を取得したりスキルを磨いたりして収入をあげれば年金額もアップします。

厚生年金は加入していた期間が長いほど年金額が多くなります。出産・育児,介護などでキャリアを中断させないことが年金を増やすことにつながります。また,60歳以降あるいは65歳以降も働いて厚生年金に加入すればそのぶん年金額が増えることになります。

4.まとめ

今回は,公的年金の基本的な仕組みと年金の受給額を増やす方法についてみてみました。

公的年金は,2つありました。一つは1階部分で,20歳から59歳までの人が全員加入して保険料を払う国民年金。もう一つは,会社員が加入して勤務先と半分ずつ保険料を払う厚生年金です。

厚生年金保険料は給与から天引きされます。そして,老後は老齢基礎年金とともに老齢厚生年金が受け取れます。

公的年金は,自営業者夫婦で月額13万円,標準的なサラリーマン夫婦で月額22万円程度受け取れます。

老後の生活資金としては十分とはいえませんが,大きな収入源であることに間違いありません。不足する分だけを自分で稼ぐという方法も選べます。

公的年金は増やすことができます。その方法は,①厚生年金に加入する,②収入をあげる,③長く働く,の3つです。