✅50代で「腐っていく人」「花開く人」の差は!✅50代は「無敵」だと出口治明氏!🌈歪んだ仕組みから抜け出すチャンス?🌈「五十路の壁」を越えよう!

・人の一生にとって50代がいかに重要な時期であるのか。立命館アジア太平洋大学APU学長の出口治明さんのお話しからヒントを見つけたいと思います。

・出口さんは、58歳で長年、勤めた日本生命を退職し60歳でライフネット生命を起業。2018年の70歳で立命館アジア太平洋大学APUの第四代の学長に就任しました。

・現代の「知の巨人」の一人であり、年間1万冊の本を読み、著書も4冊を超えます。

・昨年、脳出血で倒れましたが、懸命のリハビリテーションに取り組み、学長に復帰。車いすやタブレットを使いながら仕事を続けていらっしゃいます。

・今回は、その出口さんの2020年5月8日『THE21』のインタヴューをもとに、「五十路の壁」について考えてみます。

1.50代の立ち位置を再考すると「無敵」である!

・出口さんは、49歳で左遷され、55歳では子会社出向になりました。(あの出口さんでさえ、左遷に子会社ですから、わたしたちも「なんとかなるさ!(笑))と理由なく思えてしまいます。)

・この頃の悔しく、苦しい心境をいろいろな著書に書かれていますが、心の支えになっていたものが『人・旅・本』の思考と態度でした。

・辛い時代を経て、歴史から学んだそうです。それは、以下のような言葉になっています。

 by 出口治明
 “人生というものは99.9%思うようにならない。
 成し遂げたい事があっても達成できないままに死んでいく人がむしろ普通なのです。
 しかし、そんな人生の中でもわずかに残された0.1%の可能性を信じて挑戦し続けなければ、何かを成し遂げることはできません。人が思わなかったことは100%実現しないのです“

・つまり、出口さんも特別な人間ではありません。人生後半戦で成功するかどうかは、「ちょっとした意識の差と準備」にすぎないと言います。

・役職定年を迎え、定年退職を意識し始める50代は、会社人生の下り坂。そう考える人も、少なくありません。

・その背景に日本固有の問題があると、出口さんは述べます。長いですが、重要な指摘ですので以下に引用します。

・by 出口治明
“新卒一括採用・終身雇用・年功序列・定年退職、この四つのワンセットの制度がすべての元凶だと指摘する。
この奇妙なワンセットの労働慣行は日本にしかありません。高度成長と人口増加を前提に成立した制度で、すでに制度疲労を起こしています。
 高度成長の中、恒常的な人手不足解消のために採用した人間を囲い込むべく、終身雇用と年功序列が定着しました。一方で、高齢者のボリュームが際限なく増えないよう、定年が設けられたのです。個人の自律性が、日本にはない。個人は制度に合わせて我慢を強いられているのです。
四つの制度は、さらに非人間的な仕組みを発生させた。それは、転勤です。終身雇用で一生面倒をみる以上、複数の事業所を経験してもらおうという考え方ですが、これは二つの点で人間性を無視しています。
一つは、社員にとっての家庭を『飯・風呂・寝る』のみの場に限定し、地域との関係を後回しにさせること。もう一つは配偶者の――多くの場合は妻の仕事や人生を無視していることです“

・しかし、だからこそ、50代には大いに可能性があるのだといいます。なぜかと言えば、これらの歪んだシステムから解放されるチャンスの時期が、60歳定年前の50代だと捉えられるからです。

・身体的な年齢は、昔の65歳よりも若いのだと。ならば70歳を過ぎてもバリバリ働けます。5年後には後期高齢者入りする団塊世代が約200万人いる一方で、新しく入ってくる社会人は約100万人。職業さえ選ばなければ、仕事は山ほどあります。

・今のうちから、勤め先と別の働き場所を開拓すべきです。企業はもちろん、NPOやボランティアの場を探すもよし、友人と起業を検討するもよし。週末や空いた時間に、様々な場に顔を出して、50歳以降に何をしたいかを考えましょう。これまでに積んだスキル・経験・人脈が大いに活かせるのも、50代ならではの強みです。

・さらにもう一つ、利点があります。この年齢になればたいてい、手の掛かる子育ての時期を終えています。「体力・労働力不足・スキル・子供の独立。四つの好条件がそろった50代は、まさに無敵なのです」と出口さんは鼓舞してくれます。

2.50代で「腐っていく人」「花開く人」その差は?

・冒頭に取り上げた「五十路の壁」について、改めて考えてみます。

・若い頃は、将来が未知数ですから『上司に嫌われないようにいい顔をしておこう』などの努力もするでしょう。しかし50代になれば、会社人生の先行きは見えますから、『今さらゴマを擦っても出世できない』と見極めもつきます。つまり、年齢が上がるにつれ、「思い切り」がつきやすくなるものですね。

・出口さんは経験済みです。50代は、社内の出世コースから外れた時期だったのです。

by 出口治明
“ロンドンから帰国後、国際業務展開にとりかかったのですが、就任した新社長と考え方が違ったのです。結果、49歳で国際業務部長の職から外されて営業職へ、さらには55歳で子会社へ出向しました”
“おかげで、自分のために使える時間がたっぷりとれました。その時間で、保険業界で培った知識をまとめた著作を執筆。ほかにも新たな資格を取得したり、東大総長室のアドバイザーという副業を始めたり。そうした活動の先に、偶然、58歳での起業という新しい道が開けたのです”

・まずは、50代サラリーマンを取り巻く歪んだ4つの仕組みに気づき把握すると、歪んだ仕組みの中で起こっていた自分の意識の歪みにも気づきます。そこから、本来自分が何をしたいか、何ができるか未来への方策が見えてくるのではないかと述べます。

・旧来の価値観にしがみつく人全般を、性別年齢を問わず『おっさん』といいます。ということは、50代がこれから『脱おっさん』を図ることもできるのです。

・もう『おっさん』意識を捨てましょう。『おっさん』は、今は憐れみの対象に成り下がっています。体力も、気力も、知力?(笑)も、まだまだ若いのです。今が一番若いのです!パラダイムシフトを図り『脱おっさん』を為しましょう。

・パラダイムとは一言でいうと、「物の見かた」です。姿かたちの『脱おっさん』も大切ではありますが、わたしがもっとも重要だと指摘したいのは、「物の見かた」の『脱おっさん』です。新しいことに挑戦し、体験することで、旧来の価値観から脱却するのです。

・そうしたパラダイムの転換を準備すれば、その先の人生を楽しめるはずです。

・自分の意識が歪んでいることに気付くかどうかが、この先、大きな差になって表れるのが50代です。わかり易くいうと、「サラリーマン脳」から脱却して「自分脳」で考えることに尽きるのではないでしょうか。