✅40代なら飛べそうな気がする! ✅しかし、50代になれば景色は一転して変わっている!🌈逆張りもあっていい?🌈会社にしがみ付くのも才能ですよ!

・中高年サラリーマンにとって、「正しいサラリーマンの生き方」とは何か。みなさんと一緒に考えてみます。

・50代になったら、「正しいサラリ-マン」を卒業してもいいのではないのか。「逆張り人生、上等!」という考えもあっていいのです。

1.元エースがたどり着いた答えとは?

・記事によると、Tさんは、1975年生まれの47歳。東京大学を卒業してサントリーに入社。アメリカに留学しMBAを取得。絵にかいたようなハイスペック人材といいます。

・サントリー在職中には、新商品の開発に携わり「特茶」などの大ヒットを飛ばし、看板商品の「伊右衛門」「烏龍茶」のブランド戦略も担当した、文字通りのエースでした。

・2019年3月、43歳でサントリーを退社しました。日米で起業したのです。

・「自分らしく生きたいな、自分にしかできないことをやりたいな」と、自問自答した果てにたどり着いた答えだったそうです。

・その大きなキッカケとなった出来事がありました。2015年にその能力を高く買われ、新規事業を推進するプロジェクトチームに異動し、アメリカで「抹茶」ビジネスを展開します。ところが、日本側の上司が異動になると急転直下、「日本に戻って違うことをやってくれ」。人事異動が発令されました。Tさんにしてみれば、それまでの経緯をまるで無視した、あまりにも理不尽な処遇に感じました。失意のうちに帰国します。

・Tさんは、上司に「部長になれますか」と聞いたことがあったそうです。そうしたら、『いやそれは無理、まだ若いからね』と返ってきました。「正しいサラリーマンの生き方としては、あと何年か課長をやって、上司が出世した段階で引き上げてもらってという事なのでしょうね」と感じています。

・会社を離れて違うやり方を探せばいい。そして、退職して自分で挑戦を続けることを決意します。友人と奥さんの後押しもあって、ついに、21年間勤めた会社を退職し起業します。

2.会社にしがみ付くのも立派な人生、辞めたいなら何ができるか外に目を向けよう!

・40代なら、まだ遠くへ飛べそうな気がする。失敗しても、もう一度やり直しがききそうだ。子どもも、まだ小さい。金がかかるようになるまでには時間がある。妻も若い。きっと応援してくれるだろう……。

・ところが50代になれば、まったく景色が違ってくる。体力も衰えている。白髪も増えた。意欲もなくなってきた。

・子どもは大学進学で仕送りも増えた。住宅ローンもまだ1000万円以上残っている。

でも会社に残っても出世は見込めない。後輩に先を越されて、腹が立つことばかりだ。辞めたい。でも辞めたら、その日から路頭に迷うかもしれない。でも、でも……の繰り返し。

・わたしの40代の前半は、本社勤務にも慣れ、仕事は重要なプロジェクトを任されるようになり、頗る順調で、会社での立場も日々上昇していた。プライベートでは、一戸建て住宅を建て、家族4人での暮らしを謳歌していた。

・しかし、40代中盤で、ハードワークと大学院での研究生活に加えて、職場の人間不信に陥り、心労が重なり「うつ病」を発症。会社にも、家族にも随分と迷惑をかけた。

・地方での単身赴任管理職を挟んで、50代にまた、本社に戻った。意気軒高だったのも束の間、過去の言動が祟り、当時の経営トップから「絶対、昇進させるな!」との下命が出ていることを知ったときは、「なんでわたしが…」と恨みもしたものです。

・それでも、50代前半までは、「子供たちが大学を卒業し、独り立ちするまでは何があっても頑張ろう」と、家内から叱咤激励されながら、やってきました。

・会社員も50代になれば、はっきり出世の明暗が見えてきます。閑職に異動となり、「安定した身分と給料を取り、仕事に喜びを見出せないまま今の会社にしがみつくべきか」、それとも「新たな道へ踏み出すべきか」と悩む人も出てくるでしょう。

・前半に書いた「元エース」のような人ばかりではありません。ごく「フツ-」の会社員が、安定した身分と給料をほっぽりだして、家族を路頭に迷わす道を選択するのはほぼ困難です。昭和の頃はいざ知らず、今の時代は、妻から離婚を切り出されて、「はい、御終い!」となるでしょう。

・さらには、会社員なら、いずれは閑職への異動や第一線を退くのは当たり前で、甘んじて受けるべきです。これが「正しいサラリーマンの生き方」でしょうね。

・江上剛氏『50代の壁』(PHP文庫)に興味深い、江上氏ご自身が体験したことが書かれています。50代会社員の市場価値とはどういうものかが、かなりリアルにわかります。以下に要点を抜粋します。

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“私は、ハローワークに相談に行ってみたことがある。すると、相談員に大声で「あなた、甘い!」と叱られた。職業紹介依頼の書類の希望年収欄に、銀行員時代にもらっていた金額での希望収入を書いたからだ。
相談員は「50代になると、この人手不足の中でも、1歳上がるごとに10パーセントの求人が減ります。ですから60歳になると、ゼロになります。ドーンと」。
「あなたは何ができますか?」
相談員が聞く。
「支店長でした。実績を上げました」
私は答える。
「支店長とは何をするのですか」
「……」

私は沈黙。
「人事制度を最初から作れますか?」
「……」

再び沈黙。
人事制度? 人事部にはいたけど、そんなもの作ったことがない。
「作れないのですか?」不機嫌そのもの。
「作れと言われれば、作りますが……」
自分のことながら、自信のない答え。
「あなたねぇ、前の会社でどれだけ偉かったか知らないけど、そんなの関係ないから。職務分析して、自分にどんなスキルがあるかが勝負なんだから。若い人なら、会社は安く、長く使うことができるけど、あんた50歳を過ぎてんだよ。高い金で短い期間しか使えないんだ。そんな買い物、あんた、する?」
「……しないです」
「そうでしょう。当然だよね。高くて不味いレストランに誰も行かないのと同じ。今、あなたはそんな状態なの。冷静に自分に何ができるか考え直して、出直しなさい」

彼は、私に書類を突き返した“

・江上氏は、この現実に「完全に打ちのめされた。本当にショックだった。私には市場価値がない。これが現実なのだ。…私には多少自信があった。しかし、すべては勘違い」と、猛烈に反省します。

・そして、部長をやった、支店長をやっていたといってもそれはポストだけであって、そこで具体的に何をして、どんなスキルを身につけたかが問題なのだということではないでしょうか。

・65歳定年制も70歳まで延びそうだ。年金支給年齢も年々、後ろ倒しになっていく。会社にしがみつくのも才能だと思います。逆張り、結構!恥ずかしくないから会社にしがみつく!のが、もっともストレスがなく、安心して70歳まで働いていられる方法かもしれません。

・それでも辞めたいというなら、いったい自分は何をやりたいのだろうか、何をやりたかったのだろうかと、じっくりと内省することになります。

・わたしは、迷いに迷い、結論を出すまで5年掛かりました。長い方では10年掛かったという人もいらっしゃいます。ですから、その覚悟がある方や、自分の人生に疑問を感じている人は、なるべく早く、自問自答の世界に入った方がよいです。辛く苦しいトンネルへようこそ!