✅72歳で脳卒中✅右半身麻痺と失語症の状態から学長に復職!🌈やりたいことは、それをできる体力と気力があるうちに済ませておくのが一番🌈いまこそ『還暦からの底力』(出口治明著)の金言・名言を我らに!

・定年をターニングポイントにして、これまでの人生で経験したことのない「お金」、「働き方」、「生き方」、「家族関係」、「人間関係」など様々な課題や難題が起きてきます。

・これらをリアルタイムで経験し、周囲にインタビューし、研究してきた同世代の筆者が発信しています。

・今回は、72歳で脳卒中になり、辛くて苦しいリハビリに励み、遂に「復職」を遂げた「知の巨人」出口治明さんを取り上げます。

・定年世代の幸せづくりのヒントになれば嬉しいです。

1.脳卒中に倒れる!


・出口治明さんは、1948年生まれの74歳。

・ライフネット生命保険株式会社の創業者になったのが還暦の60歳。現在の立命館アジア太平洋大学(APU)の学長になったのが古希の70歳という、いうなれば超遅咲きの起業家経営者です。

・多くの著書を世に出し、多くのファンを獲得しています。筆者も愛読者の一人です。

・日本人の死因の第4位が脳卒中になっていますが、出口治明さんも2021年1月に脳卒中を発症。リハビリ生活を送ることになりました。

・失語症や右半身麻痺など重度の障害が残りました。

・1年以上におよぶ懸命のリハビリテーションの結果、2022年3月に74歳で、立命館アジア太平洋大学(APU)の学長にカクバックを果たしました。たいへん、おめでとうございます!

2.「人生100年時代」を力強く生きる出口流の名言


・出口治明さんといえば、これまでも多くの深い洞察に満ちた名言を発信しています。

《出口治明さんの言葉》
「賢い人や強い人が生き残るのではない。ダーウィニストが言うように、状況の変化にいち早く適応した者だけが生き残るのだ」
「書物を通じて過去に生きた先人の思考に触れるにつけ、人知を超えた大きな時代の力が働いていることを実感します。」
「人は一人で生きていくことはできず、常に他人や時代といった社会との関係性のなかで生かされているのです。」
「仕事(ワーク)は人生の3割、残りの7割(ライフ)の方がずっと大切で、それはパートナー、家族、友人だ」
「人生が楽しいかどうかの判断基準は、喜怒哀楽の送料である」

・なかでも、私のもっとも感銘を受けたのは、「本当の教養は人、本、旅で作られる」という名言です。いつも大切に、胸にしまっています。

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・その出口治明さんが、2020年に、直接的に定年世代に向けて表した一冊が『還暦からの底力』(講談社現代新書)でした。

還暦を超え、仕事、カネ、家族とどう向き合うべきか。改めて人生と向きあおうとするわたしたち定年世代に、「人生100年時代」を力強く生きる出口流の考え方を説いています。

出口氏の言葉の数々は、深い洞察に満ちている。たとえば、本書には次のような一節があります。

「『仕事が生きがい』という考え方も、自分自身をなくしてしまうことにつながりかねません。(中略)それよりも人間の幸福にとって大事なことは、食べて寝て遊んで子供を育て、好きな所へ行き、いいたいことをいえることです」

・「労働に費やす時間は、一人の人間の人生の持ち時間のなかで、だいたい2割ほどのウエイトを占める。そこで力を尽くし、成果に向けて努力を積み重ねることは、大切なことだろう。だが、何事も、極端に走れば歪みが生まれてくる。」

・なかには「たった2割」に自分のすべてを費やしたまま定年を迎えたがゆえに、仕事に対する熱意が、いつの間にか「肩書」への執着へと変わってしまう人がいると、いいます。

・「社友会などに顔を出し、偉くなったかつての部下たちに先輩風をふかし、満足する。そんな定年後はみっともない。老兵はただ去りゆくのみ。会社とは違う新たな場所で、自分のやりたいこと、やるべきことを見つけるほうがずっといい」と、いいます。

・また、人間の本性についても出口氏の印象的な言葉があります。

「人間は猪八戒のようなもの。つい怠けるし、異性にはすぐ心が動くし、美味しいものには目がなくていっぱい食べてしまう」「自分の人生は、本当にこれで良かったのか。もっと立派なことができたのではないか」

・人間はどうしても、他人に対して格好をつけたくなる。実態以上に自分をよく見せようと、ついつい、いらぬ見栄をはってしまうものです。

・「だが、一皮剥けば中身はみな同じ。誰かに引け目を感じる必要などない。怠惰な自分を許して構わないのだ。」

・そして、当たり前のように過ごしてきた日々の中にこそ「本当の幸せ」があると、出口氏は説きます。

・「人間の幸福はそれほどたいしたものではない。ご飯を食べられて横になれる寝床があって、子供を安心して育てられ、好きなところに旅ができて、上司の悪口を目いっぱいいえれば、あまり不満は生じない」

・職場や近所づきあいなど、いくつになっても人間関係の悩みは尽きない。それは、「自分は自分、他人は他人」という踏ん切りがなかなかつかないからです。

・当たり前のことだが、人は死んでしまってから後悔することはできません。死の床についたときに、「あれもこれもやっておけばよかった」と悔いを残しながら死んでいくのは、あまりにもやるせないものです。

・そうならないために、やりたいことは、それをできる体力と気力があるうちに済ませておくのが一番だ、と述べます。

・こうした出口氏の考え方の根底には、人生に対する徹底した「楽観」が横たわっています。あらゆる状況を考慮しながらも、物事を前向きに捉えることが、人生を実りあるものにするうえで必要な姿勢ではないでしょうか。

・次回は、復活までの軌跡を書いた『復活への底力』(講談社現代新書)から、金言・名言をお届けします。

・最後までお読みいただきありがとうございました。

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