✅長嶋茂雄さんは還暦を迎えたとき「初めてでよくわかりません」と言った(笑)!✅50代からは自分で自分の肩書を考える!🌈「職業」欄には何と書きますか?

・今回は、2023.1.31のプレジデントオンラインに掲載された『島耕作』シリーズなどで有名な漫画家の弘兼憲史さんの記事から、50代から意識しておきたい定年後の「肩書」作りについて考えてみます。

1.長嶋茂雄さんは還暦を迎えたとき、インタビューで「初めてでよくわかりません」と言った(笑)!

・弘兼憲史さんは、1947年生れの75歳になられます。

・漫画のほかにも、自身のご経験を踏まえた本やエッセイもお書きになって、精力的に「同時代」を語っています。

・シニアに差し掛かる60代について、弘兼さんは「まだ」と「まだまだ」を大切にしようといいます。

・「もう」という言葉は、「歳だから」という言葉につながります。「もう歳だから」と自覚したときから、ほんものの老いは始まります。

・「もう」ではなく、これからは「まだ」を口癖にしたいものです。

・引退とは、それで人生が終わりというものではありません。「もう歳だから、これはやめる」という意味にすぎず、これから始まる第二の人生で、ほかのことなら「まだ、できる」ということです。

・――歳はとりたくない。――いつまでも若くありたい。そんな声をよく聞きます。でも、そうでしょうか。老いをわたしは受け入れている、と述べます。

・かつて「老人力」という言葉が一世を風靡しました。作家・赤瀬川原平さんのベストセラー『老人力』(筑摩書房)がきっかけでした。

・老人力というのは、いい意味で少し開き直った感じなのです。たしかに物忘れはするし、階段を上がれば息が切れます。

・そのとき、「おお、自分もしっかり成長しているな」「ちゃんと老いてるな」と思えれば、これこそ究極のプラス思考です。老いもまた成長ととらえるということです。

・たしか長嶋茂雄さんだったと思います。還暦を迎えたとき、インタビューで感想を聞かれて、こういったようなことを言っていました。

・――「初めてでよくわかりません」(爆笑)

・老いは経験したことがありません。だから老いを受け入れ、楽しもうと思っているわけです。

・その差がきっと、あなたの老後を楽しい発見の時間にするか、若いころを思って嘆く時間にするかの差になっていくのではないでしょうか。60代を迎えることができるというのは幸せなことだと思います。

・肩書きについて、弘兼さんは「定年になったら、肩書は通用しない、というのはよく聞く言葉です。
でも肩書に代表される過去から離れられないのもまた人間の弱さです。頭ではわかっていても、実行できないというわけです」と、洞察します。

・弘兼さんがタクシーに乗ったときに、運転手さんからこんな話を聞いたことがあるそうです。

「以前、わたしはハイヤーの運転手をしていました。あるとき、『すみませんが、これから乗せる老人を会長と呼んでもらえますか』という依頼を受けたことがあります。上場企業の元会長さんだったらしいですが」

・経済的には裕福なお客さんなのでしょう。会社を離れてからも「会長」と呼ばれたいことに、なんともいえない「哀れ」を感じたといいます。

・でも、この老人が特殊なわけではありません。人は地位の高さに比例して、こだわりが強くなる傾向にあります。

・断る勇気がほしいですね。「わたしを肩書で呼ぶのはやめてください」と。

・肩書をとる――そこから、あなたの新しい人生が始まると思いますよと、問いかけます。

・わかり易く言うと、「裸になれ」、ということです。

・60代は「もう一つの青春」の始まりです。肩書という古くさいしがらみこそ青春にふさわしくありません。肩書がほしいなら、新しい肩書をつくりましょう。

・「元」「前」はみっともないことだと思いましょう。なぜなら今が輝いていないから、そう呼ばれているということだからです。

・では、定年後に「肩書き」がなくなっても大丈夫なようにするには、何ができるか。つぎに、自分のプライベートな「名刺」を作ることについて、考えてみます。

2.肩書きをサラリーマンのうちに作ることの大切さ!

・定年のときに失うものはいくつかありますが、その代表が「名刺」です。

・名刺はサラリーマンにとっての象徴です。

・名刺が無くなるということは、「会社」の後ろ盾と、売りものである「商品」の両方を一度に失うということです。それでもあなたがそのあと何か別の仕事をできるとしたら、それこそが「自分」の実力です。

・そもそも、多くのサラリーマンは就職活動の際、有名な大企業や優れた商品をもつ会社に入社したいと願っていたはずです。その選択は安定した給料がもらえるという意味では正解です。

・しかしながら、「会社」と「商品」の強い会社に長年勤めると、そこを去るとき「自分力」の弱さに愕然としかねません。この落差とそれに伴う精神的ショックは極めて大きいです。

・わたしも子会社に行って少しわかりました。営業に行った先で、名刺を渡すと「何?それ?」みたいな雰囲気になったことがありました。

・田中 靖浩田中公認会計士事務所所長は、「50代の生き方がカギだ。会社という後ろ盾をなくして精神的なダメージを受ける人は多いが、打開策はある」といいます。「自分の名刺」とはサラリーマンではない「あなた自身」の名刺です。

・自分の名刺をつくるに当たって、重大なヒントは、「自分の職業とは何か?」についてしっかり考えることだと、田中さんは述べています。

・自分で自分の肩書きを考える──これは、マインドセットの転換であり、「フリーランスへの第一歩」といえる行為です。

 ほとんどの日本人は自分の職業について真剣に考えたことがありません。なぜならほとんどの人は「会社員」あるいは「公務員」のことを自分の職業だと思っているからです。
 よく氏名・住所に併せて書かされる「職業」欄の会社員・公務員にマルを付けるうち、それが自分の職業だと思ってしまうのでしょう。
 「○○会社の会社員」「△△市役所の公務員」それは所属・勤め先にすぎません。

・田中さんは、職業とは「どんな仕事をしているか/何を目指して働いているか」の内容だと定義し直します。つまり、「変わらない自分の仕事や信念」、それこそが己の職業です。職業観と言っていいでしょう。

・その枠組みを通じてどんな仕事をしているのか、何を達成しようとしているのか、それをしっかりと考えます。そこまで突き詰めて考えた末に、自分の言葉で表現されたものが「自分の職業」です。

・これは資格でも同様です。税理士、ファイナンシャルプランナー、中小企業診断士、行政書士それらは名称にすぎません。その資格を通じて自分はどんな仕事をしているのか、何を顧客に提供したいのか、ライバルとのちがいはどこか、それらをしっかり言語化することが重要です。

・50代になったら、「自分の職業」を「所属・肩書き・資格」とは別に考えておきましょう。それを名刺に書き、相手に簡潔明瞭に説明することで、はじめて相手はあなたのことを理解できます。