✅置かれた場所で咲けないときもあるのです!✅勇気を持って逃げること、降りることも時には大切!🌈71歳「包丁研ぎ職人」の幸せとは?🌈信念の一貫性があればよい!

・話題のベストセラー『ほんとうの定年後「小さな仕事」が日本社会を救う』(坂本貴志著、講談社現代新書)には、50代、60代の中高年会社員にたいへん有用な定年後の実態が載っていて、小気味いい本です。

・そのなかで、興味を引いた定年後のキャリアの事例から、逃げることを“恥”としない生き方を自分自身が許容することの大切さについて、考えてみたいと思います。

1.71歳、年収150万円、包丁研ぎ師のワケ

・作中に登場するHさん(実際は氏名が掲載されているがここではHさんとします)は、71歳で自営業をしています。職業は「包丁研ぎ師」です。65歳で再雇用を終えたあとに選んだ自営の仕事です。

・なぜ、わたしが興味を抱いたかと言うと、今年66歳になる大学時代の友人が、師匠に弟子入りし修行した結果、ほんとうに「包丁研ぎ師」になったからです。実際に、ご注文を受けています。

・その人は、もともと自営業をしていますので、転職ではありませんが、趣味が高じて売れるスキルになったというわけです。

・さて、Hさんの話しです。Hさんが71歳で「包丁研ぎ師」に至ったプロセスがとても、勉強になります。以下に要約します。

・大学を卒業後、初めての就職で大手住宅メーカーに入社し、住宅営業の仕事に携わります。

・毎日の勤務時間が長くなり、休日も無く働いた結果、仕事と生活のバランスと取りたいという考えから、入社4年後、異なる業界に飛び込むことを決めます。

「今では業界もだいぶ変わってきましたが、当時は業界の慣行とかやり方っていいますかね、変えられない部分が多いなって思ったんです。そこに一生付き合うのは無理だと思って、そしたらもうやる気もなくなってきて。これはもう違う職に就こうというのが、その頃の気持ちの持ち方です」と、Hさんは述べます。

・次の仕事に選んだのは、日本でも有数の学生数を誇る関西の私立大学職員。営業職として仕事をしてきた経験から、大学の学生募集の仕事に携わります。

・Hさんは、「高校の学生さんにどういった形でアプローチするかを割と長いスパンで計画を立てる。それである程度多くの人を相手に話をするっていった仕事が、やってて面白いなって思いました」

・途中、東京事務所への転勤なども挟みながらも、学生への営業の仕事を継続します。しかし、現役時代を通して意欲をもって仕事をしていましたが、結果として管理職に就任する機会はありませんでした。

・学校での定年は60歳。定年を迎えた後、65歳まで再雇用で勤務しました。

・65歳までの5年間、なんていうのかな、終わりが決まっていたのでもう腹をくくってやってこうかなっていうことで。自分なりに充実感を持って仕事をしたいなと思ってやっていました。

・再雇用の5年間は、彼なりに学びがありました。職場にいる同僚とのかかわり方も、時の経過とともに変わり、職場で様々に工夫を行うことになる。同僚との接し方については、役職を解かれた後のほうがむしろ難易度が高いと感じた。

「管理職であれば一定の権限を付与されてるから、発言にあまり中身がなくても、メンバーはいやが応でも従うんです。でも、我々はもはや純粋に中身でどう相手にありがたみを感じてもらえるかしかないですよね」

・再雇用の終了を機にかねてから興味を持っていた包丁研ぎの仕事へと、大胆なキャリアチェンジを図りました。シルバー人材センターで受けた講習がきっかけだったそうです。刃物店が主催するスクールに2回ほど参加し、ほどなくして独立します。

「一人でのんびりやっていける仕事がいいなと思って、包丁研ぎの仕事はそういう意味でも自分にはあってるのかなっちゅう部分がありますね」

・包丁研ぎの仕事の魅力はなんだろうか。次のような答えが返ってきました。

「今は目の前のお客様がすべてです。包丁をお預かりして研ぎ、完了したら、研いだ箇所と研ぎ方を説明してお渡しする。それで終了するので、気分的にはとても楽です。丁寧に研いで一本当たり1時間かかります。種類によって研ぎ方が変わり、切れ味はもちろん、光沢も全く別物になります。それがとても楽しい。仕上げ品を直接手渡して、お客様に喜んでもらえた瞬間は最高です」

2.勇気を持って逃げること、降りることも時には大切!

・それが自分自身で選んだ環境でも与えられた環境であっても、楽しく過ごして幸せになれれば言うことはありません。自力ではいかんともしがたい環境ならば、“恥”の意識をかなぐり捨てて、時にはそこから逃げてしまうことも大切です。

・シスターの渡辺和子さんが書かれた『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎)が、以前大変なベストセラーになりました。

・日本人の感性に訴えるのはどうしてでしょうか? 耐え忍ぶことに美意識を持っています。「我慢強さ」「責任感」が強い傾向にあるのではないでしょうかね。

・人間がみなそれぞれ置かれた場所で花を咲かすことができれば良いのですが、どうしても耐えることができない場合もあります。

・実際、置かれた環境が自分に合うか合わないかはご縁の問題なので、己の能力や努力だけでは残念ながらコントロールできません。人間の適応力にも当然限界があり、職場や学校などの環境が自分に合わず、悩みに悩んで自死を選ぶ人たちが後を絶ちません。

・強いストレスを感じている人は周囲に相談することも重要ですが、本当にどうしようもないときには、思い切ってその環境から逃げることも大切です。

・日本では、逃げることが古くから“恥”であると捉えられていますが、その後をしっかり生き抜くことがやはり重要です。

「人は、現実に進んだ道を「正解」にしちゃえばいいんですよ」とは、落語家の林家木久扇さんの言葉。結局のところ、一番大切なことは、逃げたこと自体ではなく、逃げて本当に良かったと思えるような生き方が、その後にできるかどうかです。

・充実した人生を送ることができれば、逃げたことも正解」に変わってしまうのです。勇気を持って逃げることも大切である、ということを忘れないでおきましょう。

・もう一つの「逃げるな」圧力に、「一貫性」という言葉が関わっているように思います。「あの人の意見は常に一貫していて、尊敬できる」という場合の「一貫性」です。

・わたしは、一貫した選択と生き方をしてきただろうかと考えることがあります。「三日坊主」や「何をやっても長続きしない」というような自分の行動を“恥”、“恥ずかしい”、“弱点”と捉えているわけです。

・しかし、これも心配する必要はないように思えてきました。最近、「やってきたことの一貫性」と「信念の一貫性」は別物である」という名言に出会いました。

・コピーライターの梅田悟司が著書『きみの人生に作戦名を。』(日本経済新聞出版)のなかで、語っていらっしゃいます。

「やってきたことはバラバラに見えても、それぞれは私の意志や興味に従って行動を起こしてきた。私は私のことを、やってきたことではなく、信念の一貫性で評価することにしよう。」

・71歳で「包丁研ぎ師」になられたHさんにもおそらく通じることだと思いますが、意識的に振り返りの時間、内省の時間をとることで、何かを前向きに諦め、新しいことをはじめる勇気を手にすることができます。そして、自分が何に貢献しながら生きていくかを、明確に描けるようになります。

・だから、前向きに逃げてもいいのです。

・最後までお読みいただきありがとうございました。

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