✅定年前に考えていたこととのギャップ! ✅定年後の現実とは!🌈はじめは戸惑って当たり前、時間が解決してくれる面も 🌈多くの人が自分らしさを見つけて働いていました!

・定年退職者は、定年を迎えてどのように働き方を変えていったのか。実際に、定年後の働き方を見直すプロセスについて、インタビューの内容からみてきました。

・ここでは、さらに、調査対象者の生の声を掘り起こし、定年前に考えていたこととのギャップと、定年後のリアルについて考えます。

・前回、表で示した4つのグループの、(1)継続雇用同じ職域、(2)継続雇用違う職域、(3)転職同じ職域、(4)転職違う職域、ごとに対象者一人ずつ、ていねいにみていきましょう。

1.(1)継続雇用同じ職域グループ

・はじめはAさん。旅行会社勤務、新規事業の旅行商品に取り組んでいる62歳。

・定年前、定年後について考えていたこと。「長い間、旅行業をしてきたから知識もあるし、国内、海外も転勤を経験してきたから、今の会社で職務を継続できるといいと考えていた」「60歳定年を迎えた時は(役職定年58歳で異動になった先の部署で)同じ仕事をしている。現在もフルタイム、通勤もかわってない」

・定年を迎えて、変わったこと。「定年後も働く人が増えて、若い人の間では今後(会社が再雇用者を)どう使おうとしていくのかと思っている人もいるんじゃないかな」「(定年後)働き始めて数年で辞めてしまう人達もいる」「データ入力を頼まれたりするらしい」「営業も同じように販売目標を持って仕事するのも大変な時あるんじゃないかな。外回りの商談は得意でも会社に戻ってから、パソコン打つのは苦手な場合もある」

・定年後の働き方で思うこと。「私は運が良かったと思う。得意であり、楽しい仕事をできていると思う」「40代の頃には60歳前後の人達のことは解らなかったから偉そうなことは言えない」「年齢に関係なく楽しく働ける会社になるといいなと思う」

・次に、Bさん。バス会社で企画部に勤務している61歳。

・定年前、定年後について考えていたこと。「マンションのローンも残っていたから働きたいと思っていました」「57歳のときに、役職も業務も変わって、モチベーションが下がった時期があった」「ここで辞めても中途半端になると思って、辞めなかった」

・Bさんに大きな転機がくるのは、ちょうどその頃に、母親が病気で入院したことでした。「それまでは、何より仕事優先だったけれど、自分で時間調整できるようになってたから、あー、これ(夕方、母親の病院へ見舞いに行くこと)もありかなって」

・定年を迎えて、変わったこと。「定年になったからって、変わったってことないかな」「部長職も変わってないから、周囲の人達も、あんまり意識してないんじゃないかと思います」

・定年後の働き方で思うこと。「健康な限りは、今の会社で働きたい」「長い間働いてきたから、知り合いも多いし楽しい」「自分が育てた若い人達もいる、やりがいをもって働ける会社」
(Cさんは定年前なので取り上げない。)

2.(2)継続雇用違う職域グループ

・このグループのはじめはDさん。航空会社で研修センターの講師を務める64歳。

・定年前、定年後について考えていたこと。「定年になったら、気持ちは切り替えようと決めていた」「定年は会社をクビになること、だから、定年後は前に出ない、責任者の立場にない、若い人に任せる」「どうしても自分の仕事のやり方が正しいと思ってしまう。そういう態度、言動は余計なことだ」「定年後は健康第一と考えていた」

・定年を迎えて、変わったこと。「突然、研修センターへ異動」「このままの部署でいいと思っていたので「え?なんで」と」「経験もないし、自分では一番向いていない仕事のように感じた」

・定年後の働き方で思うこと。「65歳からも、どこかで働かないと、健康のために」「家には、もう一人いる、24時間いっしょに何日もいたら、そりゃ大変」

・次はEさん。ホテル事業から同じグループ会社の不動産駐車場事業へ転籍した62歳。

・定年前、定年後について考えていたこと。「子供がまだ大学生だから、働かないわけにはいかないだろうと、考えていた」「今までのホテル関連の会社で働きたいし、要望を提出していた」

・定年を迎えて、変わったこと。「最初は、なぜ、今までの業務と違う不動産事業会社へ異動になったのかと戸惑った」「職場環境も仕事内容も全く違っていた」「自分がいた事業部から出向した人もいなかった」

・定年後の働き方で思うこと。「さみしいよ、以前より権限もないし、給料も半分だし」「自分では頑張っている方だと思う」「今はほぼ暦通りに休めるし連休も希望すれば取れる」「恵まれている、運も良かった」「会社からはいてほしい、と言われているけど、精神的にどうか、今はいつまで働くかは解りません」「会社の中で必要とされているかを、感じられるかどうかだと思う」「定年後の待遇は、頭では理解していても現実を受け入れるのは、なかなか難しい」

・このグループの最後は、Fさん。機器メーカーで製品を展示する博物館長を務める66歳。

・定年前、定年後について考えていたこと。「(グループ会社で再雇用になる)今までと立場が変わるのだから、まずは、気持ちは切り替えようと思っていました」

・定年を迎えて、変わったこと。「最初は、戸惑いました。まず、部下がいない、責任がなくなる」「責任がなくなるって、こういうことなのかって、ある日、出勤するときに元部下が自転車で通り過ぎていった、挨拶しなかったんです。しばらく違うルートで出勤しました」「意識を切り替えなくてはならない、職制を通して離せませんから」「やりきれなくなる時があった」

・そんな日々を送っていたある日、博物館がオープンして、2人でやっていた同い年の相方が、60歳少し前に、病気で帰らぬ人になります。「それは、辛かった」と語ります。

・定年後の働き方で思うこと。「口出しは一切しないようにしている」「違う位置にいる、そうしなきゃいけない。そこは、きちっと切り替えている」「周囲の皆も分かってくれていると思う」

3.(3)転職同じ職域グループ

・このグループには、2名います。

・まずは、Gさん。政府系銀行からフェリー会社に出向転籍し、何度か異動した後、退職後は地域開発企業に勤務する65歳。

・定年前、定年後について考えていたこと。「単身が長かった(約10年)、とにかく一度、家族の元に戻ろうと思いました」「単身生活が面倒になったんです」

・転職して、変わったこと。「銀行から出向や転籍しているので、(知らない組織で働くのは)なんともなかった」「まあ、郷に入れば郷に、どっちかというと、エリートと自分で思っている人なんかはね、共通の土壌の人達の組織なら上手くいくんだろうけれど」「俺は偉いんだと思うと上手くいかない」「でも、それは定年に関係なく、どの段階でもおなじですよね」

・定年後の働き方で思うこと。「地域開発に携わってきた自分にとっては、やりがいを感じています」「65歳以降については、現在深く考えてはいません」「完全な年金生活に入るか、当地に関係したボランティア的な仕事を見つけて、年に何か月かは実家に滞在する生活を送れれば」「実家と墓守をするつもりです」

・次にHさん。役員経験者のホテルマンで、人材育成で地域活性事業に取り組む63歳。自らの会社を起こした起業家でもある。

・定年前、定年後について考えていたこと。「すでに役員になっていたので定年という意識はなかった」「60歳の手前で、所属していた会社で株主が変わり職を失った」「60歳手前、定年みたいなものですが、地元に戻ってやりたかったことをしよう、いつかはと思っていたので1年前には自分のお会社は作っておいてあった」

・転職して、変わったこと。「地元に戻って暇な時間もあったが、育成塾(ホテルマンを育成)の準備や総支配人兼務をする頃から忙しくなった」
・定年後の働き方で思うこと。「30代から総支配人という立場で、それからずっと働いてきたので、特にストレスはない」「今、地元で、育成塾や行政のセミナー、ホテルのコンサルタントで現場もやりながら、いろいろ拡がってきているので、やっていきたい」

4.(4)転職違う職域グループ

・このグループも2名います。

・はじめに、Iさん。航空会社から、県の観光・物産振興事務所へ転職した63歳。

・定年前、定年後について考えていたこと。「定年になったら、もう働くことはしないで、ゆっくりしたいと考えていました」「就職の誘いも、お断りしました」「退職してから半年ぐらい経って、、自分でも少し緊張感がなくなっているとの思いもあり」「妻からも、緊張感がなくなっているので働いたらと言われて」

・転職して、変わったこと。「一番気になる、ストレスがたまることは、行政は仕事の進め方が遅い、と感じます」

・定年後の働き方で思うこと。「責任はある、小さくなったって感じ」「以前は、ずっと企業の責任を背負っている感じがあったけれど、今は自由に仕事しています」「これから偉くなろうなんてことも思わないから、これでいいんじゃないのかな」「満足しています」「スポーツクラブに週一回はいくかな。他にもやりたいことが多くあります」

・最後は、Jさん。ホテルから催事を行う施設へ出向後、その会社に転職した65歳。

・定年前、定年後について考えていたこと。「50代後半に転職してからは、職場も仕事内容も変わっていないので、60歳前後では特別に意識していなかったと思います」

・転職して、変わったこと。「最初は基礎知識もなく、お客様の前では戸惑ってあまり自信がないところもありました」「ネット環境は特に苦労しました、お客様に言われたことが直ぐに答えられなかった」

・定年後の働き方で思うこと。「ここ(催事施設)の方が、精神的にはストレスはないです。勤務日、勤務時間は業務に合わせて自分で調整できます」「責任度合いが違う」「モチベーションは下がっている面もあるし、上がってる面もあると思う」「65歳になって、よくここまで働けたなあって思うときあります」「仲間からも、「いいよね。まだ働けているものね」って言われています」

5.まとめ

・ここでは、(1)継続雇用同じ職域、(2)継続雇用違う職域、(3)転職同じ職域、(4)転職違う職域、の4つのグループの9名のインタビュー内容から、<定年前、定年後について考えていたこと><定年後に(転職して)、変わったこと><定年後の働き方で思うこと>の3つの項目を抽出しました。

・継続雇用のグループでは、定年前後で「あまり変わっていない」という人もいますが、定年後は「気持ちを切り替える」と考えていた人も多かったです。

・また、そのきっかけが、母親の入院見舞いであったという人もいらっしゃいました。

・転職グループでは、「やりがい」を感じて働いており、職業人生全体に「満足して」いる人が多い印象を受けました。

・中には、仲間から、「いいよね。まだ働けているものね」と言われる人もいました。

・次回は、定年後も前向きに働くための「一歩踏み出す力」の源泉について考察します。

<岸見一郎著『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)より>
 共同体、つまり他者に働きかけ、わたしは誰かの役に立っていると思えること。
 自らの主観によって、「わたしは他者に貢献できている」と思えること。
 ここではじめて、われわれは自らの価値を実感することができる。

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えwww.amazon.co.jp

1,575円(2022年10月20日 18:47時点 詳しくはこちら)

Amazon.co.jpで購入する