✅「孤独」なおじさんはどうしたって生まれる!✅「良い孤独」になってやりましょう!🌈生きがいを考える用意された時間と思えませんか?

・40代後半から50代のいわゆる中年期は、「ミッドライフクライシス」、「中年の危機」、「中高年の危機」「人生の午後」など、さまざまな呼び名がある「人生の転換期」です。

・どうしたって「孤独」から逃れることはできません。であるなら、「良い孤独」にしよう、と河合さんは提唱しています。

1.孤独なおじさんを量産する日本の組織

・河合さんは、定年前後に孤独感に苛まれる中高年が生まれるプロセスを次のように述べます。

 “社会的動物である私たちは他者と協働することで生き残ってきた。共に過ごし信頼を保つことで安心を得てきた人間にとって、共に過ごす他者の欠如は絶え間ない不安をもたらし、大きなストレスになる。
 ストレスを慢性的に感じていると体の免疫システムが弱まり、さまざまな感染への危険が高まったり、脳卒中などのリスクが高まる。
 また、心理的なダメージからうつ傾向になったり、認知機能が低下する場合もある。皮膚の下まで入り込む孤独は、もはや心の病ではなく肉体的な病なのだ“

・世界に視野を転じると、英国では国民6000万人のうち900万人がなんらかの孤独に悩まされているという調査結果があるそうです。

・河合さんは、中年男性の孤独に関心が集まる理由は、日本の職場が持つ孤独なおじさんを量産する組織構造に求めます。わたしも共感します。

・具体的には、55歳で役職定年になった会社員春田さん(仮名)インタビューを引き合いにして、「仕事を全て一人でやらされました。「若手を1人つけてほしい」とお願いしても無視。全員から無視されました。何よりもショックだったのは…、最初に無視した“上”が、自分の同期だったことです。周りとの接点を意図的に断絶されられる苦痛は計り知れません。自分の存在がなくなるのです」と、孤独を生む実態を語らせています。

・そして、どうあがいたところで50歳を過ぎれば、会社からは評価されなくなるし、年収は下がる一方で、家族は離れていきます。「孤独」にならない方が無理です。

・雇用延長、再雇用など長年働いてきた会社で「定年」という区切りを迎えれば孤独を感じる瞬間はどうしたってありますよ。

・どうせ孤独になるなら、「良い孤独」にしましょう。「良い孤独」にするには、自分に足りないモノを受け入れる必要があります。自己受容と呼ばれ、自分のいいところも悪いところもしっかりと見つめ、本当の自分と共存するのです。

・たとえ孤独感に苛まれる状況になっても、「元気になる力」があれば、生き生きと健康に生きていくことができる、と河合さんは述べます。

・「元気になる力」があれば、大丈夫です。それを見つけ、増やす努力をすれば孤独は「自分と向き合う大切な時間」となります。

・元気になる力は、外的な力と内的な力に分けることができます。

・それぞれの代表的なものをみていきましょう。

・はじめに、外的な元気になる力です。①高い社会的評価(収入、学歴、役職など)、②自由に決められる権利、③人を動かす権利、④能力を発揮する機会、⑤信頼できる人等々。

・次に内的な元気になる力です。①自律性、②自己受容、③人生における目的、④信頼できる人間関係、 ⑤意志力等々。

・ここで河合さんが最も重要視しているのが、「信頼できる人がいるという確信」です。「何事にも勝る内的な力」とまで指摘します。他の内的な力を維持することにもつながり、豊かな人生の扉を開くパワーになります。

2.「元気になる力」は生きがいを生む⇒生きがいを失った人は孤独になるループ


・ここで、一旦、河合さんから離れ、生きがいについて考えてみましょう。

『生きがいについて』(神谷美恵子著、みすず書房)という名著があります。わたしは随分、この本に救われました。精神的に追い込まれトンネルの出口が見えない時、深い心の闇に沈んだときに、この本に勇気をもらってきました。

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・著書の神谷美恵子さんは、1914年に岡山県生まれ。医学博士。長島愛生園勤務の傍ら、津田塾大学教授などを務めました。1979年に没しています。

・この本で、神谷さんは「生きがい」に対する深い洞察をなさっています。以下に抜粋します。

by 神谷美恵子
 ・生きがい感とは「腹の底から湧き出る喜び」だ。
 ・生きがいの欲求とは「個性的な自我の欲求」であり、これが満たされた時に人は高揚を感じる。
 ・人の生きがいは病や死などによって簡単に奪われてしまう。これは時代を経ても変わることはない。
 ・生きがいを失った人は疎外感を感じ、孤独になり、自殺を考える。そうした人は、自分の存在が何かのために必要だと、強く感じさせてくれる新しい生きがいを求めてもがいている。

・神谷さんによると、生きがいとは,「存在の根底から湧き上がってくるもの」と述べています。これは、まさしく、河合さんの述べる「元気になる力」に繋がっているということができます。つまり、元気になる力を見つけ⇒強い喜びを感じると⇒生きがいが生まれる、というループの中で繋がるのです。

・逆もあります。神谷さんが述べているように、生きがいを失う⇒疎外感を感じ孤独になる⇒元気になる力がなくなる、というものです。
・また,生きがい感はただよろこびからできているものではなく,さまざまな感情の起伏や体験の変化を含んでこそ生の充実感があると、述べます。

・「ほんとうに生きている,という感じをもつためには生の流れはあまりになめらかであるよりはそこに多少の抵抗感が必要であった。したがって,生きるのに努力を要する時間,生きるのが苦しい時間のほうがかえって生存充実感を強めることが少なくない」

・自分の人生を振り返るとき平穏無事に過ごしていたときのことは思い出がないものですね。一方で思い出されるのは,苦しかったとき,辛かったときのことなのではないでしょうか。

・そこを乗り越えて今がある。それは自分の「自信の元」であり,さまざまな思いが詰まった印象深い時期ということになります。

・そう考えると,何か行き詰まりを感じたり,逆境に追い込まれたときは,生きがい感を手に入れる絶好のチャンスです。

・まさに,定年後に不安を感じている今が生きがいを考える用意された時間ということになるわけです。孤独を前向きに捉え直すことに繋がりそうですね。