ほそだ宮の森事務所通信第14号 2024年夏 特別号「終活」「相続」に関する気になる情報を解説します!
いつもお世話になっております。
行政書士ほそだ宮の森事務所((一社)いきいきライフ協会札幌宮の森) 代表の細田健一です。
「終活」「生前対策」「相続」に関する最新の情報,ニュースについて,法律面ばかりでなく身近な話題を取り上げて解説いたします。お仕事や家事の合間にお読みください。
親世代がいらっしゃる方は一緒に,そうでない方もご友人と「失敗しない終活!」「失敗しない相続!」を考えていきましょう。
また,介護,医療看護,社会福祉,行政など各分野の業務のお役に立つことができましたら,望外の喜びです。
<ニュース:「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」公表!>
先月6月に国は,「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を公表しました。予てからパブリッコメントを募集していましたが,この度,検討が終了し公表に至りました。
この事業は,主に高齢者に向けた身元保証等サービスや,亡くなった後の死後事務サービスを内容とし,ときには高額のサービス料になる場合があります。
近年,身寄りがない,家族がいても身近に頼れる人がいない状況にある高齢者等の意思決定を支援する仕組みや,国の規制がなかったことから,高齢者保護に関する課題が顕在化してきました。
ガイドラインの目的は,高齢者等サポート事業者の適正な事業運営を確保して健全に推進し,合わせて利用者が安心して当該事業を利用できることに資するようにするため,策定したものです。
最近,非常に関心が高いサービスですので,どうぞ注目して下さい!
次回以降,詳細をご報告したいと思います。
★お盆休みは終活・相続を話し合うチャンス★
介護関係の方々にお聞きすると,介護や相続に関する問い合わせが急増するのが,「お盆明け」だそうです。そこで,親とじっくりお話しする機会もあると思いますので,お盆の機会に相続のこと,家のことを話してみませんか?というお話しです。
1.お盆に相続や終活の話しを切り出しましょう!
親が高齢になると,40代~70代の多くの子ども世代(わたしもそうです。)は,生前の相続対策や認知症対策は非常に重要だという認識を持ちます。
最近はいろいろと情報も出回っています。その気になると,簡単に情報を手に入れることができます。
ところが,親の方はというと,予想以上に相続対策を考えていないのが現実のようです。ある調査では,相続の相談の9割は子ども世代から入る,という結果もあります。
実際の対策に親子で動いている方はまだまだ少ないのが現状なのです。なぜ,対策が進まないのか。理由の多くは,「相続の話しを切り出すタイミングがないよ!」「親から切り出すのを待っている!」ということではないでしょうか。
「お母さんが亡くなったらさあ…」などとは,なかなか言えません。「お前は,私に早く死んでほしいのかい!」と言われたらどうしようと思います。それが自然な感情ですよね。
そんな中で,帰省し,ご家族,ご先祖様と過ごすお盆休みは日常とは少し違い,家族として一体感を感じることができるのではないかと思います。
ご先祖様から子ども,孫まで揃うようなお盆の場面というのは,普段はなかなか切り出せないような話しでも自然と切り出しやすいタイミングでもあるのです。
「相続」に限らず,「介護」「自宅不動産の管理」などを含めた「終活」全般について話し合う絶好機です。
2.何を話し合えばいいのか?
何も一気に具体的な「遺産分割方法」とか「税金対策」の話しを進める必要はありません。むしろ,焦ってやってはいけません。いずれどこかで歪が現れますし,話し合いをまとめる負担も大きくなります。
大切なのは,ご家族全員で一段ずつイメージを共有しながら最小限の負担で検討を進めていくことです。後から不満が噴出すると「相続」から「争族」というトラブルに発展しますので,十分注意しましょう。
基本的には,次のステップを踏んでいくのが分かりやすいです。
①財産の把握→②思いの把握→(専門家に相談)→③具体的な対策
一つずつみていきましょう。
①財産の把握
まずは何といっても,財産の状況をできるだけ細かく把握することです。
不動産はどこにどれだけあるのか?誰も知らない不動産があったという事例も数多くあります。預貯金の口座はどれだけあるのか?口座を整理し,不要な口座は解約しておくだけでも相続人の負担が減ります。
場合によっては相続税対策が必要な場合もあります。課題が浮き彫りになるのです。
②思いの把握
本人やご家族の思いを把握します。
例えば実家は誰に次いでほしいのか?別な人で継ぎたいと思っている家族はいないのか?
相続で問題化する一つの理由として,家族間で思い違いをしていたというのがあります。
実家は長男が継ぐのが当然だとか,介護をした分遺産を多くもらえるのは当然だとか。
これらの思いを事前に共有しておくことで,大問題化することを防ぐことに繋がります。
③具体的な対策
最後の段階で具体的な対策を行います。
遺言書を書く,生前贈与をするとかの対策は,淡々と粛々と行っていくだけです。
3.焦らず少しずつ親の気持ち,家族の気持ちを大切に!
親からの切り出しや,何かのきっかけを待つだけではなく,お盆の機会にまずは財産のことだけ,実家のことだけでも話題に出してみる。
そうすることで少しずつ動き出します。少しずつ話を進めていく間に,家族内で相続の話しをすることがタブーでなくなります。
4.専門家への相談時期?
専門家への相談時期は,「財産把握」や「思い把握」のタイミングがベターです。
「具体的な対策」の段階で相談した場合,財産や推定相続人の把握に漏れがないのか再調査をすることになるからです。不完全な具体策になってしまっていた場合,再検討を迫られます。
早い段階で専門家に相談することによって,検討内容が明らかになり,皆さまの負担,ご本人の負担,いずれも軽くなると思います。
「これから相続の話しをしたいのですが,どんなことを確認すればよいですか?」のようなことで構いませんので,この段階でご相談ください。
★親の認知症や体力低下が深刻になる前にやっておきたいこと!★
親の体調の変化に気付くのも,お盆の時期に多いそうです。介護保険の問い合わせが急増すると言われます。
たまにしか会えない場合は勿論のこと,定期的に会える場合でも兆候をチェックしておきたいですね。一番,わかり易い兆候を掴むポイントは,親が毎日触れる「冷蔵庫」だそうですよ。実家の冷蔵庫に同じものが大量にあったり,腐ったものが残っていたら要注意!
親の認知症や体力低下が深刻になる前に,親子で済ませておくことにはどんなものがあるのか,特に重要な事項をみていきましょう。
①預貯金口座関係の整理
はじめに手を付けたいのが預貯金口座の関係です。認知症や突然の入院などで,必要になる当面の資金を確保することにもつながります。
定期預金は家族でも解約など契約変更はできないので,家族が引き出しやすい普通預金などに移しておきます。次に代理人カード(家族カード)を作っておきます。この手続きは,本人が窓口で申込書を記入します。各金融機関で取り扱いが異なりますので注意しましょう。ゆうちょ銀行では,本人の通帳,印鑑,マイナンバーで作成できました。
印鑑や通帳などの保管場所(印鑑を忘れている場合もあります。)も共有し,相続人が手続し易いようにしておきましょう。
②不動産,特に実家の相続をどうする?
所有する不動産の住所,登記簿上・権利証の地番や名義人などの情報を共有しておきます。そして,さきほどの預貯金と合わせて,不動産,証券,生命保険から住宅ローンの負債にいたるまで財産をまとめておきます。特に負債を忘れずに記載してもらいましょう。
「実家の相続をどうするの?」「今更引っ越してくるのは無理!」。実家の相続は,兄弟がいる場合には,特に大きな課題になってきます!空家のまま放置しないように責任ある相続をしましょう。
相続財産を把握して,実家の不動産が相続財産に占める割合が大きい場合は,早めに相続方法を関係者で決めておきましょう。揉めそうなら「遺言書」で決めておくという手段もあります。
また,以前の相続等の結果で,すでに共有になっている場合は早めに解消しておきましょう。
③死亡保険金の受取人の変更
夫が契約者の場合,一般的に妻が受取人のことが多いですが,妻が病気や親が受取人などの場合は他の家族に代えておきましょう。これは,相続税も考慮する必要があります。
④エンディングノートを書いてもらう
終末期の延命治療や死後の葬儀の意向などだけでなく,資産や,親戚・友人の連絡先,書類の保管場所などすべての情報を書いてもらいましょう。
⑤その他
・家族信託
認知症によって資産が凍結されたら,預貯金の解約・引き出し,自宅を含む所有する不動産の売却・処分ができなくなって,デッドロックになります。家族と信託契約を結び,受託者に代行してもらいましょう。
・親の介護の方法
親が介護状態になったときの役割は早い時期に,兄弟姉妹で連携を良くして,役割を決めたいです。近くに住んでいる方にしわ寄せがいく場合が多いですが,遠方の方も細目に連絡を取り,サポートをしてあげるなどできる限りの支援をしましょう。
<あとがき>
2024(令和6)年の夏がやって来ました!
札幌の大通公園では,7月19日から恒例の「ビアガーデン」がスタートしました。🍺
今年の道内は,例年に比べて一段と暑さが厳しくなっているような気がします。
そのせいもあって,ビールが上手いですねー!
先日,札幌では「34.7℃」を記録しました。
もうすぐ,夏本番になりますが,この調子でいくと昨年同様に,最高温度の記録更新となりそうです💦💦💦
北海道のエアコン普及率が急上昇しているとか?
わが家も3年前に冷暖一体型の200Vエアコンを導入しました。
今年は,函館の母の部屋に簡易型を取り付けました。
「大した,いいべさー!」と母の明るい声。
成果が出ているようです。
地球全体が,わたしたちが生きている間,気温が下降していくことはないんでしょうね!
来年の夏はどうなっているのでしょうか? (ちょっと気が早かったですかね。)
皆さま,今年の暑い夏を乗り切っていきましょう!
あとひと月もしたら,秋風が吹いてくれると信じて…(笑)
\(^o^)/